78話・赤い星々
二人の勇者…ドラゴとウェインは。
「最後の希望」の為に、ノドの地を訪れた。
勇者の到着を、妖精たちは歓迎してくれて。
その他の幻獣たちも、二人を受け入れた。
夜空の様子を見て…ドラゴは、ふと思った。
やけに、星が…多いな…
そんな疑問も当然。
「赤い星々」が、ノドの地の夜空に広がっており。
その規模は、空の果てにまで達している。
彼の視力ならば、遠くだって見通せる。
だが、どうも…コレら(星々)の正体が掴めない。
ノドの地の夜空が、奇妙でならないが。
警戒しているのは、ドラゴだけらしく…
相方の勇者は、まったくの無警戒。
まるで、ピクニックのように嬉々としている。
こちらの行動は、魔王側に筒抜けのはず。
ゆえに、敵の待ち伏せを予想していた…
だが、敵(黒騎士)に遭遇する気配はなく。
不気味な程に、計画が順調に進んでいった。
「聖天使アベル」の救済を得る…
これこそが、勇者側の計画であり。
人類にとって…全生命にとって…最後の希望そのものだった。
ドラゴは「聖剣ヨハネ」と共に。
魔王ハルバートに、全力で挑んだ。
だが、しかし…
勇者の力、人類の力では、極悪魔王を討てなかった。
ゆえに、最後の切り札は…
あらゆる存在を救済する「聖天使」の存在のみ。
聖天使アベルについては、あまりにも謎が多く…
アベルとの接触によって、何が起きるのか?
ドラゴ自身、想像すらつかなかった。
それでも…
「正義の聖天使が、生命を救済する」と…
幼い頃から教え込まれており、アベルに疑問を抱く事はなかった。
それに、下衆(魔王)の手から、ミュウを取り戻すには。
あらゆる手を、尽くさねばならないのだ。
昔からの伝説によると…
聖天使アベルの覚醒には「媒体となる勇者」が必要と言われており。
その役割(媒体)に、最も相応しい者こそ。
変革の勇者…ヨハネであった。
ヨハネは、魔王戦の時「聖剣ヨハネ」に変身し。
今は、ドラゴの背に抱えられている。
まさしく「聖剣ヨハネ」こそ…アベル復活への鍵なのである。




