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謎の洞窟とアルカナと

数年ぶりの更新となりました。

お待たせしてしまった方には大変申し訳なく思います。全6話出していたのですが

大幅な修正を入れることを決め、他の4部は削除致しまして、1話目もタイトルから内容も少し変えていますので、また1度初めから見てくださると幸いです。m(_ _)m

どこか懐かしい気持ちが身体中を巡っていた。

来たことも、聞いたことも、見たことも当然ないような薄暗い洞窟なのに。


周りを見渡すと苔や結露による雨水、

薄らと明るい。

松明や電気のような類があるようには見えない


不自然にも僕の心臓の鼓動は静かだ。

普通、こんな状況に陥ったのなら

恐怖心やプチパニックを起こしたってなんら不思議ではないはずなのに、むしろ先程までの苦痛や屈辱から解放された、アイツから、蒼から離れることができたという安堵感が強かった。



とりあえず周りを見て少しでも情報を得ようと試みようとした。

気持ちの整理もやっとできてきて

心に余裕ができているからだ


...........!!


「ない.....なんで、?」


先程までのあったはずの入り口が消えていた、、

光に飲み込まれここに来た直後にはまだ光はさしてあった、その光がどこにもない、

戻る手段がなくなったのだ。




ヒュォォオーー


肌を刺すような冷たい空気が洞窟内に流れる。


ペタ ペタ ペタ


かなりの時間歩いてみたが一向に新しい情報を得ることができない

そもそもこの洞窟に出口なるものがあるのだろうか

この今の状況は、?神隠しなのか?

そして、ここは本当に地球なのか?

そんな考えばかり脳裏によぎる


一時はアイツから離れることができることに喜びを感じていたのに今になって不安にいっぱいになる。


僕が突然にして消え、

きっと母は心配しているだろう

早く戻らないと、


「早く、帰らないと。」



裸足で歩き続け、地面はぼこぼこ

僕の足は限界に近づいていた。

足の裏からは血がとめどなく流れるほどだった

出血と肌を刺すほどの冷気に体はだんだん弱々しくなって限界が近づいていた。


ズキズキする足に着ていたシャツを一枚脱ぎ、

近くにある鋭利で良さそうな岩を見つけ

シャツを引っ掛け破り半分にする。

2枚にした布を足に巻きつけた。

雑な応急手当てだがないよりマシだろうと思った



「っ…痛い.....いったいいつまで歩き続けないといけないんだろう、、」


僕は周りを見渡してみたが

当たり前のように何も無い、ただ一本道が続いている

だけだ、、



「お母さん………」


僕は少し涙目になって弱音が喉元まで上がってきていた、それをグッと堪えて我慢し、

また少しずつ歩き始めた。



ペタ ペタ ペタ ペタ


洞窟の中は気温が低く水滴が落ちてくるほど。

次第に体は冷えだし体が小刻みに震えだした。


「さ、、寒い…寒いよ…」


僕はもう耐えきれなくなりその場に倒れ込んだ


「はぁ…はぁ…はぁ」


次第に視界がぼやけて来た


体が悲鳴を上げていたのだ、最近は満足に食事を取れず、栄養がとれず、体調は元から優れておらず

その上にこの状況に陥ったのなら当然の結果だ。



(もう…僕ダメなのかな…)


そう思った瞬間だった。


ドッ ドッ ドッ


何かが奥の方から近ずいてくる音が聞こえる

その音は人のものではないとスグにわかった。

重機のような重みのある音、地面がビリビリと

震え出すほど


(.....僕、助かるの、かな、よかっ、、)


.......!!!?


