素人から始める異世界戦闘講座
俺は今木で作られている動くカカシに襲われていた。
今朝起きてからブーロさんにやれるだけやってみることを伝えたら、この世界の戦い方を学べと連れてこられたのが今カカシに襲われている演習闘技場だ。
ブーロさんはカウンターに座っている片眼眼帯のゴブリンに近付いていき俺のことを紹介した。
「ようロプス、調子はどうだい?」
「あぁ?んなもん絶不調に決まってんだろ。俺の調子が良くなるとしたら、俺のこの眼を抉りやがったヤツを仕留めたときだけだ」
眼帯のゴブリンはそう言うとこっちを見て睨んでくる。
「そいつは例のあれか?ヒューマン達を抑えるための蓋にするってやつか」
「おいおい、言い方が悪すぎるぞ。折角協力してくれるって言ってるんだ。もう少しまともな対応をしてくれよ。クロウもあまり気にしないでくれよ?こいつは口が悪いんだ」
役割的には確かにそうなのかもしれないが、蓋と言われて平然と対応出来るほど俺はメンタルが強い訳じゃない。ブーロさんのフォローが入るまでは正直固まっていた。
「い、いや、大丈夫です。」
精々がその程度の返事しかすることができなかった。
「ふん、まぁいい、んでこいつをここに連れてきたってことは当然戦闘訓練を行うってことでいいんだよな?」
「あぁ、と言うかそれ以外でお前にクロウを紹介する理由もないだろう?」
「まぁな、とはいえ何かの気紛れで連れてきたとも限らんからな、そんな心構えもなってないやつにけしかけたら演習とはいえ…死ぬぜ?」
死ぬ、その言葉は底冷えのするような声音で紡がれ、今まで混乱して浮わついていた俺の気持ちをガツンと殴り付けてきたような衝撃と共に聞こえてきた。
「え…死ぬ?演習で…?」
「俺は実戦主義でな、これからお前に戦ってもらうのは魔法で作られた下位のゴーレムみたいなもんだ、下位とは言えゴーレムだからな、脳天にでも直撃受ければまぁ脳くらいはぐちゃぐちゃだ」
生きてさえいれば帰れるなんて、甘い考えだったと後悔したよ、実戦ですらない演習で死ぬ可能性とか考えてすらいなかったんだから。
結局逃げるとこは出来ず、闘技場に放り出され、木剣を投げられてそれを拾ったところで出てきたカカシゴーレムに囲まれた。それが今の状況だ。
さて、どうやって戦おうか…




