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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

透明になる。

作者: 海野 音
掲載日:2018/10/31

もう朝も昼もない。

夜は漂流の意味をなし、日射は磔の罰と同等だ。

かけがえのないこの身守るためだ。

皮肉と嘲笑を、習いたての油絵のように塗り重ねる。

奇抜な風刺画の主人公。

それとも、斬新な不条理画の主人公。

実は、カレンダーの端に描かれた、ただの落書きにすぎない。

いつまでも体は疼き、常に膝をさすっている。

脛にできたトンネルで、鋼の蛇が通り抜けに失敗する。

これで、心の空洞は無意味になってしまった。

時を問わず、熱射に晒されて、油絵は劣化する。

格調高い瘡蓋にまみれて、僕は大通りに落下する。

浅はかな欲が、底なしの嫉妬を囃し立てる。

僕を見ろ。

大袈裟に足を引きずる僕を見ろ。

ちょうどいい角度で振り向く僕を見ろ。

笑うのか、怖がるのか、憐れむのか。

どれでもいい。

いつだって展覧会は開催されている。

僕にも気づかない君。未完成の大人だけの街。

見えない僕が息ずく街。



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