僕の期待は淡くも崩れ落ちた

この世に神などいないのだと

いたとしたらこんな僕を嘲笑いみているのだろう


誰が予想できただろう

地面を伝うほどの重音の正体が化け物だと。




「###############!!#####?#######」



ジュルル



ものすごい低い声で話す、だが言葉は理解できなかった。そいつはよだれを垂らしながらこっちにちかずいてくる、僕はコイツのことを知っている、

小説や本で見たからじゃなく

この目で、記憶で、コイツに僕は一度遭遇したことがある。


(なんだ…なんなんだよ、、)

 

身長はおおよそ3メートル位あるであろう

牙が鋭く手には太い棍棒をもち、肌は濃い緑色をした大男、、いや、、、


「......オーク」


あれは数年前僕の幼少期


僕は母さんと一緒に近くの公園で遊び、帰宅して

母さんが夕飯を作りに台所に行き

その間僕は母さんが作ってくれた人形で遊んでいたんだ

しばらくして、押し入れの隙間が少し開いているのがわかった、子供というのは不思議なもので

導かれているように、吸い込まれるようにその押し入れに近づいていくのだ


その幅は丁度幼児がピッタリ入れるぐらいの



「あの時も僕はここに来たことがあったんだ」


なんでこんな衝撃的な記憶を忘れていたのだろう

いくら幼少期だとしても普通忘れるものだろうか

あの時のことを何一つ覚えていなかった。

ただ、少しづつ記憶の断片のようなものが脳裏を掠める。


僕がそんなことを考えている間にも大男は近ずいてくる


ドッ ドッ ドッ


「#########?######」


オークは僕を見ながら何か喋っているようだった

何一つ聞き取ることができなかったが

一つだけわかることがある、

危機感が身体中に伝わってきた



逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ─────────


オークは涼の頭上に棍棒を振り上げた



ヒュォ



恐怖と寒さで動けず、瞼を閉じた

死を覚悟した、いや、するしか無かった。



(....まだ死にたくない!だれか!)



そう思いオークが棍棒を振り下ろした時だった


ガシュッ


「######....!!######.!!!」!?



オークの悲鳴が洞窟ないに響き渡る

鼓膜が破れそうだ、耳に手を当てたくても

体が麻痺して指1本動かすことがままならなかった

僕は状況が読み取れず、重たいまぶたをゆっくりと開けた。


........!?


「.....ぇ、ぁ、ぇ、、なにが....?」



僕の視界に現れたのは先程のオークではなく

松明を口に咥え、角が生え、鋭い牙を持った



「狼…?」


自然と口から言葉がこぼれた


『誰が狼だ!』


目の前に突然現れた“ソレ”は僕の方を向き怒鳴ってきた。


「うわぁぁ....!!ご、ごめんなさい!!」


僕はあまりの出来事に理解することが出来なかった

自分の頭上で棍棒を振り上げ頭を潰そうとしていたオークが居たはずなのに、目を開けると目の前には喋るオオカミ??頭が痛いくらいに混乱していた。


目の前にいる“それ”はしかめっ面をすると不満そうに言葉を放つ


『だから!狼じゃない!我の種族は《ベイレフトウルフ》、あんな下等な生物と一緒にしないでいただきたい』



「え、その、ベイ…?ベーコンウルフ??」


先程のオークの叫びで鼓膜にダメージが残り

上手く聞き取れなかった。

そんな僕に彼は目を上に向け呆れたように

また喋り出す。


『 ..はぁ、だから、ベーコンじゃない、我は豚ではない、《ベイレフトウルフ》だ!』



また怒鳴られてしまった....汗



「ご、ごめんなさい、その、耳がよく聞こえなくて、そ、その、ベイレフトウルフ?さんってなんで喋れるんですか、?」


質問しているこの状況に不思議な感覚を覚えつつ

とりあえず、疑問点であるなぜ人ではない生き物が言葉をしゃべれているのかを尋ねた


ベイレフトウルフは少し間を置いて、僕の方に来て松明を渡してきた。




「話は後にしよう、一旦このラーズゴブリンを倒してからだ」



突然の登場によりすっかり忘れてしまっていた

オークの存在を思い出す。

しかし、僕がオークだと思っていた生き物は

今の言葉的にゴブリンのようだ。

自分が知っているゴブリンは小柄な感じ後特徴的だったのに対してここまで大きいものだと

本や小説にある情報が正しいことでもないことが分かる。



「########!!!!!!######!!!!!!!」


「......めちゃめちゃ怒ってますけど.....」



ラーズゴブリンは血相をかえ頭に血が登っているようだ、凄まじい雄叫びと共に強風が吹き

僕はいとも容易く吹き飛ばされる


壁に思い切り叩きつけられると思った瞬間

体がフワッと浮き、地面に尻もちをした。


『小僧....端で隠れておれ。』


《ベイレフトウルフ》さんが吹き飛ばされた僕を

一瞬にして端の方に避難させてくれた。


そして血相をかえたラーズゴブリンをよく見ると

腕が片方しかない、もう片方は切断面から血がダラダラと出血していた。


ブシュッブシュ......!


