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異世界転移・転生・主人公最強・ハーレムが固まってから、転移転生が隔離される直前まで

ここからの作品は年間ランキングになるため、その年のヒット作が精度高くみられるでしょう。

ここからは分かりやすく残っているのと、時代の変化でジャンルも色々増えています。


皆さん前回の2012までのランキングの流れを見て、どう思いましたか?

「結局異世界では」ですか?

「結構変わってるんだなぁ」でしょうか。


私は、感動しましたね!

たった十年でこんなにも変わったんだっ!とか

こういう流れがあって変わっていたんだ!とか


では2013以降どうぞ!

年間ランキングなのでガラっと変わりますよ!



2013/7 (12月記録無)

総作品 19万作

登録者 33万人


1位 無職転生 - 異世界行ったら本気だす - 著:理不尽な孫の手

【タグ】 R15 残酷な描写あり 異世界転生


2位 盾の勇者の成り上がり 著:アネコユサギ

【タグ】残酷な描写あり 異世界転移 裏切り 不信の主人公 ダーク系? 成り上がり 盾の勇者 奴隷 男主人公


3位 こちら討伐クエスト斡旋窓口 著:岬キタル@鬼他

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 冒険 ファンタジー しない ギルド 異世界 魔法 転生 チート 誤解です 平凡 勘違い 生放送朗読OK


4位 詰みかけ転生領主の改革 著:氷純

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 異世界 転生 貴族 現代知識 内政 発明 趣味全開小説


5位 異世界食堂 著:犬塚惇平

【タグ】残酷な描写あり 料理


6位 八男って、それはないでしょう! 著:Y.A

【タグ】残酷な描写あり 異世界転生 転生・憑依 異世界 魔法 ハーレム? 貴族


7位 ライオットグラスパー ~異世界でスキル盗ってます~ 著:飛鳥けい

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 ファンタジー 剣と魔法 盗賊 異世界 適度なご都合主義 厨二主人公 PC読み推奨


8位 勇者様のお師匠様 著:三丘 洋

【タグ】R15 残酷な描写あり 身分差 ファンタジー 恋愛 魔法 幼馴染


9位 【削除済み】


10位 【削除済み】


【コメント』

無職転生アニメ化おめでとう!

いやあ、この時期からずっとランキング上位陣で君臨している、なろうの顔とも呼べる作品です。非常にめでたい。


さて、これらを振り返るとですね、すっかり異世界転生が主流になっています。

「2012年から2013年の間でゲーム転移が減って転生が一気に増えた」のではなく、

2012年までは累計ランキングでの比較だったので、人気作品が累計上位まで行くのには時間がかかっていた、という事です。

つまり累計ランキングに入るまでの遅れを考慮すれば、2012年頃から2013年が異世界転生がなろうの顔になった時期と言えます。


そして、「ゲーム→異世界」という異世界転移作品はトップ陣を見る限り減っていますね。

しかし、読んでみるとステータスがあったり、スキル制だったり、「ゲームっぽさ」というのはみんなの意識の中に残りました。

なお、ランキングのもう少し下の方にはまだまだゲームから異世界転移する作品もあり、根強い人気があります。また、ゲーム内世界の設定でなくてもタイトルやあらすじに「ラスボス」「中ボス」等ゲーム的な単語を用いる作品もちらほら。


個別の作品としては、その後の影響力という意味で、『盾の勇者の成り上がり』への言及は避けられない。

後の「クラス一つ丸ごと異世界転移」「追放物」物との繋がりが見え隠れしています。

虐げられた主人公、追放、豹変、覚醒……そういう感じ。

これ以前から主人公が冒頭で裏切られたり、無理矢理勇者にさせられたりと、ダーク寄りな扱いになる召喚物は幾つか存在し、ある程度の人気を持っていました。

例えば、2011年のランキング30位以内にある『『勇者』の反逆』は勇者召喚が奴隷契約並みのブラックで、主人公は無理矢理契約させられます。おそらく『盾』もこういった作品から影響を受けた一作です。

