65話・躱された先には
ただ、このとき。
光速次元の「決闘」を隅々まで、観察する者がいた。
金色の爆発が連なる度。
機械のモノアイが、ギョロギョロ…と激しく起動。
そう、この場で唯一。
ロボット騎士、フェルゴールだけは。
光速の世界を、モノアイ(目)で目視していた。
「手加減して、手を抜いてコレか」
「ハッ!もはや、デタラメ幼女だな!」
どうやら、このロボットの関心は、魔王に向けられており。
彼の価値観を前にしたら。
史上最強の勇者さえも、極悪魔王のお膳立てに過ぎない。
ドラゴは、敵の急所を狙って。
幼女魔王の胸に、聖剣ヨハネを向けた。
あとは、あらゆる力を込めて「突撃」するのみ。
そうすれば、憎き魔王に、正義の鉄槌が下されるだろう。
悠人の目にも、ドラゴの攻撃が見えた。
それどころか…
今の悠人にとっては、光速の世界さえも「鈍重な景色」に見えて。
ドラゴの動き全てが、スローモーションのように感じられた。
そして、一切の力すら入れずに。
幼女の体を少しだけ、些細な微力で動かした。
ビッ……ュ………ッ……
ただし、その動作は、あらゆる概念を無視しており。
「想像も常識さえも」当たり前のように置き去りにした。
聖剣ヨハネが、魔王を捉える寸前。
幼女魔王の姿が「無かった」ように消えた。
全力の一撃が、空虚な宙に走りゆき。
この一瞬にて、ドラゴは…「躱された」と自覚する。
また、この一撃は、力の限り突撃した為。
そう簡単に「止まれる」一手では無く…
聖剣ヨハネは、暴走したように、直進的に突撃していった。
そして、その先には…
いつも見慣れた「ピンク髪のポニーテイル」。
そう…暴走した剣先に、幼馴染のミュウの姿があった。
想定もしなかった…最悪の展開に、ドラゴの思考が凍りつく。




