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第14話

「マジか……」

 康大の予想ではアンデッド達が盗賊を殲滅させるか、盗賊が逃げるものと思っていた。

 だが実際はその逆で、明らかに盗賊達がアンデッドを押していたのだ。結局アンデッドが優勢だったのは最初の奇襲だけで、その後は烏合の衆とも思われた盗賊達に叩きつぶされていた。

 そうなった一番の理由は、盗賊達の中にいるシャーマンのような男のせいだろう。

 その男はどうも元聖職者、言うなれば破戒僧であるらしく聖水や詠唱で次々にアンデッド達を土に返していった。まさか畜生の群とも呼べる盗賊達の中に、あんなポジションの人間がいるとは予想外だった。見ためだけならより蛮族に近いので、疑うことさえなかった。

 もしダイランドの状態が平常通りで連絡がつけば、あの男を殺すよう指示しただろう。だが現実的にはどちらも無理な話だった。

 このままでは盗賊達がこの教会にも入ってくる。

 逃げたくともまだ外は危険で、こんな大人数が逃げ切れるとは到底思えない。

(考えろ、考えろ俺!)

 康大は無意識に強く爪を囓る。その力が余りに強かったのか、爪が割れ、指からも血が流れた。

 それに気付いたあの高貴そうな女性が、持っていたハンカチを渡そうとしてくれたが、康大はそれを丁重に断りなるべく近づかないように言った。

「俺のゾンビ化は病気みたいなもんで、血でうつるかもしれないんです。だから今はなるべく近づかないでください」

「まあ、そんなことが……。どうぞお大事に」

「ありがとうございます」

 康大は指を押さえながら頭を下げる。

 その拍子に、教会の石畳を流れる水路に気付いた。

「これは……」

「それですか。どうもこの教会は水路の上に建てられ、その水路は今なお健在で盗賊達の飲料にも使われているようですよ」

「これが……」

 康大はそれを踏まえて外の様子を窺う。

 確かに盗賊達は、戦いの合間に教会から流れるこの水路の水を折を見つけては飲んでいた。アンデッドと戦っただけでなく、酒も飲んでいたので喉が余計渇いているのだろう。できることなら酒で喉を潤したかっただろうが、アンデッドとの戦いでほとんどこぼれていた。

「・・・・・・」

 その瞬間、康大の脳裏に※ある漫画のシーンが思い浮かぶ。シチュエーションは全く違うが、そのシーンでの行動は今の状況で起死回生の策とも言えるべきものだった。ただそれを実行するには、とてつもないリスクが伴う。

 康大は瞼を閉じた。

 1人でそれを決めるには、あまりにも荷が重かった。

《……何よこんな時間に。完全に業務外なんですけど》

 ジャージ姿でテレビを観ていたミーレが毒を吐く。こんな人間……ではなく女神しか相談相手がいないのだから、不運としか言いようが無い。

「今までの状況は分かってるな」

《さあ。勤務時間以外は何してるか知らないし。まあこうしてラインを繋ぎっぱなしにしてるから、会話は出来るけどね。ああ、面倒くさいわ-、退社後も家に仕事を持ち込まないといけないなんて》

「こっちは急いでるから用件だけ話す。目の前の数人を助けるために他の数百人を危険にするような行為は、許されるのか?」

《その台詞だけでどんだけヤバい状況かアタシにも想像がついたわ。そうね、難しい質問だわ、()()()()()()()

「じゃあお前ならどうするんだ?」

《目の前の数人を助けるに決まってるじゃない。歴史上神が特定の人間を助けるために、何人の無関係な人を切り捨ててきたと思ってるの。神にとって助けるということは、他は殺すと同じような意味なのよ。アタシ達はそうやって取捨選択しながら信徒を増やしてきたわけ》

