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【隣にいたい~幼馴染を追いかけて~】
あらすじ
インターハイ終了後、大学へ進んだクロ(1つ上の幼馴染)を追いかけるシロだったが入部テストに不合格。クロの隣に居るためにはどうすべきか悩んでいた時にクロが事故に遭い……。
シリアス・トラウマ・嘔吐・病院・怪我・麻痺の描写有。
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犬猫高校3年生の引退式。
来年の主将・副主将は部長が指名をする。例にもれず3年の引退式で次期主将・副主将の発表となった。
「主将は頑生。副主将はシロね」
通る低音ボイスでサラッと指名。
「おっしゃっああああぁぁ!! 任せてくだせぇ!! 今年の犬猫も全国導いて見せます!!」
身体全体で気合を表す全力の頑生。
「おれ嫌だよ……部をまとめるとか無理だし……」
対極的にシロは目をそらして小さく否定した。
「そういうのは求めてねェよ。ま、出来たらサイコーだけどな」
「求められても無理だし……」
シロの拒否はその場で当たり前のように流され、部員は皆食事と雑談に花を咲かせた。
皆は、本気でシロが抗議しないことを知っているし、シロ自身もこうなることを予想していたからだ。
「おまえは、なんだかんだラヨンの練習あんだけ付き合ってやるんだからやっぱ向いてるよ」
次期主将・副主将の話が過ぎた頃、お菓子をぼそぼそ食べていたシロの隣へクロがやってくる。
「向いてないし」
「向いてるし」
「向いてる」
「向いてない」
クロとの押し問答。わざと言葉をマネしてきてイライラするけどこれが出来る相手はクロだけだ。
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