監視の眼
南門のヒューマン達を説得しに行く事にした俺達。しかし北門から出ようとしたところでリリのお父さん、ゼスさんに止められた。
「今北門から出るのはまずいです。出てくるゴブリンが居ないか見張る部隊が居ます」
「そうか…ナッピさん、彼らを無力化する手立てはありませんか?」
「んー、数が少なければ生け捕りも可能だけどねー、数が多いと死傷者は出ると思うよ?」
流石にこれから戦いを止めるのに死人が出るのはまずいな。
「わかりました。北門から出るのは諦めましょう。南門に向かってブーロさんに相談するのが一番良いと思います」
「そうだね、町中に入っているヒューマンだけでも制圧すればその後はどうにかなるだろうし、そっちへ向かおうか」
「それが良いと思います。ただ我々は町中を通って襲われないか?」
「多分私と一緒にいれば大丈夫!これでも私は偉いんだからね!
」
ゼスさんの心配をナッピさんはそう言って笑い飛ばした。本当この人はムードメーカーだよなぁ、今はそれがすごく有りがたいけれど。
俺達がブーロさんのところに辿り着くと、襲ってきていたヒューマンの姿はなく、ブーロさんとブーロさんより少し角が短いゴブリンが言い争っていた。ただ今俺はゼスさん達との話もあるため翻訳機を着けていない。そのせいで言い争いの内容まではわからなかった。
「あちゃー、どうやらヒューマン達は引き上げたみたいなんだけど、追撃するかどうかで争っているみたい」
とりあえず見ているだけじゃ長くなりそうだから近付いていく、俺が近付くの気付いたもう一人のゴブリンは、俺を見ると少し気まずそうな顔して、ブーロさんに何か言い残して離れていった。
ブーロさんとナッピさんに翻訳機を付けてもらい、ヒューマン語で話し合いをしている。どうやらブーロさんは慎重になるべきだと追撃を否定していたらしいが、ゼスさんの話を聞くとその判断は間違っていなかったようだ。
「今回攻めてきたのとは別に森の中に更に部隊が潜んでいます。しかも弓矢の部隊がメインなので、近づく前に殲滅すると言うのが王様の作戦でした」
「そうか、仲間を傷つけられた若い衆が暴走しなければ良いんだがな…」
その他に、相手の王様をどうやって捕らえるかの話し合いをしていたが、そこへ凶報が入った。
「ブーロさん!若手が30人ほどでヒューマンの追撃に行っちまった!」
「なんだと!?何故止めなかった!」
「どうやら見張りを買収してたみたいで、今巡回してる連中が外に出てくゴブリンを見たって報告が上がってきたから見張りを問い詰めたら吐いたよ」
情報が変に漏れないように身内でヒューマン語の会話をしていたのが仇になったかもしれない。とにかく追撃に行ったゴブリンを止めないと!