が、毒気の強い主人公達の筆頭となったのはこの作品と言えるかもしれません。


『詰みかけ転生領主の改革』は名前の通り内政物。

調べてみると2011年には内政タグのついた作品がランキングに居たので、これが元祖ではありませんが、異世界転生物が流行ってからの作品の中で、かなりの人気作の一つである事には変わりなし。

この時期のおいしい設定として内政が存在した、というのは伺えます。


『異世界食堂』も注目の一作。なろうでのメシ物の在り方はこの時期の作品が決めたと言っていいでしょう。また、「異世界+お店物」も異世界食堂をきっかけにして増えていきました。


『ライオットグラスパー ~異世界でスキル盗ってます~』は事故で死んだ現代人が神様に転生させてもらう、というお約束の流れをきっちり踏襲し、「どんな能力をどんな風に使うか」を書いている。

つまり、神様転生の人気作品の一つ。

上記の内政物がヒットしているのも併せ、「異世界転生して現代知識チート・転生特典チート」の流れが定着していた事が分かりますね。


年間ランキング単位になると、同じ転生・転移でも方向性は作品ごとで結構分かれていて、幾つかの流行が同時進行しているのが見えてきます。これは以降の年間ランキング全てに言えますね。


私自身なろうを一番使っていた時期なので、実に思い入れのある年代です。

では次へ。




2014/11

総作品 29万作

登録者 51万人


1位 ありふれた職業で世界最強 著:白米良

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 そのうち主人公最強 豹変する主人公 鬼畜 ご都合主義 異世界召喚 オリジナル兵器 ハーレム テンプレ要素多数


2位 神達に拾われた男 著:Roy

【タグ】R15 残酷な描写あり ほのぼの? 魔法 異世界 不定期連載 ご都合主義 チート スライム


3位 甘く優しい世界で生きるには 著:深木

【タグ】残酷な描写あり 異世界転生 勇者 聖女 魔王 魔獣 スキル 魔法 剣 貴族 王子 恋愛 学園 チート 主人公ご都合主義 転生 他者視点あり


4位 無職転生 - 異世界行ったら本気だす - ※前年もランクイン


5位 謙虚、堅実をモットーに生きております! 著:ひよこのケーキ

【タグ】異世界転生 恋愛 学校/学園 悪役お嬢様 御曹司 庶民 少女マンガ 生徒会 牡丹


6位 【削除済み】


7位 蘇りの魔王 著:丘野 優

【タグ】R15 残酷な描写あり 魔王 勇者 チート 転生 聖女 剣聖 ファンタジー 異世界 輪廻 2回OVL大賞応募作


8位 八男って、それはないでしょう!※前年もランクイン


9位 進化の実~知らないうちに勝ち組人生~ 著:美紅

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 冒険 異世界 主人公最強 ハーレム ステータス スキル 魔法 レベル 恋愛 成り上がり ギャグ


10位 リビティウム皇国のブタクサ姫 著:佐崎一路

【タグ】R15 異世界転生 TS? 転生もしくは憑依 お伽噺の定石破壊 人間としてはチート 非最強 成長系 勘違い系



【コメント】

全体的には転生の方が若干多いですが、転移もまだまだ衰えてはいない、という感じですね。


で、5位! 悪役令嬢だー! 私の一番好きなジャンル! むしろ悪役令嬢ばっかり読んで人気作品に目を通せてなかった奴ー!

ここに来てランクイン。

ジャンルとしての悪役令嬢はこの時期から始まった、と見ていいでしょう。

悪役令嬢のタグが入っていない(謙虚堅実のタグは「悪役お嬢様」)辺り、これらの初出時期にはまだ悪役令嬢という認識は無かったものと思われます。


もちろん、悪役令嬢だけが新ジャンルということではありません。

学校の1クラスが異世界転移する、『ありふれた職業で世界最強』と『進化の実~知らないうちに勝ち組人生~』がランクイン。

異世界召喚物を変形させた『盾の勇者』からさらに転じて、クラス丸ごと異世界召喚です。

「主人公が不遇スタート」の流れはここでほぼ完成し、後の追放物に繋がったと思われます。

こうしてみると、小説家になろう内の流行はしっかり過去があり、ツリー状に繋がっているわけです。


『甘く優しい世界で生きるには』も悪役令嬢と同じく「前世の記憶から自分が置かれている状況に気づいて、身の破滅を避けるように頑張る」作品ですね。名誉挽回と家族や身の回りの人達への感謝に答えようと懸命に頑張る主人公の話です。

こういった、「前世の記憶を取り戻して破滅回避」は悪役令嬢と、いわゆる「踏み台転生者に憑依してしまった」物においてよく使われています。

なお、二次創作の悪役に憑依する作品にもこのノリは多いです。むしろこっちの方が体系化したのはかなり先かな?