僕が吹き飛ばされたあの一瞬で恐らく僕を安全な場所に移し、尚且つラーズゴブリンの片腕を切断したのだ


腕を切り落とされたラーズゴブリンが勢いよく

雄叫びを上げながら《ベイレフトウルフ》に目掛け、飛びつき棍棒をふり上げ落とす。



スドォン,.....!!



辺りに激しい衝突音と衝撃音が響き渡る


だがそれを軽々と飛びかわす《ベイレフトウルフ》

そのまま鋭い牙がラーズゴブリンの首元に噛みつき

勝負はついた


ズズゥゥウン─────────


シュタッ


難なくあの巨体を倒し、満足したのか《ベイレフトウルフ》さんは尻尾を振りながら僕の方に近ずいてきた



「あの…ありがとう、ベイ…ベイレフトウルフさん」


僕は少し躊躇いながら助けてくれたお礼を言った。


『会うのは二度目だな涼』


....え...?


唐突のことでまた頭が混乱した


「なんで僕の名前を....」


《ベイレフトウルフ》さんによるとどうやら

これで会うのが二回目だという


勿論、僕は会ったことも無いしましてや名前を言った記憶もなかった。

ただもし、言えることがあるのだとすると

僕の幼少期、あのときの出来事だろう


「????」


僕が不思議そうにしていると《ベイレフトウルフ》は振っていた尻尾がピタリと止まり尻尾がシュン

となった。


『覚えていないのか、、仕方あるまいか、もう少しで10年前になるのだからな、涼、あの日のことを、、涼が初めてここに来たとき、俺はここで致命傷を負い、もうダメだと死を覚悟していた、そんな時に涼が我の前に現れ、我の頭をニコニコしながら撫で、その後に何故か我の体は回復した、』


《ベイレフトウルフ》さんが言うには幼少期の時に

一度ここに来た時に命を僕が救ったということ。

何らかの治療法で致命傷だった体を一瞬にして直したということ。


回復能力的なものだろうが

僕にそんな力が無いことは自分が一番知っている

だからこそ言っている言葉の意味が理解できなかった


僕は少し思うところがありながら話し続けた


「ぼ、僕に…僕にそんな力はないと思う、だからそれは人違いとか....」


僕が言葉を言いかけていた時、

《ベイレフトウルフ》さんが言葉に割って入ってきた


『それはない。我が命の恩人の匂いを間違えるはずがない、あれは間違いなく、涼、君だった』


《ベイレフトウルフ》さんはそう言うと

何やら1枚の紙を僕に差し出す。


「これは.....」


1枚の紙には3つの内容が大まかに区切られ

記されていた。



紙の内容はこうだ。


________________________________________

【おめでとう。君は選ばれた】


突然の事でビックリしているだろう

これは夢なんじゃないのか、はたまた仮想世界なのか

なんて、そんなことを思い浮かべているであろう、

だがこれは現実であり、君は私たち“アルカナ”に選ばれた。これはどんな高価なもの、よりも価値があり

どんな栄光よりも輝かしいものである。


大まかな説明だけざっとさせてもらうね♪


大きくわけて3つ


・(1) ;この洞窟はただの洞窟ではない。

君がいる世界とは異なるもうひとつの世界、

異世界と言った方が分かりやすいだろう。

その異世界のダンジョンである。

君はこれからこのダンジョンに呼ばれる度に

ダンジョンへの入口が開かれる


元の世界に戻る手段は2つ


・ダンジョン内にいるモンスターの撃破、及び功績を残すこと。


・ダンジョン内での死亡。

[⚠︎ダンジョン内での死亡は元の世界に遺体として送還される。]


