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109話・墜ちる魔王


レーザーの弾幕が、幼女の体を焼き焦がし…

殺戮ロボット軍団(SS)は一切、攻撃の手を緩めず。

たった独りの幼女魔王に、集中砲火を浴びせてゆく。


 悠人の視界が、赤一色に染まり。

レーザーシステムの威力は、死と狂気の具現化そのもの。

もはや、地獄の業火が、優しく思える程だった。


 カイルとミュウが、選んで着せてくれた、白い道着も黒のドレスも…

荒々しい激戦によって、ボロボロに焼き焦がれてしまい。

幼女魔王の姿はもう…惨めなボロ雑巾のようだった。


 それでも尚…

敵の攻撃を、ちっこい手で受け止めた。


 この「レーザーシステム」は危険。

もし、たった一発でも、背後の惑星グリモワーツに直撃したなら…

ノドの地と同じ、死の末路を辿るだろう。


 悠人は「みんなを、守らねばならない」。


 たとえ、それが…

自分の世界「東京」とは関係のない、異世界の住人であっても。


大切な人に、妻に、叶に…託されたから。


「皆を守ってほしい」と。


 これは、孤独な決戦ではない…

これは、二人(悠人と叶)の試練なのだ。


 決意を胸に、悠人は反撃を試みる。

幼女の右手を、力強く握りしめて、レーザーシステムと対峙した。


 天使の正義と、魔王の悪が衝突。


圧巻の衝撃が響き渡り、レーザーの弾幕が爆散した。


 両者の力がぶつかり。

宇宙の彼方にまで、紅の閃光が拡散してゆく。


だが、同時に。


?ッ……………ッ!………………ッ


 想像を絶する「衝撃」が、悠人の脳裏を揺るがし…

幼女魔王の意識を、丸ごとガッポリ削ぎ落した。


 幼女魔王の抵抗により、レーザーの弾幕は相殺され。

魔王が肉壁となり、グリモワーツは間一髪…窮地から逃れられた。


 そして、皆を守ろうとした「代償」として。

SSたちの「狂気と死」を、幼女魔王(悠人)一人で背負う事となった。


 音が遠のき、視界が闇に覆われる。


 そして…プッ…ツン……


 まるで、故障したPCの如く…

悠人の意識が、シャットダウンしてしまった。



 意識を失った、魔王ハルバート。


 幼女の瞳は、開かれる事なく…

その小さな体が、惑星グリモワーツの重力に、引き寄せられてゆく。


 気絶したまま、大気圏へと突入。

隕石のように、幼女の体が落下していった。


 そして、はたまた宿命か?

落ちてゆくその先は、人々の集う「はじまりの街」だった。


 この街の人間は、グリモワーツの思想であり。

悪(魔王)を憎み、正義(天使)を愛するをモットーとしている。








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