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125話・増殖する正義


 地陸海…遥か天空までもが。

機械巨人SSの軍勢に、占領されてしまった。

 事の進行は、グリモワーツだけの問題ではなく。

もはや、宇宙規模にまで、増殖拡大してゆく。


 生命殺戮機構「SS」こそ…まさしく、無敵チートの群れであり。


 無限の増殖力、そして冷酷なる力。


 一機一機の殺戮マシーンたちが、アベルと同様。


自己再生、自己増殖、自己強化のシステムを備え。


 一機一機が、アベルの戦闘力を、遥かに凌駕していた。


 秒の時間が刻まれる度…

彼ら(SS)の数は、万単位で増殖してゆく。

結果「緑の宇宙」の果てにまで、殺戮マシーンの姿があり。

幾多ものモノアイ(眼光)が、宇宙の中で輝いていた。


 ターゲットは、ただ一つ。


エメラルドの宙域で、ひっそりと輝く…青い惑星「グリモワーツ」のみ。


 たった一つの惑星を目指し。

SSたちは、怒涛の勢いで飛行する。

 その姿こそ、まさしく流星群…

地上グリモワーツから見た、彼らの姿は「正義の聖天使」そのものだった。


 魔王(悪)の敗北、聖天使(正義)の勝利。


偉大なる正義の勝利によって。

はじまりの街から、歓喜の声が湧き上がった。




 SSたちの目的は一つ。

ただ、食料を収穫するのみ…餓えた空腹を満たすため「殺し尽くす」だけ。

 彼ら(SS)にとっては…

超人とか、能力者とか、神々とか…そんな肩書きに興味はなく。

「生命体」であれば、等しい食料に過ぎなかった。


 殺すのは、呼吸と同等。

つまりソレ(殺戮)は、ただの行動に過ぎず。

人間の価値観(善悪)などで、計れる次元ではなかった。




 殺戮マシーンの軍勢によって、はじまりの街は包囲されて。


 ドラゴは一人…

乾いた絶望と、冷たい恐怖を噛みしめた。


 人々の視線は、聖天使(SS)たちに向けられ。

聖天使の正体を知らない、彼ら(社会)にとっては…

機械天使の姿は「正義の聖天使」として映っていた。


 ゆえに、正義が降臨したとなれば。

たかが勇者など、微々たる存在。


「正義を超越した正義」こそ。


皆が信じる「正義」なのだ。




 喜び興奮する市民(社会)の姿を見渡し、ドラゴは絶望した。

もう彼ら(市民)には、逃げるという思考はない。


「逃げるんだ…死ぬぞ!」


自分では到底、殺戮マシーンには敵わない。


「みんなっ、聞いてくれ…!」


だから、届かぬ警告を、ワンワン…と叫ぶしかなかった。


「殺されるぞ!」




 そして遂に「裁判の時」が訪れた…


「フュージョン・コア・キドウ」


 ソレは、機械音による「死の宣告」。

生命の大地「ノドの地」を、一瞬で破滅させた、冷酷無慈悲の一手。


 彼ら(SS)のシステムは、アベルと同じで。

胸部のユニットが変形…そこから「紅の球体」が現れた。











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