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G15話:昼寝明け

 前回のあらすじ

 ちびっ子をお昼寝させた。

 寝顔を肴に三人で女子トーク的なものを楽しんだ。

 いつの時代もどこの世界でも(多分)使い魔でも女の子は買い物とコイバナが大好きなのだ。

---

「んー、ん?あれ・・・?」

「お嬢様、目をさまされましたか?」

 ふと気がつくと目の前に真横になったアリアの顔、そして

「シシシシ、ムツキおねえちゃおきた♪」

 ぐいっと体をベッドの上に乗りだし私の顔のギリギリまで迫ってくるリュシー、チラリと見える小さな歯がチョコンとしていて可愛い。


「私も寝ちゃったんだ?」

 体を起こすと、どうやらリュシー達の寝ていたルイーズさんのベッドではなく、ジュリエッタのベッドに寝てたらしい。

 隣のベッドには未だ夢の中のリュリュが何かもがいてる様にも見える歪な姿勢で、穏やかな寝息を立てていた。


「すごかったんだよ、アリアさん。寝ちゃったムツキをこう、横抱きにして、軽々と持ち上げてベッドに寝かせたんだよ?」

 と、嬉しそうにジュリエッタは笑いながら話してくれる。

「ありがとうアリア、どのくらい寝てたのかな?私は」

 スマホ時計を見てないから時間を把握してないんだよね


「お嬢様は40分弱でしょうか?つい10分ほど前にリュシーちゃんが起きましたからね」

「ねー?」

 機嫌良さそうなリュシーちゃんは、私の膝に体を半分のせながら、アリアにも手を伸ばして同意を求める。

 アリアはその小さなリュシーの手を握り返しながら頬を僅かに弛めている。


「んー・・・んぅ?」

 その時丁度身動ぎを始めたリュリュがしばらく手足をジタバタとさせてもがいてから体を起こした。

「あ、リュリュも起きたみたい、おはよーリュリュ、自分でおっき出来たねぇ、えらいねぇ」

 と、ジュリエッタはリュリュを誉めながら、ちゃんと起きるのを助けている。


 髪を軽く整えてやり、それから脇の下に手を入れて起こす。

 その時自然におしりの辺りを触ると

「わぁすごい、おねしょもしてないね、丁度いいからムツキお姉ちゃんとおしっこに行っておいで?」

 と、ベッドからリュリュを下ろした。

 するとリュリュはまだすこしぼんやりと目を擦りながらであるものの、しっかりした足取りで私の方へ寄ってきて

「ムチュキおねえちゃ、おちっこ」

 と両手を広げ私の膝になついてくる。


 そういえば私も起きたばかりで少しばかり危険水準

「じゃあいこっかリュリュ、お手手繋ぐ?」

「うん」

 リュリュもご機嫌みたい、まだぼんやりはしてるけれど声は少し元気。

 そして、やっぱりアリアもついてくる。


 トイレから戻るとすでにテーブルの上に何か麦茶の様な飲み物と、先程頂いたブリオッシュ擬きが用意されていた。

 おやつタイムね、2つは少し大きめにちぎってあって、3つは小さくちぎっている。

 ちびっ子は胃が小さいからお夕飯までもつ様に少し多めみたい。

「おかえりなさい、ありがとうねムツキ助かっちゃった」

「こっちもお世話になってるからね」

 普段は一人で二人の相手をしてるんだから大変なんだろうね。


「さぁ、リュシー、リュリュ、おやつにしましょう」

 ジュリエッタが二人を誘うと、二人は喜びを体で表しながら用意されたスツールに座る。

 私たちは二口分くらいかな?

 まぁ、さっきお昼に食べたばかりのと同じものだし、小腹を満たす位で丁度いい。


「このパンあまくておいちぃねえ?」

「おぃちぃーね」

 二人もさっき同じものを食べたはずなんだけど・・・とても機嫌よく食べてる。

 麦茶の様に見えた物はどうやらゴボウ茶的なものみたいね、深炒りしてあって香ばしい。


---

「ぶぶぶぶぶぶ・・・あぁ、もういっかい」

 おやつを食べ終わり、ジュリエッタに口を拭われるリュシーは唇を動かされながら出す声の響きにはまったのか、何度もアンコールを請う。

「アハハハハ、アァハハハ!」

 それを見てさらにテンション爆アゲのリュリュは、ブリオッシュ擬きを後ひと口分残した状態で足をジタバタさせて大笑い。

「リュリュ、早く食べないとおねえちゃんが食べちゃうぞ」

 と、ジュリエッタが脅すと

「あぁん、だぁめぇよ」

 と言いながら最後の一口をねぶる。

 一思いにパクっといかないのは最後の一口が惜しいのか、それともお腹いっぱいなのか。


 結局最後の一口になってから5分ほどかかってリュリュもおやつを終え、それから身仕度を整えた。

 手を綺麗に拭き、お顔もブリュブリュと綺麗に拭いて、もう一度トイレも済ませると、近づいてくるお出かけの予感に再度テンションが上がってくる二人。

「またおたいのもいくのー?」

「のー?」

 と、アリアにリュシーが、私にはリュリュが飛び付いてくる。


「そうだよー、2時間位だけどお買い物行くよー?」

 飛び付いてきたリュリュのほっぺを手で挟んでムニムニとするとリュリュはケタケタと笑う。

「また海の方に行こうね」

 ジュリエッタが私とリュリュを挟む様にしてリュリュの後ろから髪をくしゃくしゃとする。


 すると、リュリュは片手でジュリエッタの手をつかんでじゃれる。

「それではリュシーちゃんはまた私と手を繋いで行きますか?」

「うん、リュチー、アリアちゃんと行くよ?」

 アリアとリュシーも手を繋いで準備が終わると、私たちはもう一度お散歩に出掛けた。


---

 途中まで先程と、同じ道を歩いていく。

 今度は私とジュリエッタでリュリュを真ん中にして、アリアがリュシーの手を引いて後ろからついてきている。

 お昼寝におやつも終えてエネルギー満タンのリュリュは小さい階段に差し掛かった時なんかに急にしゃがんで、私とジュリエッタに腕を引っ張らせてジャンプしたりするので、なかなか合わせるのが大変。

