9話・グリモワーツ
この世界は、東京(現実)から、かけ離れた領域。
まさしく「異世界」と呼べる存在だった。
異世界の名は『グリモワーツ』
この世界の人々は、皆「聖天使」を崇拝しており。
聖天使の存在こそ…この世界における「正義そのもの」なのだ。
正義(天使)を愛し、悪(魔王)を憎む。
白と黒、善悪がハッキリとした…ファンタジーの世界。
異世界グリモワーツには、主に「三つ」の中心部がある。
一つは、善の領域「ノドの地」。
ノドの地は、豊かな生命に溢れており。
そして…清き天使が眠っている。
聖天使が眠る「ノドの地」こそ…
まさしく、人々の夢見た、理想郷の姿なのである。
二つは、西洋風の都市「はじまりの街」
この街には…
ビルとかいう建造物もないし、車とか信号もない。
石畳の路地沿いに、西洋風の建物が並び。
所々に、アンティーク風の看板が、所々に飾られている。
建物(家)の特徴は、オレンジ色や黄色の屋根に、木枠の壁など。
まさに、映画や漫画に出てくるような…風貌(街並み)だ。
三つは、邪悪なる絶対領域「アポカリファ」。
極悪魔王「シュバルツ・ハイツ」が支配する混沌の地。
世界の人々は皆。
この地を恐れ、悪の根源(魔王)を恨む。
魔王という存在を、世界の癌として認識し。
悪を排除するべく、己が信じる正義を貫いていく。
正義の為には、一切の容赦もしない。
それは当然、それは当たり前、どこも間違っていない。
何故ならば、ソレ(天使と正義)こそが。
彼ら(人々)の「社会性」なのだから。