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110話・正義を愛し、悪を憎む


 はじまりの街からでも…

空の様子が、ハッキリと見えた。


魔王と天使の戦いが、グリモワーツの空を揺らし。

その大いなる空へ、純粋なる人々は手をのばした。


彼ら(人々)は「正義」を疑わずに。

純粋な精神で、天使の勝利を称賛した。


「みんな!みろっ!聖天使さまの光りだ!」


 一人の男が嬉々と叫び。

ソレに便乗して、皆が歓喜した。

大人も子供も、老人さえも…皆が心を一つに叫んだ。


「やっちゃえ!アベルさま!」


皆が、口を揃えて「正義」を応援する。


アベル、アベル、アベル…と。


 誰も知らない、知る気もない…

その憎き魔王が、彼らを守る為に、独りで戦っていた事を。


 そして、光り輝く夜空から…一つ。

幼女の姿をした、小さな彗星が落ちてきた。


彗星の正体が、魔王だと分かった途端。

人々の表情が憎悪へと変貌。

空から魔王が降りてきて、集団の殺意が上空へ集中した。



 悠人は、真っ逆さまに落ちてゆくが…

意識そのものが暗闇に落ち、幼女の瞳が開かれる事はなかった。

 SS(生命殺戮機構)の総攻撃を、たった一人で受け止めたのだ。

そのダメージは、とても計り知れない。


 凄まじい速度で、落下しようとも。

起きる様子は欠片もなく、幼女魔王の電池(生命)は完全に途切れていた。


 じわり…ジワリ…と、落ちてくる魔王ハルバート。


正義感に駆られ、一丸となる人々。


「ころせ!ころせ!魔王を、殺せ!」


 そして…

社会の手が、正義の手が、幼女魔王を捉えようとした瞬間。


 金属のアームが、幼女の体を掴んだ。


 悠人が墜落する寸前…

その小さな体を、キャッチしたのは、フェルゴールだった。


 魔王の配下である、ロボット騎士の横槍により。

群がる人々の威勢(正義感)が、いとも簡単に縮こまった。


 フェルゴールは、傷ついた魔王を抱えながら。

スラスターを噴かせ、ゆっくりと群衆の前に着陸する。

 しかし、そのモノアイは、有象無象を見ておらず。

一つの眷属として、傷ついた主を見ていた。


 凶悪なロボット騎士の意識は、別のところにある…

そう判断した彼ら(一般群衆)が、ジリジリ…と距離を詰めてくる。





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