「・・・・・・」

 康大は今まで同じような人間と思っていたミーレとの間に、明らかな壁が存在していることを思い知らされた。結局彼らにとって人間など駒に過ぎないのだ、と。

《ま、人間のアンタがアタシ達と同じ心境に至れるわけもないけどさ。ただこれだけは言っておくわ。……ごほん、何もしなかったから結果的に片方を選んだことになった……という選択だけは絶対にしてはいけません。どちらを助けるにせよ、それが貴方のした選択でなければ、見捨てられる方にとってこれ以上の侮辱はありません。人の命に関わるというのはそういうことなのです》

「……分かった」

 久しぶりに聞いた神々しくもあるミーレの声に、康大は力強くうなうずいて目を開いた。

 この水路を使って、目の前の数人を助けるために他の数百人を危険にさらす。それはするだけなら簡単なことだった。

 ただ自らの血を水路に流せばいい。

 盗賊達はそれでウイルスに冒され苦しみ始めるだろう。何人かは助かったとしても、アンデッドにとって弱った盗賊など物の数ではない。

 問題は盗賊が死ぬかどうかではなく、水に混じったウイルスで、下流に住む村人もゾンビになる可能性がある、ということだ。ハイアサースの時のような支流のない泉ならいいが、水路は明らかに下へと流れている。さらにウイルスの影響でゲームにあるような異常で凶暴な変化を遂げる盗賊現れ、2次被害が出てしまうかもしれない。

 本当に危険すぎる賭だった。

「……やろう」

 それでも康大はその賭けに乗ることにした。

 もしここで彼女たちを見捨て、見えない大勢のための安全を大事にしたら、今までの自分の行動全てを否定することになる。

 この世界に来てからではなく、この世界に来る前の、だ。

 博愛的な考えで多くの人を助けようとしたら、あの時にまず自分を危険にさらすべきだった。閉じられた扉を開け、ゾンビや感染者が来ることも恐れず逃げてきた人々を迎えるべきだった。

 しかし康大は目の前の最も重要な人間――つまり、自分自身ために他の人間は無視した、し続けてきた。

 それなのに、こうして自分に余裕が出来たら自分を含めた近くの少数より遠くの大勢を救う、では道理が通らない。少なくとも康大自身にはそう思えた。

 覚悟を決めた康大は自らの手を見る。

 その瞬間、すでに選択が完了していたことを知った。

「あ……」

 ミーレと話し考えている間、あまりに強く指を押さえていたので、傷が塞がるどころか逆に血が噴出し、それが余すことなく水路に流れていたのだ。つまり康大がどっちの選択を選ぼうが、結果は同じだったのである。

(……いちおう選択したからセーフ!)

 康大は自分の中でそう決めつけた。開き直って駄目押しとばかり水路で指をすすぎ、康大は扉から外の様子を窺った。

 最初に変化が現れたのは幸いと言うべきか、あのシャーマンだった。詠唱などで誰よりも喉が渇いていたのか、人一倍水を飲んでいたのがその理由だ。

「ぐげ……ご、ごげへ……っ!?」

 シャーマンはあの時の少女と同じように痙攣し、やがて身体中をかきむしりながら大量に血を吐く。元聖職者ではハイアサースのような加護は得られなかったのか、それともハイアサースだけが特別だったのか。

 遠巻きに見守る盗賊達の輪の中で、シャーマンはそのまま白目を剥いてぴくりとも動かなくなった。

 突然の出来事に呆気にとられる盗賊達。

 やがて他の盗賊達ももがき苦しみ始める。

 アンデッド達はこの好機を見逃さず盗賊達に襲いかかり、形成は一気にアンデッド達に傾いた。

 血を吐きながらのたうち回る野卑な盗賊に群がるゾンビ達。一方的な虐殺は拮抗した戦争より、より強い嫌悪感を康大にもたらす。だが彼らに頑張ってもらわなければ、少女達も自分自身さえも助けることは出来ない。 

