60話・最終決戦
ドラゴは、光り輝く黄金の刃先を。
邪悪なる宿敵…ガイアとフェルゴールに向けた。
「人類の勝ちだ…下衆共」
「ミュウを、かえせっ!」
相手の生意気な態度に。
ガイアは負傷しながらも、苛立っているのだが。
一方、フェルゴールは、余裕たっぷりな素振りを見せていた。
ロボット騎士の反応が不気味で。
勇者ドラゴは警戒しながら、その声を尖らせた。
「何が、おかしい?」
真剣な勇者を、フェルゴールは嘲笑う。
「世のルールを、お勉強しようか?少年」
「どうゆう事だ?」
真っ向から、問いかけたとしても。
フェルゴールが、それらしい回答をする訳がなく。
「さあ?どういう理屈だろうな?」
芝居がかった台詞を並べ、嬉々としながら「次の展開」を語った。
「ここからが、本番!」
主役の登場を促すように、機械音を躍らせる。
「極悪非道のお手並み拝見!」
瞬間、その合図(台詞)と共に、場の空気が凍りついた。
「小さな人影」が一つ…
ゆっくり、ゆっくりと…静かに歩いて来るではないか。
それは「豆粒」みたいでも。
動く恐怖であり、悪の根源そのものだった。
小さな歩調が連なる度、失楽天が怯えるように震える。
そして…
黒い地平線の果てから、邪悪なるソレが、静かにその姿を現した。
黒のドレスと白の道着。
手入れされた…滑らかな黒髪。
そして、8歳にも満たぬ「幼女の姿」。
そう、コレ(黒髪幼女)こそが。
遠い世界から転生してきた「鈴木悠人」の姿…いいや。
極悪非道…ありとあらゆる「邪悪の化身」。
「ハルバート・シュバルツ・ハイツ」であった…
決戦の舞台に、幼女魔王が到着して。
小さなナリ(体系)から、滲み出る悪の気迫を…ドラゴは察していた。
幼女の体を包む、ドス黒いオーラは、まさしく「異次元たる存在」であり。
敵(幼女魔王)が、得体の知れないアンノウン(正体不明)であるのは確か。
相手がどんなに異常でも。
ドラゴは、選ばれし特別な存在。
ゆえに、どんな事があっても「最後は必ず勝つ」。
光と影…
正義と悪…
勇者と魔王(悠人)。
決して相容れる事のない、両者の視線が交わった。




