プロローグ・正義は勝つ
決戦の舞台は「アポカリファ」
地獄の業火が天にまで届く…極悪魔王の領域だ。
邪悪が渦巻くこの地に。
三人の勇者が、己が信じる正義を背負い、踏み込んでゆく。
燃え盛る業火を背に、勇者は叫ぶ。
「魔王!」
彼(勇者)の手には。
切り札とも呼べる、聖剣があって。
光り輝く黄金の刃を、一人の宿敵に向けた。
友情、努力、正義。
確かに、勇者の語る台詞は勇ましい。
だが…
そう高々と叫ぶ彼らは。
まだ、一四歳にも満たぬ、少年たちだった。
そして…
少年たち(勇者)に立ちはだかるのは。
もっと小さく、もっと幼い。
鮮やかな黒髪をした「幼女」だった。
その小柄な体は、黒のドレスに包まれ。
ドレスの上に「空手の道着」のような上着を羽織り。
黒と白が対比した、身なりをしている。
勇者一同の憎しみは。
この幼女にのみ集結しており。
どうやら彼女(幼女)は、魔王として憎まれているらしい。
「これはっ!受け止められるか!」
勇者は修羅の如く怒り。
幼女魔王に、正義の鉄槌を叩きつけた。
何度も、何度も、何度も…
その猛攻は圧倒的…聖剣が振り下ろされる度、地獄の領域が震える。
対する幼女魔王の方は…
一切、反撃する素振りすら見せず、一方的に袋叩きにされていた。
遂には、勇者の速度が、光り(光速)の領域に達して。
目にも止まらぬ速さで、悪の権化(魔王)に突撃していく。
この一撃によって、勇者と魔王の決着がつく。
邪悪、極悪、悪の化身…幼女魔王。
「ハルバート・シュバルツ・ハイツ」は…
正義の一太刀によって、その体を貫かれた。