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第3章

続きへ

─開発者の影─


涼は画面の前で固まったまま、椅子に沈み込んでいた。

ログアウトボタンは依然として灰色のまま。指先で押しても反応はない。

心臓が早鐘を打ち、息が詰まる。ゲームの世界に閉じ込められた――その確信が、恐怖を現実に変えていた。


「……どうすればいいんだ……」


そのとき、広場の中央に人影が浮かび上がった。

細身の男性、白いコートに黒縁の眼鏡。まるでゲーム内のNPCのように完璧な立ち姿だ。だが、どこかリアルな人間味を感じさせる。


?:……ようこそ、木村涼。待っていたよ。


涼は息を呑む。

「誰だ……あなたは……?」


その男性は、ゆっくりと手を差し伸べ、柔らかく笑った。


男性:私は、このゲームの開発者だ。君たちプレイヤーがここで何をしているのか、ずっと観察していた。


画面の向こう、美咲も動きを止め、涼の方をじっと見つめる。


涼:「……開発者……?なんで、僕をログアウトさせないんですか!?」


男性は肩をすくめる。


開発者:ログアウトはできない。今の君の状況は、ただの「ゲーム」ではなく、この世界のシステムを試すための実験だ。

涼:「実験……!?僕たちは……ただ遊んでいただけなのに……!」


背後にある広場の建物が一瞬揺らぎ、景色がまるでプログラムの一部であるかのように変化する。

ゲーム世界と現実世界の境界が、今まさに崩れようとしていた。


開発者:君たちの選択、行動、そして精神力が試されている。ここで生き残ることができれば、現実に戻れる。

涼:「生き残る……って、どういうことですか……!」


振り返ると、仲間たちのアバターも微妙に変化している。喜怒哀楽の表情が現実の感情を映し、まるでプレイヤー自身の心を透かしているかのようだ。


開発者:さあ、ゲームを続けなさい。だが、注意しなさい――ここでの失敗は、現実にも影響する。


涼の視線がスクリーンに吸い寄せられる。

ログアウトできない世界、制御者の影、美咲という強力なライバル、そして仲間たち。

すべてが「生き残りゲーム」の舞台となって、彼の前に広がっていた。

次回も楽しみに

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