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50話・鉄の門


極悪魔王の領域…アポカリファ。

邪悪が渦巻くその地には、とびっきり危険な環境があった。


 その地の名は「失楽天」。

神々をも焼き尽くす「地獄の炎」が燃え盛る、灼熱の地区。


 辺り一帯が、何千度もの炎に包まれ。

空も陸すらも、血液の如く真っ赤に染められている。

 もしも、地獄が実在するのなら…

まさしく、この「失楽天」を指すのだろう。

 

 炎の壁が、高々と聳え立ち。

煮えたぎる地平線の果てに…「鉄門」が一つ。

 ソレ(鉄門)は、山の如く広大。

高さ40メートルに達する姿は、鉄壁の双璧に守られており。


その表面は、黒銀の鎖によって、縛り付けられていた。

まさに「この鎖」は、この門を封じる為に存在している。


 そんな鉄門の横を、二人の黒騎士が通り過ぎた。

どうやら彼らは「偵察」をしているらしく。

いつもの仕事を、適当に進めていた。

 

 灼熱の地面を、踏みしめながら。

ツラツラと…彼らは愚痴を零す。


「こんなオンボロ(鉄門)。ほっときゃいいだろ?」


「だな。もう、何千年も『封印』音沙汰がないし」


鉄門は沈黙しながら、二人の愚痴を聞いている。


「コイツは、噂だけどよ…この門は」


「人間の世界に、繋がってるらしいぜ?」


魔王の領域と、人間の世界グリモワーツが繋がっている。

その情報を聞いて、片方の黒騎士が首を傾げた。


「そんなこと、あり得るのか?」


「さあな。あくまで『噂』だし」


いつもの日常、気まぐれな世間話。


「ああ、それと」


「今回の『ロリ』だけどよ」


「ロリ?ああ、魔王か…」


どうでも良い方向へ、会話が流れてゆく。


 だが、この一間を…

沈黙を続けていた鉄門が引き裂いた。


 ギィン、ギィン、ギィン


荒々しい金属音が響き…


バチィッン!


 黒銀の鎖が、粉々に砕け散った…


「………?!」


 鉄門の様子が変貌して。

二人組(黒騎士たち)の警戒が、途端に研ぎ澄まされる。


 そして…


ついに、封印されし鉄門が開放されて。

そこから「三つの人影」が現れた…


 失楽天にやって来た、この三人組こそ…


天使の勇者「ウェイン」

変革の勇者「ヨハネ」

勇気の勇者「ドラゴ」


魔王の宿敵である「勇者たち」だった。




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