2015/12

総作品 36万作

登録者 68万人


1位 蜘蛛ですが、なにか? 著:馬場翁

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 ファンタジー 異世界 転生 蜘蛛 女主人公 勇者 魔王 チート ある意味最強主人公 オリハルコンの精神力


2位 賢者の孫 著:吉岡剛

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 主人公最強


3位 公爵令嬢の嗜み 著:澪亜

【タグ】R15 異世界転生 悪役令嬢 転生


4位 傭兵団の料理番 著:川井昂

【タグ】異世界転移 オリジナル戦記 青春 冒険 料理  ファンタジー  魔法 戦記  傭兵 ちょっとバトル ちょっと革命 英雄 工作 食事 戦法  不定期更新


5位 人狼への転生、魔王の副官 著:漂月

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 戦争 成り上がり 魔物娘 悪役 外交 調略 男主人公 人外 魔王 完結済


6位 【削除済み】


7位 無職転生 - 異世界行ったら本気だす - ※前年もランクイン! 3年連続!?


8位 最果てのパラディン 著:柳野かなた

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 冒険 成長 家族 友情 騎士 神様 剣と魔法 シリアス バトル 成り上がり チートなし 男主人公 魔法


9位 10年ごしの引きニートを辞めて外出したら自宅ごと異世界に転移してた 著:坂東太郎

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 冒険 ファンタジー 異世界 異世界トリップ 家ごとトリップ サバイバル 書籍化 本編完結済み ご都合主義 モンスター 幼女 魔法 ほのぼの 掲示板 現代との繋がり


10位 LV999の村人 著:星月子猫

【タグ】冒険 ファンタジー コメディー 主人公最強 異世界 RPG 感動 熱い メイド 正義 ゆる系 一騎当千 転生 チート 優しい世界



【コメント』

それにしても、年間ランキングに三回連続で顔を出す無職転生はいったいなんなんだろう。神かな?


クラス転移→『蜘蛛ですが、なにか?』

悪役令嬢→『公爵令嬢の嗜み』

メシ物→『傭兵団の料理番』


など、前年以前で流行った特定ジャンルに作者のオリジナリティが加わった作品群がトップを取っている、という印象。

『最果てのパラディン』『人狼への転生、魔王の副官』とチートではない作品や、かなりシリアス寄りの作品も多い。

全体的に、異世界転移・転生というジャンルがいろんな方向に分岐していった印象が強い。


『LV999の村人』などの、ゆる系な主人公最強ものも人気を維持していますね。


個人的に好きなのは『10年ごしの引きニートを辞めて外出したら自宅ごと異世界に転移してた』。

タイトル通りですが、異世界での出来事を主人公が匿名掲示板に書き込むため、その反応なども含めて楽しめるのが面白いポイントです。


では次、異世界転移・転生体制の最後です。




2016/12

総作品 44万作

登録者 91万人


1位 とんでもスキルで異世界放浪メシ 著:江口 連

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 異世界 ネットスーパー 勇者召喚 巻き込まれ ペットが最強 料理 ほのぼの のほほん 旅


2位 私、能力は平均値でって言ったよね! 著:FUNA

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 転生 チート 異世界 魔法 少女 学園 ギルド 魔物 女主人公


3位 Re:ゼロから始める異世界生活 著:長月達平

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 異世界 ファンタジー 銀髪ヒロイン 感想乞食 バトル シリアス ほのぼの 時間遡行 死に戻り


4位 魔王様の街づくり!~最強のダンジョンは近代都市~ 著:月夜 涙

【タグ】R15 残酷な描写あり 主人公最強 魔物開発 重火器 ダンジョン運営 街運営 悪質な罠 成り上がり 現代知識 配合 キツネ エルフ ドワーフ ファンタジー GAノベル