 こぶしを握りしめながら力いっぱい扉を押さえ込み、目を瞑って盗賊達の断末魔に耐える。聞きもしないのに《ちなみにさっきの台詞今見てる海外ドラマから借用したんだよね。アタシが考えた名言だと思ったか、ぐへへ~》と瞼の奥のミーレがなにやら喚いていたが、言うまでも無く黙殺した。

 しばらくすると外の喧噪が収まってくる。

 康大が恐る恐る外の様子を窺うと、辺りは死肉を漁るゾンビと飛び回るゴーストだけとなり、生きている盗賊達の姿はほとんど見られなくなった。

「よし!」

 康大は扉を開き、ハイアサース達が隠れているあたりに向かって「今だ!」と大声で叫んだ。この暗闇では目に見える合図は通用せず、音に頼る他ない。

 まだ完全に盗賊達がいなくなったわけでは無いが、捕まっていた少女達を逃がすには充分だと康大には思えた。

 康大の声に反応し、ハイアサースが待ってましたとばかり持ってきた火打ち石で松明に火を灯し、立ち上がる。逆にダイランドは深いため息を吐いたまま、ぎりぎりまで動こうとはしない。少女は感情の籠もっていない目のまま、とりあえずハイアサースに習って立ち上がった。

「神のお力を見るがいい!」

 ハイアサースはアンデッド達に直接聖水をかけるのではなく、地面に向かって道を作るように撒いていく。

 例によってハイアサースもアンデッド達には風景と見なされているで、その行動に対する反応はない。盗賊達の生き残りはハイアサースの行動に気付いたが、構っている余裕は一切無かった。

 その後ハイアサースは何か印のようなものを結び、呪文のような意味の分からない言葉を唱え始める。そうしていると聖職者と言うよりは魔法使いのような印象だ。その騎士然とした格好とかなりミスマッチである。

「神よ、ご笑覧あれ!」

 最後に言った言葉だけは康大にも聞き取ることが出来た。そして、ハイアサースが信仰している神は絶対にミーレでは無いだろうなと確信する。

「よし、と」

 ハイアサースは満足げな表情をしたが、康大の目からは何も変わっていないように見える。

 しかしハイアサースはそんな康大の困惑など一切無視し、平然と教会に近づいて来た。

「遠くで見ていたが色々やったようだな。だが今回は相手が相手だし方法には目を瞑ろう、ご苦労だった」

「ああ。ところでお前はさっき何してたんだ?」

「ああ、とりあえず"壁"を張った。何もアンデッド全てを倒す必要は無いし、捕まっている者達が逃げられるルートを作らなければならなかったからな」

「壁?」

「見れば分かる。とにかくコータは捕まっている者達を連れてきてくれ」

「分かった。あと全然話は変わるけど、ホント無様だなダイランド」

「うう、申し訳ないっス……」

 目を瞑りながらかつての少女のようにハイアサースの鎧の縁を掴んで歩いてきたダイランドに、康大は呆れながら言った。その少女は逆に平然と歩いてここまで来た。

 それから康大は教会内に戻り、あの高貴そうな女性に事情を伝える。

 少女達は皆不安そうな表情で口々に何かを囁きあっていたが、高貴そうな女性の「今を逃せば死ぬだけです」の一言で口をつぐみ覚悟を決める。彼女には高貴さだけでなく、持って生まれたようなカリスマ性もあった。

「それではよろしくお願いいたします」

「はい」

 康大は全員を教会の外に連れ出した。

 その瞬間、何体かのアンデッド達の視線がこちらに集まる。薄汚い盗賊共と違い、若く美しい彼女たちの方が襲い甲斐があるのだろうか。

 少女達は叫び声を上げ、康大もとにかくその場から離れようとする。

 しかしそれをハイアサースが止めた。

 そうこうしている間に、最も近くにいたゾンビがあの高貴そうな女性に手をかけようとする。一瞬怯みはしたものの、顔を背けるどころか真正面から睨み返すその姿は、まさに王者の振る舞いであった。

