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三 資料紹介(一):鵞峰文集(二)

〇弟、読耕斎の死に


 萬治辛丑三月五日、余が弟、読耕斎林靖彦復、微恙に罹り、十一日発熱煩悶、十二日の暁、(つぶ)りて逝す。

 嗚呼、吾が弟、其の生るや吾に後れて、其の没するや吾に先立つ。

 汝が生まれてより三十八年、(しょう)(寝台)に對して研覃(けんたん)(深く追究すること)、以て家業を講磨して儒風を仰ぐ。雁影の行を連ぬるに匹似し、鶺鴒(せきれい)の原に在るに彷彿(ほうふつ)たり。未だ嘗て相離れずして、(しょう)(せめ)ぐ(身内で争う)ことなし。今不幸にして汝が喪に遭ふ。羽翼を鎩が如く、左右の手を失ふが如し。嗚呼、悲しいかな。

 汝、博覧強記、一過誦を成す。詩賦文章、筆を下して休まず。時の奇才、千里の駿足なり。賈生(賈誼)より長ずること五年にして、南軒(張南軒)より(わか)きこと十歳。天、何ぞ其の年を奪ふの速なるや。嗚呼悲しいかな。

 同志の朋に接して信有り、教授して倦まず。行、清白にして志を執る事堅固。富貴に(へつら)はず、利達を求めず、分を守って晏如たり。鴻鵠の志未だ遂げずして落ち、橡樟の材、未だ用いられずして折る。嗚呼痛い哉。


(鵞峰文集75巻「天倫哀事」より)


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