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第6章

続きへ

─消滅の刻─


残り時間はあとわずか――

画面の右上に赤く点滅するカウントダウンが表示される。


残り時間:5分


涼は息を整え、女神のHPを必死に確認した。迷宮の最深部には、最後の障害と魔獣が立ちはだかる。

このゲームは単なる遊びではない。もし時間がゼロになれば、すべてが消える。

ゲーム内のキャラクター、仲間、女神――そして自分までも。


涼:「絶対に……間に合わせる……!」


美咲も冷静だ。


美咲:「動揺するな。計算通りに……」


だが、敵は容赦ない。巨大な魔獣が女神に飛びかかる。回復魔法を唱える涼の指先は汗で滑る。

「頼む……守ってくれ!」


魔獣の攻撃が女神を直撃しかけたその瞬間、仲間たちが連携して飛び込み、衝撃を防ぐ。

だが、カウントは容赦なく進む――残り1分。


女神は震え、かすかに光が弱まる。


女神:「……もう……間に合わない……」


涼は心の奥底で叫ぶ。

「まだ……終わらせない……!」

最後の魔法を全力で放つと、光が魔獣を包み込み、消滅させた。


画面のカウントは残り5秒。

女神の手を握り、涼は強く思った。

「生きろ……女神……俺たちは絶対に帰る……!」


秒針が0を指すその瞬間、光が一気に炸裂する。

世界は一瞬白に染まり、揺らぎ、すべてが消えかけた――。


しかし、涼たちは気づく。

女神はまだ立っている。

仲間も、生きている。


開発者の声:……よくやった、木村涼。君たちは3時間の制限内に女神を守り抜いた。

開発者:これで君たちは、現実に戻る資格を得た。


消えかけた世界の残像が徐々に消え、画面には「ログアウト可能」と表示される。

涼は安堵の息をつき、仲間たちと目を合わせた。


涼:「……終わったんだな……」

美咲:「まだ序章に過ぎないかもね……」


画面の外では、現実の時計が静かに時を刻む。

ゲームの中での死の恐怖、そして極限の緊張――その記憶は、彼らの心に深く刻まれたままだった。

次回も楽しみに

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