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太閤秀吉  作者: 恵美乃海
10/13

10 技競べ色々

 やって楽しく、人びとが見ても楽しい技競べ。どのような決まりを持った技競べがよいか。


 秀吉は、その課題を、石田三成、真田信繁、そして、上杉景勝に頼み、直江兼続。この三人に考案を命じた。

秀吉が、その才能を最も評価している三人である。


 そして、また一ヶ月後。

秀吉は、世界征服事業に関する関係者を伏見城に集めた。

天海、出雲阿国、石田三成、真田信繁、直江兼続である。


 先ず、三人が考案した技競べを、発表させた。

三人を代表して、石田三成が、絵図も使って説明する。


「三人で色々と試行錯誤いたしました。実際に多くの若者を集めて、やらせてもみました。やって楽しく、観ても楽しい技競べ。なかなか難しいのですが、我ら三人は、技競べの基本となるものを見出だしました。それは、鞠です。」


「鞠?」


「はい、蹴鞠で、あるいは、主におなごがする手鞠に使う鞠です。この鞠を使うと、色々な技競べが考えられます。

例えば蹴鞠。今の蹴鞠は、何人ものひとが、円になって向き合い鞠を蹴って、その鞠が跳んだところにいるひとが、また蹴る。そして、ポンポンと、地面に落ちないよう、なるべく長く続ける、それだけの単純な遊戯です。」


「ふむ」


「この鞠を蹴るという遊戯を、もっと広い場所を使って行うのです。」

三成は、その技競べの概略を図にした大きな紙を広げた。


長いほうは、五十間から六十間、短いほうは、四十間くらいの起伏のない四角の場所を用意する。

そして、短いほうのまん中あたりに、幅が四間。高さが一間二尺ほどの網を立てる。

十人くらいずつ、二組に別れ、ひとつの鞠を、足だけで奪い合い、相手の組の邪魔をかき分けながら、網に蹴り込む。


制限時間を決めて、その時間の中で、お互いに、どれだけの回数、網に蹴り込むことができるか。その数で勝敗を決めるのです。


実際にやってみましたが、いや、面白い。興奮しました。

もっともそれがしは、あまり鞠を奪うことはできませなんだが。ここにいる三人の中では、兼続は、上手かったですな」


「なるほど、たしかに面白そうではないか」


「はい、考案した技競べは、それだけではございません。さきほどの技競べは、鞠を蹴る訳ですが、鞠というのは、思い切り投げてみる、というのがまた面白いのです。自分の狙った場所に、自分の投げた鞠が当たったら何とも爽快です。それで、こういう技競べを考えてみました。」


三成は、別の大きな紙を広げた。


「これは、鎧を身にまとったまま行います。やはり、十人程度ずつのふた組に別れ、鞠を奪い合うのは、同じですが、この技競べでは、手を使います。

さきほどご説明したのと同じような場所を用意して、奪った鞠を場所の外側に待機している者に向かって投げ、待機している者が、その場で、上手く受け止めたらよしとする。

 あるいは、鞠を持った者が、相手の組の邪魔をかき分けて、場所の外まで駆け抜けることができたら、よしとする。

 やはり、制限時間の中で、上手く受けとめた回数、駆け抜けた回数が多いほうを勝ちとする。

鞠を持っていないほうの組の者は、鞠を奪いにいく、あるいは、上手く投げ、上手く受けることができないよう、鞠を持った者に駆け抜けられないよう、その者を、全身を使って倒しにいく。

 鎧を身にまとっているのですから、思い切りぶつかり、倒しにいってもいい訳です。この技競べも面白いですぞ」


「なるほど」


「さらには、こんな技競べも」


三成は、また別の紙を広げようとした。


兼続が声をかけた。

「三成殿、それはやめたほうがいい。三成殿は、色々と凝り過ぎる。その技競べは、決まりが複雑過ぎる。覚えきれん」


「そうですか。私はなかなか面白いと思ったのですが。鞠を思い切り打つというのは、爽快です。まあ、たしかに決まりが複雑ではありますね。」

と、真田信繁。


 その紙には、木の棒を持って構える男と、十間ほど離れた場所から、その男に向かって、鞠を投げようとする男が描かれていた。

お読みいただきありがとうございます。

ここ数日、この小説を書くことにかなりの時間と精力を使っており、疲れました。

この三連休は、この小説を離れて、少しゆっくりするか、と思ったのですが、どうにも気になり、また書いてしまいました。

11月21日と22日の二日間で、合わせて5000ちょっとのPV をいただきました。また、文章、ストーリーに、ともに5ポイント付けてくださった方。ブクマ登録していただいた方、誠にありがとうございます。歴史文芸ジャンルで、日間ランキング、最高で12位までいきました(今は、もっと下がっております)。

もう二度とこんなことはないだろうと思いますが、いい思い出になります。


さて、以前の後書きで、このサイトに投稿している私の他の小説のことを書きました。

こちらにアクセスしていただいている方の10人に一人でも、いや、100人に一人でも、のぞいてみていただけたら、という気持ちがあったのですが、ダメでしたね。

やはり、この太閤秀吉も、戦国ものだから、一応読んでいただいている、ということなのでしょうか。であれば、この小説もかなり変な展開になってきておりますので、これからは、PV どんどん減っていくのでしょうね。すみません。私、合戦シーンを念入りに書くとかいうのは、面倒くさいのです。


こういうところで、別の小説のPR をするというのは、あまり、品のいい行為ではないな、と思うのですが、私の書いた小説でこれだけのアクセスをいただくことができるということは、もう二度とないであろうと思います。この機会を逃したら、という気持ちがあります。

小説、色々投稿しておりますが、シリーズにしているのは、架空歴史小説「ホアキン年代記」と、相撲小説「金の玉」のシリーズです。どちらも、完結済で、シリーズ全部合わせても、通常の単行本1冊分ほどの分量もないのでは、と思います。

 私にとっては、とても愛着がある小説で、私自身は、この太閤秀吉より、キャラクターも、台詞のやりとりも、ストーリーも面白いのにな、と思っております(私の感覚は、世間の多くのひとの感覚とは違うみたいだな、とは、色々と思い知らされてはおりますが)。


冒頭の部分だけでも読んでいただければ、と思います。それで、これは合わない、と思ったら、もちろん、それでおやめください。

お目汚しの、長い文章を書いてしまいました。お許しください。

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