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太閤秀吉  作者: 恵美乃海
12/13

12 先ずは日の本から

「殿下」


天海が、語り始めた。


「今、思ったのですが、この伏見舞踊十六人隊。伏見十六ですか。ひとつにとどめるのは勿体無いと思います。この京、伏見で、さらにいくつもの組を作ってもよいのですが、それよりも、この日の本の国中に、この十六人隊を作るのがよろしかろう。


殿下は、、この日の本を統一なされました。この日の本の戦国は終わり、今は太平の世。各地を治める領主たちを集め、この伏見十六の、舞踊を観せましょう。


そして、それぞれの領地から、選りすぐりの美少女、十六人を選ばせ、この伏見に連れてくる。むろん、その美少女たちの実家には充分な支度金を払います。

そして、阿国殿のもとで、舞踊を学び、またそれぞれの領地に戻り、その領地の民びとたちにこの舞踊を観せる。いかがでございますか。殿下。」


「それはよい、それはよいぞ。天海。今の話。阿国殿も異存はないな。」


「はい、願ってもないことでございます、殿下。そのお役目、喜んで勤めさせていただきます。」


「その、それぞれの領地の十六人隊には、伏見のところに、それぞれの領地の名を付ければよろしいでしょう。

例えば、今、この場におられる方、直江様の上杉殿の領土では、越後十六。石田様は、佐和山十六。真田様は、上田十六。」


「よいのう。じゃが、天海。それが、本来の目的であった世界征服とどう結びつく」


「この日の本で、数多く誕生するであろう十六人隊の中でも、阿国殿が観て、特に優秀と思われる隊。そして、民びとの中で、より人気の高い隊を、朝鮮、明、アユタヤ、そして南の海の向こうの国々に送り出し、そこの民びとたちに、舞踊を観せるのです。


どの国でも、大きな人気を得るのは間違いありますまい。

そして、それぞれの国にも、それぞれの国の十六人隊を作る。日の本で生まれた舞踊十六人隊が、世界の舞踊十六人隊になるのです。」


「あい、分かった。たしかに明るく楽しい世界征服じゃ」


「そして、今ひとつ、石田様たち御三人衆が、考案なされた、色々な技競べ。これもまた、日の本中に広めましょう。これまた、各領土それぞれで、その技競べを行う組を作らせましょう」


「その技競べを行う各領地の組を、ひとつところに集めて、大会を行い、勝ち負けを競う、というのも面白いのではないか」


「おお、殿下。それは、ご名案です。」


「と、同時に、その技競べを、世界に広め、教える者も養成せねばならぬのう。天海。これも、明るく楽しい世界征服の重要な柱じゃものなあ」


 信長様が色々、おっしゃっておられたな。リーグ戦、強さによるランク分け。トーナメント、シード。

どういう意味なのか、酒肴の席で、もっと詳しく教えていただいておくのだった。

たが、進めていく内に、ああこういうことか、と、分かってくるような気はする。


「その各領地の組を、ひとつところに集めて行う大会のことですが、十六人隊も同様にいたしたく存じます。

その大会を、世界に送る隊の選抜の場としてみたく存じます」


「おお、阿国殿。それはよい。一体どのような大会になることか、今から楽しみじゃ。」




お読みいたただきありがとうございます。

小説「太閤秀吉」 

この次の回が最終回です。

本日中に投稿します。

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