62話・決闘は光速次元で
聖剣ヨハネが、正義の鉄槌を下し。
圧倒的なドラゴの攻撃に、失楽天が震えあがった。
ゴウ!ゴウ!ズシャ!
敵の姿は「幼女」そのもの…
だとしても、手を抜くつもりはない。
だって相手(幼女)は、悪の根源「魔王シュバルツ」なのだから。
彼は、天に選ばれし「特別な勇者」。
ゆえに、己が信じる信条こそが、正義そのものなのだ。
ちっこい幼女魔王に、全力の攻撃を畳みかける…
ドラゴの挙動が、雷光の如く駆け抜け。
その動きは「光速」の次元に達していた。
もはや、覚醒したドラゴを、目視する事は『生物』では不可能。
ガイアを含め、黒騎士全員が、この決戦に置き去りにされた。
鬼神のような勇者の猛攻を。
悠人は、幼女の体一つで「全て」受け止めた。
一撃…また一撃と攻撃される度。
カイルとミュウが選んでくれた…道着とドレスが激しく揺れる。
このように…ただ一方的に、袋叩きにされているけど。
やはり、フェルゴール戦と同様。
幼女の体が傷つく事はなく、痛みすらも感じなかった。
その上、相手は、光速で動いているのに。
それらの動き全て…
悠人(幼女魔王)の目には、スローモーションの如く「止まって」見えた。
つまり、魔王ハルバート・シュバルツ・ハイツにとっては。
たかが「光速の次元」など…
眠くなるほど、鈍重な領域に過ぎなかった。
ただし、幼女魔王は一方的に攻撃されるだけ。
邪悪なる悪の化身は、反撃する素振りすら見せない。