・(2) ;ダンジョン内で撃破したモンスターの

固有スキルを1つ獲得出来る。

獲得したスキルはダンジョン内では10回使用可能になる。

そして元いた世界に帰還後にも獲得した固有スキルを3回使用することが出来る。


・能力値、Lvも存在しモンスターを討伐後、

経験値を振り分けることができる。

その能力は元の世界に帰還後、3/1引き継がれる


・(3) ;そして最後に、忠告


スキルの使用や、ダンジョンへの入口を人に見られた場合ペナルティが存在します。

ペナルティはその都度変更します。


そして、この紙を渡したであろう

種族名ベイレフトウルフ名を[レオン]と共に。

それでは良い、ダンジョンライフをお楽しみください


“君に幸あらんことを”


_________________________________________



「.....」

僕は内容を読み終え、頭の整理がつかず

ただ呆然としていた。

普通に考えてスキルだとか、モンスターだとか

能力だとかレベルとかもうわけわからないし

現実味がない、いや、そもそもここに来る前から現実味なんてそもそもなかったようなものだ。


そんな僕を見て《ベイレフトウルフ》

いや、レオンは僕を心配してるように目を見つめる。


「心配してくれてるんですね、ありがとうございます、と、とりあえず、1度また気持ちの整理をつけて考えますね、今回のモンスターって、さっきの、レオンさんが倒してくれたあの、ラーズゴブリンのことですよね、?これってぼくが倒してはいないですが、元の世界に帰還することは出来るのですか?」


レオンは少し驚いた顔をして話し始めた


『ぁぁ、今回は特例ということでこれで時間が来れば自然と戻る道は現れる。あと、そんなに賢まらないでくれ、君は命の恩人だ、もっと砕けた口調でいい、そして、我のことはレオンでいい。ずっと、涼、君を探していたんだ。やっと会えて我は嬉しいんだ』

そう言ってレオンは嬉しそうに尻尾を振る。


『あと、ひとつ言いたいことがあるんだ』


レオンはそう言って僕の目の前にちょこんと座った



「?」



『涼......涼には恐らくあの時から思っていたんだが

回復スキルか、回復魔法を持っているんじゃないかと思う、あの時、俺を治したのは間違いなく回復スキルかなにかのものだと思うんだ』


....確かにそれ以外で納得のいくものは無いと思った

人が手をかざすだけで傷を治癒することなんて先ず出来ないからだ、、

確かに僕は昔から何かと擦りむいた傷や指を切った時の出血の治りが人より何倍も早い気がしていた

特に気にしたことがなかったが確かに回復スキルを会得していたのならばそこにも合点がいくというもの。


「でも、どうやってスキルとかみるの、?」


僕がそう言うとレオンはいきなり自分の牙で前足に噛み付いた


ガシュッ


.,...ポタッポタッ



「!?え、え、?い、いきなり何してるの!?」


僕が慌ててそういうとレオンは前足を僕に向けた


「この傷を治してみてくれ、そしたら本当かどうかわかる」


「え、でも、やり方なんて」


僕がそういうとレオンは

「あの時の涼は俺の傷の場所に手をかざしてた」

と言った。



そう言われ、なるようになれと、レオンの前足に右手をかざした


シュウウウウ────────



体の中から何か暖かいものが出ていっているような感覚が体中を巡り右手の平に集まる。

次の瞬間レオンの前足を薄い緑のオーラが覆いかぶさり、その数秒後、完璧に完治していた。


「ほんとうだ…」


「本当だったな」

レオンは尻尾をフリフリして嬉しそうに僕に言う


どうやら治癒能力は本当に会得しているようだった


まだまだ能力値の見方やスキルの使用方法など

分からないことや疑問点ばかりではあるけど



これから

僕は、僕の部屋の異世界ダンジョンへの通路で獲得した能力を使って僕たちをバカにした、除け者にしたアイツらに復讐を誓った。

ここまでお読みいただきありがとうございます

これから更新頻度を増やしていこうと思うので

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とても嬉しく思います。(*´﹀`*)

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