見覚えのない、天井だ
目が覚めると俺はベットの上に寝かされていた。体を起こそうとしたが、どうにも起こすことが出来ない。痛みで動けないとかではなく、自分の意思で動かすことが出来ないのだ。
とりあえず現状の確認のために目で見える範囲だけでも情報を得ようと周囲を見渡す。
俺の寝かされているベットの周りには布がカーテンの様にひかれているようだ、天井は螺旋模様が描かれている。
うん、それしかわからん。まぁカカシに殴られたのは間違いないし、生きてるってことはここは医務室か何かなんだろうなぁ。不思議なのは意識が飛ぶほどの力で殴られたはずなのに痛くないことか…
そんな事を考えていると布が外されて角のないゴブリンが視界に入った。角がないから女性のゴブリンなのだろう。
「あ、目が覚めたみたいだね?ロプスには初心者をすぐ戦わせんなってしっかり言っといたからね。全くあの人と来たら昔から変わらないんだから…」
恐らくはこの人が看病してくれていたのだろう。俺はとりあえずお礼を言おうとしたが声にならず、掠れた息が少し漏れただけだった。
俺が喋ろうとしているのに気付いたのだろう、その女性のゴブリンは首をふる。
「あぁ、今声を出そうとしても出ないよ。何せゴーレムに殴られてあばら骨が数本折れてたからね、しかも一部は肺に刺さっていたしあたしが出掛けていて処置が遅れたら死んでたかもしれないよ。ほんと、そう言えば自己紹介がまだだったね。あたしはキア、ロプスはあたしの旦那だよ」
内容が一々衝撃的で困る。俺が死にかけてた事とか、ロプスさん結婚してたんだとか、びっくりして体を動かそうとするが、やっぱり体は言うことを聞いてくれない。
「体も動かせないようにしてあるのさ。魔法で治療自体はしてあるけどまだ安定してないからね。とりあえず3日はこのままだと覚悟しておきな。あたしが診るからには入る前より元気にならなきゃ出してやらないからね!」




