77話・緑と生命の大地
ここは、生命の集いし大地『ノドの地』
夜空の星々が、幻想的な光彩を放ち。
緑の大地は、透き通るように鮮明であった。
柔らかな平原には、多くの生物たちで溢れ。
この「ノドの地」こそ…争いとは無縁の理想郷と言えよう。
また…
この地にある「木」は、木人と呼ばれる巨人族であり。
木人たちの頭には、多種多様な果実が実り。
彼ら(木人)が歩く事で、たわわに実った果物が揺れる。
そんな木人の周りを、小さな人影がクルクル…と回る。
小さな影の正体は「妖精族」だった。
その体は、わずか十㎝にも満たず、蝶のような羽を持っていた。
そして…
ノドの地の夜空を、神々しき幻獣が駆けてゆく。
ソレ(幻獣)の正体は、一角獣のユニコーン。
銀色の翼を羽ばたかせ、虹色の夜空を舞い踊る。
また、ユニコーンたちは、複数体の群れで活動しており。
十~二十の一角が、夜空にて輝いていた。
悪とは無縁…まさしく生命の領域。
この神域の中央には「始まりの泉」という泉があって。
はじまりの泉こそ…
ノドの地を語るには、欠かせぬ存在だった。
泉の水は清らかで、一色の濁りもなく。
美しき「人魚たち」の住処でもあった…
白い素肌、魅力的な長髪。
そして勿論、彼女たちの下半身は、魚の姿形をしている。
幻想の草原、神秘の泉。
生命に溢れる、大自然の領域にて…
たった一つのみ…
この領域とは「無縁」の存在があった。
ソレは直入に言うと「金属の塊」だった。
金属の塊は「はじまりの泉」の中央にて沈黙し。
形状は、縦型の円形…そして、角のような突起物(部品)が備わっていた。
金属の殆どは沈水しており…その全貌は、明らかではないが。
激しい老朽化によって、カビと苔に覆われていた。
こうなっては、金属と言うよりも。
とっくの昔に朽ち果てた、岩石そのものであった。
この金属の正体は「不明」で…
妖精やユニコーン、人魚たちが誕生するよりも。
ずっと、ずっと、「遥か昔」から…
この地で「眠っていた」と、言い伝えられている。




