80話・作戦開始
だが、カイルとは対照的に…
フェルゴールの方は嬉々としながら、右手の装置を起動させた。
こちらのパーツ(腕の装置)には、多種多様な機能が備わっており。
「通信」や「偵察」と…大抵の事は簡単にこなせる。
腕の装置をいじりながら。
隣りの少女へ、次の目的を告げてみた。
「ガイアの部隊を動かす。文句はないか?」
作戦を説明されても、カイルは上の空だった。
「どうぞ…ご勝手に」
この悪魔に、意見を求めても。
返ってくるのは「空虚な返答」ばかり。
ゆえに、フェルゴールは、独断で行動に移した。
実際のところ…
黒騎士軍の頭は、彼女ではないので。
カイルの意見は、そこまで絶対的なモノじゃない。
ただ…黒騎士の中で唯一。
ロボット騎士フェルゴールだけが「カイル・マックストーン」に信頼を置いているらしい。
彼女から「勝手にしろ…」と、お許し(許可)が下りたので。
現在進行形で、作戦を展開中の部隊…ガイア隊へ、次の指示(通信)を発信した。
永遠と広がる大気圏上にて…黒騎士の大部隊が、集結してゆく。
この領域(大気圏)は、コバルトグリーン(緑色)の色彩を司り。
まさしく「緑色の宇宙」と呼べる空間だった。
黒騎士たちは、そんな宙域(緑色の宇宙)を飛行しながら。
遥か下の地上…異世界グリモワーツの「とあるエリア」を監視していた。
そのエリアとは…
勇者たちが進行している「ノドの地」であり。
こんなにも地上から離れていると。
生命の大地(ノドの地)も、豆粒程度にしかみえなかった。
ピッ…ピピピッ…ピッ
ガイアの兜にて、ライト(照明)が規則的に点滅する。
そして、この照明こそ…
魔王城アポカリファからの「次の指示」であった。
「………了解だ」
彼からしても…
あのロボット騎士は、気に食わなかったが。
役立たずの「ロリ幼女」よりも、機械野郎の方が信頼できた。
「総員、出撃」
ガイア指示が発せられ、配下の黒騎士が一斉に動き出す。
一、十、百、千…万
次の目標は一つ、ノドの地へ展開すること。
勇者の妨害…そして「脅威への対処」。
ガイアの指示を合図となり。
黒騎士たちは、怒涛の勢いで急降下を始めた。
その様は、まさしく…
荒々しく輝く「赤い流星群」だった。




