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10話・聖天使アベル祭
今夜の「はじまりの街」は、とても賑やかだった。
それは当然…
大規模な祭り「聖天使アベル祭」が、開催されているからだ。
パァーン!バババッーン!バァーン!
街の頭上にて、花火の音が響き渡り。
夜空一杯に、色んな色彩が広がってゆく。
そんな花火の下で、人々の群れが集い。
多くの足並みが、石畳の通路を行き交う。
人々は皆、妖精にユニコーン、木人や人魚など…様々な仮装をして。
それぞれが、天使アベルの祭りを、愉しんでいた。
楽器による豊かな演奏が、人々の気分を高揚させ。
皆が、踊り、喜び、楽しんでいた。
そう…この祭りこそ。
「聖天使アベル」を讃える、希望のイベント(祭り)。
この世界、グリムワーツにとっての聖なる一夜なのだ。
聖なる天使が、悪を一掃する。
これこそが、この世界における「絶対の理」であり。
永き歴史の中、貫いてきた信条。
そして…
この「アベル祭」の中心には。
正義に選ばれた、特別な者たち「四人の勇者」がいた。