おかしな姉妹?の登場①
つたないものですが取り合えず読んでいただければと思います。まだ、主人公姉妹は登場してません。
今日も又朝日が昇ってきて、大地を照らしてゆく。
(らしくないな……)
突然思付いた言葉に、首を振って打ち消すと目の前に視線を向ける。視線の先には自分の部下達が3名整列してオレを待っていた。
「ようし!全員揃っているな。では、門を開ける。いつも通りの事をいつも通りすればいいだけだからな。何かあったらオレの所に来い。では、配置につけ。……開門!」
オレの合図と共に配置に付いた部下が城壁に向けて合図をすると、壁の中にいる兵士達が機械を操作したのだろう。ギャリギャリと耳障りな音と共に扉の代わりをしていた跳ね橋が向こう側にゆっくりと降りて行く。そうして堀に架かる橋が降り来ると、街道の脇で休んでいた或いは夜明かしをした者達が列を作り始め、ゆっくりとやって来るのを見るとオレは自分の部屋へと向かった。
これがオレ、ファール公国首都ファールの第二城壁南門守備隊隊長でルーレン男爵家二男『ガイス・ルーレン』のいつもの通りの日常の始まりだった。
………まさか、あんなことが起こるなんて、この時オレは思いもしなかった。
その報告が来たのは、引き継ぎ書類を確認し終えて漸く一息ついた時だった。
「ガイス隊長!失礼いたします!」
ノックの音と共に声を掛けてこちらの返事を待たずに扉を開けて入ってきたのは、ここに来てまだ1ヶ月程の新人だが、その前は何処だかの地方都市で警備部隊の隊長を務めていてそれなりに落ち着いているはずの部下の一人だ。その部下が大慌てで入ってきたのだ。オレから受け取った書類を束ねていた副長のレリウスも訝し気に見やる。
「確認もせず申し訳ありません。ですが、どうしても隊長に判断していただかなければならないと思い、駆け付けた次第です」
「ほう。オレを呼ぶ程のことか。で、その重大な事とは、何だ?」
オレとレリウスで見やる中、彼は語りだした。
「は!おそらく地方からやって来たと思われる姉妹の二人です。ですが、その姉妹の妹が連れている魔物が、その……」
「何ですか、魔物ごときで報告に来るなんて…」
「【ミミック】のようです…」
「「は??」」
「その…自分も困惑していますが、間違ありません!自動的に動く箱など、魔道具でも存在してません!あれは、紛れもなく【ミミック】です!」
その言葉にオレは目を瞑って、それから眉間を擦った。次に隣にいるレリウスに目を向けると、案の定彼も信じられないと首を振っていた。
「何を馬鹿な事を言っているのです?この首都の城門にそんな魔物を連れて来る…しかも、何処からかやって来た姉妹が…あり得るわけ無いでしょう」
「いえ!本当なんです!!間違いなく【ミミック】です!」
断言する部下にレリウスは「ふー」とため息をつくと
「それならば討伐してしまえばいいでしょう。何故わざわざ訪ねて来るのです?」
レリウスの至極当然の返答に、やって来た部下は更に驚くことを話した。
「…その【ミミック」ですが…完全にその姉妹の…ペット?いえ、使い魔というよりアレはペットとしか言いようがないかと…今も城門前の広場で芸を披露して見せてますから」
「「……は??」」
こんな感じです。文章の長さが時々変わったりしますが、それは作者である私の気分次第です。なので気にしないでください。