5位 町をつくる能力!?〜異世界につくろう日本都市〜 著:ルンパルンパ

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 集団転移 異世界 書籍化 商売 魔法 銃tuee 内政 NAISEI 外交 NOGYO 農業 現代兵器 現代技術 商人


6位 再召喚された勇者は一般人として生きていく? 著:かたなかじ

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 異世界 高校生 召喚 転移 主人公最強 元勇者 日本刀 魔法 ファンタジー 最強 再召喚 書籍化


7位 村人ですが何か? 著:白石 新

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転生 ファンタジー 主人公最強 村人 無双 女勇者 幼馴染 ドラゴン 西洋 学園 恋愛 異世界 書籍化


8位 ライブダンジョン! 著:dy冷凍

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 ダンジョン 回復役 ヒーラー 白魔道士 知識チート 異世界 MMO ネトゲ


9位 成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです 著:時野洋輔

【タグ】R15 残酷な描写あり 異世界転移 異世界トリップ 成長チート ハローワークの敵 奴隷ハーレム コミカライズ化作品 転移者多数 幸運チート スキル多数 無職のまま 獣人もふもふ 働けない主人公 ネット小説大賞受賞作 チーレム


10位 蜘蛛ですが、なにか? ※前年もランクイン



【コメント】

色んな意味で話題になった『とんスキ』きましたね

『Re:ゼロから始める異世界生活』がアニメの大ヒットで大躍進したのもポイント高い。

登録者数も一年で20万人以上増加し、ついに投稿作品数より登録者数が倍以上多い状態となりました。


割と暗めの作品や最強ではない主人公がランクインしていた前年とは異なり、前年の『賢者の孫』を筆頭とした安定した主人公最強物、またはほのぼの系(ゆる系とも)が上位に来ている印象

スローライフではないにせよ、どちらかと言えばのんびりな雰囲気の作品が多い。

『リゼロ』はちょっと特殊なので置いておくとして、内政、ゲーム知識、ネットスーパーに幸運チートと転移・転生からの能力チートはここで完成という感じですね。


『魔王様の街づくり!~最強のダンジョンは近代都市~』はダンジョン運営物です。

一時期ダンジョンマスターを山ほど読んでいたのですが、この作品を含む「主人公がダンジョンを運営して規模拡大する」というジャンルはこれよりずっと前から存在しています。

2012年には既に「よくあるダンジョン経営物」と書いている方がいるので、既に定着していた事を読み取れます。

数として一気に増えたのは2015年以降なので、トップクラスの人気要素になり上がったのはこの年になってようやく、という感じ。

なろうに「軍団最強」的な要素を含む作品が増えたのは『オーバーロード』以降で、一時期魔王の軍団を主人公とした作品が増えていました。『転生したらスライムだった件』(著:伏瀬)はその一つです。

その中から、軍団最強とダンジョン経営を組み合わせた物がダンジョンマスター物に繋がっていくのかなと。

あと、こういうダンジョン経営においては小説投稿サイト『Arcadia』の存在も忘れちゃいけないのですが、今は置いておきます。


また、このランキング、数作ですがそれ以前とはなんだか空気が違います。

つまり、「タイトルの雰囲気」ですね。

以前から傾向はありましたが、タイトルが作品内容の紹介になっている作品がちらほらと。

「タイトルにあらすじ・タグ・キャッチコピーが全部入る」という形式は、この辺りの時期からメジャーになっていく様です。

スマホ版の検索・ランキングがタイトル以外は格納されているので、多分最初のタップを誘発する為の「全部乗せタイトル」だと思うのですが、これ以前にも十分スマホユーザーは居たはずなので詳細は不明。



ところで、この時期の一大事件として絶対に外せないのが、『異世界転移・転生ランキング隔離事件』

異世界転移・転生とそれ以外でランキングを分ける、という方針の大きな転換です。

総合ランキング上では変わらないとはいえ、ファンタジージャンルからは転移転生が実質消滅ですからね。当時はそれでも転移転生の勢いは止まらないという予想をよく聞いたものです。

