第10章
続きへし
─身体の爆弾─
百体のボスとの死闘が続く中、涼はふと気づく。
チャット欄に仲間からのメッセージが流れる。
斎藤ケン:「……涼、言ってなかったけど、俺……身体に爆弾を埋め込まれてる……」
涼の血の気が引いた。
涼:「な……なに!?いつ……そんな……」
ケンは苦しそうに息を吐く。
ケン:「ゲームを進めるための追加試練だって……開発者が……残り1時間以内に女神を守れなかったら……爆弾が作動する」
涼は一瞬固まる。
時間制限はすでに迫っている。百体ボスはまだ残っている。
美咲:「……なるほど、だから戦いに焦りがあったのね。心理戦だけじゃない、命そのものを賭けている」
爆弾の存在は全員の士気に影を落とす。
残り時間、残りボスの数、そして仲間の命――三重のプレッシャー。
涼:「ケン……大丈夫、俺たちが守る。絶対に……絶対に生き延びる」
ケン:「……ありがとう……でも、もう無茶はできない……」
戦闘の最中、ボスの一体が女神に迫る。涼は魔法を打ち、ケンは前衛で攻撃を受け止める。
だが、彼の動きには明らかに制限がかかる。体内の爆弾が、いつ作動してもおかしくない重圧として圧し掛かるのだ。
涼(心の中):……時間内に全部倒さなきゃ……女神も仲間も……死なせられない……
美咲も冷静に分析する。
美咲:「残り30体……爆弾が作動する前に、集中攻撃で一気に数を減らす」
光と魔法が飛び交い、百体のボスが次々と倒されていく。
ケンの体は汗で光り、動きが鈍る。それでも彼は必死に前衛を務め、女神を守り続ける。
秒針が刻む音と共に、爆弾が胸の奥で脈打つ感覚がケンを苦しめる。
しかし、涼たちは諦めない。全員の連携、全力の魔法、戦略的攻撃――すべてを駆使して、最後の戦いに挑む。
残り5分。
残り1体。
爆弾のタイマーは刻一刻と進む――
生き延びるのは、誰かの犠牲か、それとも奇跡か……!
次回も楽しみに




