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137話・旅立ち


SS(殺戮マシーンたち)の爆発が沈黙。


 緑の宇宙は、沈黙と共に静まり…

静寂の無重力空間にて、金属フレームの残骸が漂い。

ロボットの手足が、宇宙デブリ(ゴミ)と化す。


 まるで、時が死んだかのように沈黙が走り。


 そんな、沈黙の空間にて。

たった独り、幼女魔王は、宇宙の彼方にへと流されてゆく。


 無重力下にて揺れる、黒髪のポニーテイル。


 そんな空間の中で、指一本すら動かす事なく…

悠人は、静かに目を閉じながら。

「大切だった」記憶の断片を見た…

何よりも大切で、何よりも守りたかった「誰かの笑顔」。


 そのビジョン(記憶)は、黒く歪んだ霧に飲み飲まれ…


 公園で見た笑顔が…

 

 かけがえのない毎日が…

 

 二人で歩いた、平凡な時間が…


砂のように、幼女の手から零れ落ちてゆく。


 もう、思い出せない…

大切だった「人の名前」を。

心を支えてくれた「あの笑顔」を。


 それでも、たった一つの「願い」だけ。

記憶を失ったとしても、悠人の心にて染み込んでおり。

 

 ソレ(願い)こそが…


「…みんなを…守る…」


とても単純で、ちっぽけなモノだった。



 

 永遠と漂う魔王の元へ、一閃の光りが接近してくる。

その閃光は、機械によるスラスター噴射。


 ロボット騎士、フェルゴールは、緑の宇宙を巡回しながら。


 金属デブリ(鉄クズ)だらけの宙域にて…

黒髪のポニーテイルが、漂っている事を視認した。


 そして、ゆっくりと順調に、主(幼女魔王)の元へ近づくと。

金属のアームで、幼女の体を掴んだ。

 フェルゴールに抱かれても。

悠人はずっと眠ったまま、幼女の表情は安らいでいた。

 

 ロボット騎士は、そんな魔王を抱えながら…

緑の宇宙の果てへと…飛び発ってゆく。







今回で四章も終わり。

次の章にて最後になります。どうぞ、よろしくお願いします。

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