84話・人型二脚巨人
「聖剣ヨハネ」と「金属の塊」が融合した。
グニャリ…
世界そのものが、空間そのものが…震えるように「歪む」。
泉の水面にて、荒々しい波紋が走り。
ノドの地の空気に、異変が起きる。
瞬間、ドラゴの足元が、跳ね上がった。
ゴォオオオオオオオオウ!
「これっ…は?!」
唐突な振動によって、ドラゴの体が吹っ飛ばされる。
予想外の展開ゆえ、反応する暇さえなかった。
高温の蒸気が、泉全体から噴き出て。
空気が、沸騰しているみたいだ。
泉の水が、一瞬にして蒸発…ドンヨリとした霧に覆われてゆく。
そして…
『SS・システム・キドウ』
何やら、正体不明の「電子音」が、霧の奥からしてきた。
この音(電子音)は、何と言ったのか?
ドラゴにも、ウェインにも、黒騎士たちにも理解できない。
ただし、一つだけ明らかなのは。
この言葉(電子音)は、グリモワーツとは異なる。
もっと「遠い」異世界の言語だと…言うことであった。
それは、誰も体感した事のない、未知の存在…
ゆっくり、ゆっくりと…
巨大な「人型」のシュルエットが一つ。
金属フレームの二脚で、聳え立っていた…
先程の衝撃によって。
泉の外(陸地)にへと、吹き飛ばされたドラゴ。
痙攣した体を、無理やり起こし。
陸側から「巨大なソレ」を見上げた…
ソレの形は「巨人」と呼ぶに相応しく。
大きな頭部に、大きな手足…全長は「200m」にも達していた。
しかし、この巨人は…
おとぎ話や絵本に登場する、ファンタジーな外見とは程遠く。
この場にいる誰もが、巨人の姿を不気味に感じた。
何故ならば…
巨人の体は、正体不明の金属で構築されており。
金属フレームの表面には…
黴や苔など「永い眠り」による腐敗が垣間見えた。
例え、古びていても…なんの弊害もなく「起動」。
頭部ユニットのモノアイが輝き。
胸部の排気装置から、熱を帯びた煙が吐き出される。
「スキャンモード・キドウ」
連なる謎の電子音…そして。
腐敗した金属(装甲)の表面が「変形」の兆しをみせた。
巨人の体を覆っていた…黴と苔などの付着物が一瞬にして消滅。
「2S・フレーム」
超高温の熱源により、金属の仕組みが変形。
錆びれた金属から…白銀の装甲フレームへと変貌してゆく。
その姿こそ、まさしく…
『巨大人型二脚ロボット」と、呼べる存在であり。
勇者や魔王がいる…ファンタジーの世界から逸脱した「別次元」の代物だった。