 しかし、ゾンビの手が彼女に触れる前に、ゾンビ自身の手がなくなる。

 何が起こったのか理解出来ないゾンビはそれでも近づこうとしたが、今度はまるで違う空間にでも移動したかのように身体が徐々に消えていき、最終的には足だけが取り残された。

 これがハイアサースの言う"壁"の効果であることは、誰の目にも明らかだった。

「すごいな……」

「これぐらい出来ないようでは一流のシスターとは言えん」

「一流の基準高すぎだろ……」

 現実世界では確実に二流のシスターしか存在しなくなる。

「とりあえずこの教会から私達が隠れていたあたりまで、〔聖なる壁〕を張った。効果は聖水は完全に大地に変えるまでだから、余裕はそこそこあると思う」

「となると問題はここから逃げた後か。盗賊の残党もいるから村まで安全とは言えないし、この人数だとあの子みたいに隠れ続けているわけにもいかないな。どうします?」

 康大は高貴そうな女性に念のため話を振った。

「・・・・・・」

 しかし彼女は質問には答えず、複雑な表情でただ心を失った少女を見ていた。

 康大もそれに気付いたが、おそらく同情したんだろうとあえて聞きはしなかった。今はそんな些事よりもっと大事なことがある。

 康大は無言を意見無しと見なし、そのまま自分達だけで話を進めた。

「ハイアサースは?」

「こうなった以上、彼女たちのことはダイランドに任せるべきだと思う。まだ完全にこのあたりのアンデットが排除されていない以上、彼はここでは戦力にならないし、盗賊相手ならそのやり方を一番知っている。その変わりゴーレムの相手を私達2人でしなければならなくなるが。コータはこれでいいと思うか?」

「俺もお前の意見に賛成だ」

 教会から脱出後の計画までは立てていなかったが、康大にもハイアサースの案が最善に思えた。この場から離れられると思ったダイランドも「任せるっス!」と、自信を持って答える。

「それじゃダイランドに彼女たちは任せて、俺達は――」

「あの――」

 不意に件の高貴そうな女性が声をかける。

「えっと、なんですか? 何か問題でも?」

「方針に関しては異論はございません。ただ、その子も連れて行ってください」

「その子って……この子!?」

 女性が指さしたのは、あの心が壊れた少女であった。

「いきなり何を言ってるんですか!? まさか逃げるのに足手まといとでも!?」

「いいえ逆です。私はその子のことをよく知っているのですが、きっと皆様の力になってくれると思うのです。そうですね、ケイア」

「御意」

 突然少女の瞳に光が戻り、膝を曲げ臣下の礼をとる。

「私達はこの方と丘を下りますが、しばらくの間私の代わりにこの方達にその力を貸しなさい。頼みましたよ」

「御意」

 ケイアと呼ばれた少女は再び同じセリフを言った。

 高貴そうな女性はそれに鷹揚に頷くと、自分が率先して先を歩いて行く。ダイランドはとりあえず何も考えずにその女性についていき、他の少女達も後に続いた。

 最終的に眼をぱちくりさせるハイアサースと康大、そしてケイアがその場に取り残される。

「な、なんだべあの人は……」

「いや、俺にも何が何だか」

「さる高貴な方、とだけ言っておくでござるよ」

 2人の言葉にケイアはそれだけ応えた。

「いやいやいや、あの人もそうだけど君もなんなんだ!? 心が壊れたと思ったらいきなり普通に戻って!」

 瞳の色を取り戻したケイアは、康大の予想通り活発で人好きのするような美少女だった。黒々とした目はよく動き、肌もゾンビ化の影響はなく健康的な黄色人種の色だ。今までの状態があまりに哀れで体型にまで気を配る余裕はなかったが、マントからうかがえるスタイルはかなりスレンダーである。

 悪く言うと。

(まな板かな)

