27話・蟻と恐竜
悠人は、この少女を庇いながら。
しまった…と後悔してしまう。
妻を、叶を救うには、勇者を殺さねばならない。
ゆえに、この選択(勇者を守る事)は間違っているから…
突然、小さな刺客が現れて。
フェルゴールの左腕を破壊したのだ。
ロボット騎士のモノアイが、ギラギラと敵意を燃やす。
対する幼女は、掠り傷一つすらなく。
どういった理屈か?分からないが。
コレ(黒髪幼女)を破壊するなら、レールガンやチェーンソーよりも。
もっと、汎用性に優れた武器がいい。
ウィン、ウィーーーーーーン
モーターの機械音と共に、次は右腕が変形してゆく。
肩、腕、手…と各パーツが、順を追って姿を変えてから。
そして、左腕と同様…
今度は、右腕そのものが「武器」と化した。
メタリックな金属から、電流が放電。
その刃先から、荒々しい光波が拡散してゆく。
刃の全長は大きく、そして長い。
大剣と言うよりも「長刀」と呼ぶに相応しい。
長刀の名は「三四式・イカヅチ型」
この世界とは相容れぬ「科学武装」の一つ。
元々は、巨大戦艦を切断する為に開発された「超光波ブレード」の一種だ。
「コイツをみろ。よく切れそうだろう?」
超光波ブレードの刃先を、二人(悠人とミュウ)に見せつけてくる。
この時点で、二人(悠人とミュウ)は窮地に立たされており。
絶望の瀬戸際でも…ミュウは、この幼女だけでも、何とか逃がそうとした。
「ここは、危ないわッ!」
「お母さんのところまで、走って!」
どうやら、悠人(幼女)は、迷子と勘違いされており。
この幼女に「守ってもらった」事に、ミュウは気づいていない。
超光波ブレードを構え…
背後から、フェルゴールが、一歩ずつ迫りくる。
「おい、そこのロリ…こっちを向け」
今のところ、フェルゴールの敵意は、悠人に向いている。
そのヘイト(敵意)は、背中からでも実感できた。
だけれど…悠人は、自らの危機よりも。
怯え切った…この少女を、安心させてあげたかった。
幼女の小さな手で、彼女のピンク髪を優しく撫でて…
キザな台詞を吐く訳でもなく…
ただ純粋に『大丈夫だよ』という意味を込めて…小さく微笑んだ。
その笑顔は、ぎこちなく不器用だけど…
ほんの少しだけ、ミュウの不安を和らげた。
そして…
悠人は、まだ全然慣れていない「幼女の体」を起き上がらせて。
豆粒のような体で、巨大な脅威と対峙する。
ロボット騎士とチビ幼女。
両者の体格差は、軽く5倍以上あって。
まさしく、恐竜と蟻の背比べだった。
ロボット騎士とチビ幼女。
両者の体格差は、軽く5倍以上あって。
まさしく、恐竜と蟻の背比べだった。