しかし、実際には翌年から勢力図は書き換わりました。

ジャンル自体も整備が行われ、より詳細なジャンル別のランキングに変わっています。

では、一気に変わる次へ



……行く前に総括。ここからは執筆時点とあまり変わらないですからね。

異世界転移・転生全盛期で切らせてください。




【2013~2016年総括】

言ってしまえば、この4年間は異世界転移・転生を色んな方向に発展させていく感じになりました。

書籍化・メディアミックスで後から評判になって「再発見」されるタイトルもあり、ゲームキャラクター転移などはランキングのもう少し下で続いていました。

が、やはり頂点に来るのはほとんど転移・転生です。


2012年以前から既に始まっていた事ではありますが、

転移・転生のは当然、そして主人公最強なのが普通になったので、「チート」というのは前提であってアピールするポイントではなくなったんですね。

なので、異世界へ行った上で「何をするか・どんな境遇になるか」が作者ごとで枝分かれし、「異世界物」のサブジャンルとして発展していくのが年間ランキング単位になるとよく分かります。


(2008~2012年あたり)ゲーム転移・転生が流行り、主人公がゲームで使っていたキャラの職業などで差別化

ゲームからそのまま転移・転生する作品よりも、ゲームっぽさのある設定を用いたスキルや転生チートという形で力を手にする主人公が人気になってくる。主人公最強。ハーレム。

転移・転生・主人公最強が当たり前になったので、それ以外の部分で差別化してアピールされるようになり、「異世界チート」の中でジャンルが細分化


ランキング内だけでも主人公の境遇は

・人外転生

・貴族転生

・村人

・魔王軍

・召喚→追放

・悪役令嬢

と様々なアプローチが取られていき、伴うように作品のアピールポイントとなる物も増えていく。


また、主人公が主に何をするのか、についてもランキング内だけで

・内政

・冒険

・料理

・店員

・恋愛

・戦争

と分かれており、タイトルやタグでも主人公が「何者なのか」「何をするか」をアピールする作品が目立つようになる。


さらに、主人公がどんな能力を使うのかをアピールする作品も増えてきますね。

特に『とんスキ』(旧題『とんでもスキルが本当にとんでもない威力を発揮した件について』)は特殊なスキルをあらすじ・タイトルで押した作品としては強烈にヒットした作品の一つでしょう



なお、何度も書いていますが累計ランキングと年間ランキングはかなり違います。

累計ランキングが当時の流行を反映するのは1,2年遅れます。


しかも、2013年以降の累計トップはほぼ固まっていて、3年以上連続ランクインしたタイトルだけでも

「無職」「謙虚堅実」「奴隷ハーレム」「食堂」「デスマ」「転スラ」「盾」「八男」「ありふれ」がほとんど殿堂入り状態と、2012年以前ほど流動していません。

今現在のトップ10もここに「陰の実力者」と「とんスキ」が入るくらいですね。


これら実質殿堂入り状態の作品は、後発か開祖かを問わず「なろう小説の完成系」という感じの雰囲気があります。

逆に言えば、2012年以前のランキングが激しく変動していた理由は

「なろうでの人気ジャンルが完成しきっていなかった」からじゃないかなと。



さて、ここまでがなろうにおける異世界転移・転生最盛期です。

これ以降はジャンル再編・隔離・UIの変更(トップページに表示されるランキングが累計から年間のトップ10に変わった事とか)などなどにより、転移・転生から現地人に移っていきます。


……長くなりすぎたので、続きは次回へ!

2017と2018まで行く気だったのですが、長くなりすぎたので明日に回します。

自分で調べといてなんですが、2012年までの累計ランキングって本当にどんどん入れ替わってるんですよね。それだけ「新しい表現」や「新しい楽しみ方」が日夜生まれていったのだろうなあと思います。

2013年で異世界物自体はほとんど完成していて、それを活用したサブジャンルたちがサイトで活躍し始めたのがそのあと、という感じ。



ところで日間エッセイランキング1位になりました。

ありがとうございます! こういうのについては皆様に読んで楽しみつつ、何かを感じていただけたらなって思っていますので、とっても嬉しいです。平成最後だし振り返りたくて始めたのですが、こうしてみると本当に面白いですね、ランキングというやつは

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