 でもそうやって手がかかるのもなかなかに可愛い。

 リュシーの方は昼寝を挟んだことでテンションが安定していて、何かアリアに話しかけながらお利口に歩いている。


「ところで何か買い物するもの決めてるの?」

 と、ジュリエッタは私の方を見ながら尋ねる。

「おやちゅ!」

 私が答えようとしたら、先にリュリュが元気に答えてしまう。

 まだ何か食べる気でいるらしい、本当に食欲旺盛だね?


「うーん、おやつもいいけど、靴屋さんが先かなって思ってる。この靴が壊れたら後が怖いから予備を買っておこうかなって」

 私が足下を見ながら言うとジュリエッタも視線を追いかけてから

「丈夫そうな靴だよね、高そう、私のブーツでも8000Scするから20000Scはしそうだよね」

 とジュリエッタは評価する。

 1食付きの2~3人部屋が3000Sc、5~6人部屋が5000Scであることを考えると靴は結構お高いお買い物みたいだ。

 それはこどもの靴がこんな歩きにくい簡易的なものになるはずだよね。


「どうかな?こっちと物価が違うからね」

 私のローファーは6000円位だったはずだけど、あっちの世界の物価とこちらのそれは、簡単に比較は出来ない。

「リューュのクックは?」

 とリュリュが尋ねるけれど、リュリュとリュシーのそれは靴とも言えない代物だ。

 値段はプライスレスというか、材料費というか・・・

 なんといって誤魔化したものかと考えていると、丁度正面にエミールが見えた。


「エミール?」

 私が声を出すとジュリエッタもリュリュからエミールに視線を移し、あちらも丁度こちらに気付いた。

「あら本当だ」

「おう、みんなまだ買い物中か?お昼は?ちびっ子の昼寝は?」

 と、エミールはこちらに手を挙げながら近づいてくると矢継ぎ早にたずねた。

「うん、ランチタイム前にご飯食べてランチタイムが終わるまでお昼寝してた感じ混雑してる時間帯に子ども連れは怖いしね」

 ジュリエッタが嬉しそうに答える。

 偶然エミールに出会ったのが嬉しいみたい。


 エミールたちは先にジャンさんとルイーズさんがお昼を食べに行って、戻って来た後エミールが一人でお昼を食べに行った帰りで、今からまた露店に戻るけれどその前に靴屋の前につれていってくれることになった。

 晴れて私がリュリュを独り占め、エミールはジュリエッタの手を取り先導する。


 やっぱりラブラブじゃん、幸せそうに笑ってさ・・・と、リュリュが歩き疲れてきてる。

 やっぱりこんな簡易靴じゃあ歩きにくいよね。

「リュリュー、抱っこしていい?」

 疲れたでしょとか言うとまたイヤイヤになるかもしれないからもっとシンプルに尋ねみる。

「んー、いいよ?」

 するとリュリュは舌をだし、空いている手でなぜか一回つまんで、それから抱っこの許可をくれた。


「よーしおいで、よいっしょ」

 続けて私が腕を開くと飛び込んでくる。

 くっついた彼女のお尻と背中に腕を回して支持するとリュリュは嬉しそうにギューってしがみついてくる。

 抱っこ自体はリュリュも好きみたいなんだけどねぇ


 それからさらに3分くらい歩いて。

「ここだよ靴売ってるの、じゃあ俺もう戻るから、あんまり遅くならないようにな?」

 と、エミールはまたまた矢継ぎ早に告げると走って来た道を戻っていった。

 多分休憩時間ギリギリになるくらい付き合って・・・もといジュリエッタと一緒にいたかったんだろう。


「また後でー、ありがとねエミール」

「バイバーイ」

 エミールを、見送った後

 改めて店を見ると確かに店の看板には靴らしき模様が描かれている。

「じゃあ入ろっか?」

「おたいのも!」


---

 店内はやはりギルドや食堂と同じ様なつくりに成っていた。

 思い返せば武器防具屋さんも似たつくりだったかも?

「わぁ、おくつがいっぱいあるねー」

「クックいっぱい!」

 目をキラキラさせる二人のおちびちゃん。

「いらっしゃっい、見かけない顔だね、子ども靴は3500から、大人靴は4500からだよ」

 と、腕っ節の強そうな厚手のエプロンを着けたおじさんが私たちを迎える。


 そのおじさんに私はここに来た目的を告げる。

「こんにちは、よければ全員分・・・の靴を見繕って欲しいんですが」

 店内の空気は確かにピシリと音を立てて止まった。


ずいぶん遅くなりました。

申し訳ありません。

優先している連載の方が難産してしまいました。

明日は休みなので少し書き進めて、次回の更新はもう少し早くにできればとおもいます。


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