表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/141

132話・「ハルバート・シュバルツ・ハイツ」


もう、人間には…『鈴木悠人』には…二度と戻れない。


もう、大切な思い出は、返って来ない。


「僕っ!は…」


「魔王だっ!」


 奮い立つ感情と共に、自らの役割を受け入れる。

鈴木悠人ではなく…

緑髪の悪魔から与えられた…極悪魔王としての名を叫んだ。


「ハルバート!だっ!」


 涙が零れる…


幼女魔王の瞳から涙が流れ…

一粒の涙が透明の水滴となり、無重力の空間にて漂った。


 そして、一発…たった一撃のみ。


『ハルバート・シュバルツ・ハイツ』の一撃が放たれた。


 幼女の拳から放たれる一撃。

技術の欠片もない、カッコ悪い…素人の正拳突き。


たったそれだけの「パンチ」だけで…


 SSたちのレーザーシステムが消滅。

紅の弾幕が、幻想の如く消え去り…一瞬にして無力化された。

 レーザーシステムによる「赤色」が無くなり。

緑色の宇宙が、元の姿「エメラルドグリーン」の色彩を取り戻す。


 しかし…

魔王の攻撃による影響は、コレだけに留まらず。


 次の瞬間…

あらゆる法則が崩れ、宇宙全体が歪んだ。

緑色の無重力空間が、グニャリ…と動き、宇宙の構造が崩壊してゆく。


そのスケールは、ビックバンやブラックホールが、子供の悪戯に感じられる程で…


 魔王ハルバートの「一撃」だけで…


グニャリ…グニャリ…グニャリ…と、緑の宇宙は悲鳴を上げるように暴れ回り。


 もはや、この「変革と崩壊」は、常識と想像の範疇を越え。

たかが「超技術のロボット」などに、対処ができる筈もなく…

SS群(殺戮マシーンたち)は成す術もなく、混沌の宇宙にへと飲まれてしまう。


 SSの装甲は、超技術によるフレーム(装甲)を得ており。

たとえ、ビックバンと接触しようとも…

彼ら(SS)は、簡単に修復する筈なのに。


 そんな力(性能)を保有していても…

超高度の金属フレームが、塵の如く、ゴミ屑の如く…崩れて消えてゆく。

 そう、たとえ最強のロボットたちであっても…

宇宙の変革にとっては、消えて無くなる「小石」程度でしかなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