 その一語に尽きる。

「おおよそ康大殿は不愉快な事を考えているでござるな。まあ今まで拙者が康大殿にしてきたことを考えれば、どう思われても文句は言えないでござるが」

「文句も何も、どうしてあんな壊れたフリをしてたんだべ!? 本当に心配したんだべ!」

「それは重ね重ね申し訳なく。しかしどうしても必要な事だったのでござるよ。そもそも話は数日前に遡るでござる。拙者と御屋形様――言うまでも無く先ほどのさる高貴な方でござる、それにおつきの者達と旅をしていたのでござるが、拙者が離れている間に運悪く大勢の盗賊共に見つかり、御屋形様もろともああして捕まってしまったのでござる。さりとて拙者1人の力では、全員を助けることなど到底不可能でござる」

「まあダイランドぐらいの蛮族じゃないと難しいよな」

「そこであえて捕まり、害の無い廃人を装うことで隙を見て御屋形様だけでも助ける予定だったでござる。それが幸か不幸かああして別の場所に連れて行かれ、皆様に助けられ申した。本来ならその時身分を明かすべきでしたが、御屋形様はああ見えて敵の多い方、おいそれと信用するわけにはいかなかったのでござる」

「そうだったのか……。ただあそこで騒ぐのはやりすぎだったと思うぞ。危うく殺しかけた」

「あれは真に申し訳なく。ただあそこまでしなければ、明敏な康大殿には演技を看破されるのではと思い、少し気合いを入れすぎてしまったでござる。それにしてもまさかぞんびが服を着て人間の言葉を話すとは……」

「過大評価だ。それに俺だってびっくりだよ。2日前にはもう完全に死ぬもんだと思ってた」

「私も死ぬかと……あれ、何か意識が……」

「うわ、お前の場合そのままだと本当に死ぬだろ! 急いで回復魔法を唱えろ!」

「えーあーうん……」

 力ない声でハイアサースは答える。

 康大は心配になったが、魔法自体は簡単なのかすぐにハイアサースの肌に生気が戻り初め、重くなった瞼もはっきりとした。

「死んじまうかと思ったべ……」

「それは俺の台詞だ」

「なんとも便利な身体でござるなあ。拙者もあの時ゾンビになっていた方が――」

「冗談でもそういうことは言うな」

 康大が本当に珍しくドスのきいた声でケイアの言葉を遮った。本人はそれほど声に力を込めたつもりは無かったが、自然とそうなった。

 初めて聞く声音に、ハイアサースでさえも少し怯んだような表情をする。

 ケイアは表情こそ変わらなかったが、「出過ぎたことを言いました、お許しを」と素直に自らの失言を謝った。

「と、とにかくこれからどうするかだな。まだアンデッドも盗賊も残っている」

「ウイルスで死んだ盗賊達が、このままゾンビとして復活でもされたら面倒だ。確実に息の根を止めておいた方がいいかもしれない」

「しからば今までの迷惑料にそれは拙者が。なに、死に損ないの下郎の命をつまむなど、朝飯前でござる」

「それじゃあそっちはケイアに。ゴーレムが現れる前に不安要素は消しておきたいから、アンデッドもできる限り片付けた方がいいだろうな。こっちはハイアサースがなんとかしてくれ」

「了解した」

「残りはほぼゴーレムだけ。最初はどうなることかと思ったけど、意外になんとかなりそうだな。……パンデミックが起こってなければだけど」

 康大はようやく肩の荷が下りた気がした。

 まあゴーレムと言ってもせいぜい2,3メートルほどで、生えている薬草を採るだけだったら、そこまで難しくはないだろう。

 そう安易に考えていた。

 それから数時間ほどの時が流れる。

 日付がそろそろ変わろうかという頃、康大は自分の考えが完全に間違いであったことを理解するのだった――。


※ハァハァお察ししてほしいからちくしょう

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