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パーティーを追放された俺(以下略

作者: ゆうさく

追放ものが流行っていると聞いて

「お前、もうクビ」


ダンジョンから戻ってきて、開口一番パーティーのリーダーに言われた。


「え?な、なんでですか?」


まぁ、とりあえず訳でも聞こうかと思い、俺は取り乱したフリをする。


「これ以上、うちのパーティーに足手まといを入れて戦闘することはできない」

「そうよ!そうよ!あなたみたいな足手まといがいるから、今日だって深く潜れなかかったのよ」


リーダーの取り巻きの女が口を挟んできた。


「今日は他のパーティーメンバーの怪我が原因だったじゃないですかっ!!!」


俺は自分のせいではないと必死に、訴えて見えるように言う。


「お前がちゃんとヘイトを集めていなかったことが原因だっ!!!

もうこれは、決定事項だ。さっさと出て行けっ!!!」


今まで淡々としていたリーダーが急に怒鳴った。

俺は肩を落としメンバー達に背を向けた。

後ろからは


「やっと、足手まといが〜〜〜〜」とかなとかメンバー同士の声が聞こえた。


メンバーから見えなくなったことを確認し、俺はいつもの俺に戻るのであった。


あのパーティーに思い入れがなかった訳ではないし、長年一緒に闘ってきた仲間だった、だから俺はメンバーに尽くした。

メンバーの身の回りの世話や、ダンジョンに潜る前の準備など全て俺がやってきたわけだし、前衛職のくせに汚れるのが嫌だなんだのとリーダーが言うもんだから、ヘイト稼ぎなど俺がやってきた。

メンバーのMPが切れそうな時は、ポーションを投げてやったし、荷物持ちだってやってやった。

リーダーに関しては、ラストヒットだけ持っていき自分が一撃で倒したと言い出すしまつ。

もちろん、メンバーからの感謝など一度もうけたことはなかったのだが、、、

その結果これだ、最近やけにメンバーの態度が冷たいと思ってたら、切ると決めていたからだろう。

俺は今後の身の振り方を考えながら、宿を探すのであった。


ーーーーーー3日後ーーーーーーー


「なんだ、あいつはまだ帰ってきてないのか。」


「あんな足手まといのことはどうでもいいでしょ。」


「まぁ、それもそうだな」


そんな、ことを言っていた数時間前までの自分を馬鹿馬鹿しく思うほどに、リーダーは焦っていた、なぜなら、階層を進むスピードが明らかに落ちているからだ。

あの目障りな足手まといを切って清々しい気持ちで、ダンジョンに入ったまでは良かった。

しかし、蓋を開けてみれば


「ちょっと!!!リーダーちゃんとヘイトとってよ!!!こっちに来てるんだけど!!!」


「だれか、MPポーションを持ってませんか?もう、魔法がキツイんですけど」


今までと何が違うのかと、思い返していくとあの目障りな足手まといと切った男の顔がチラつく。


「くそっっ!!!」


もう悪態を吐くしかなかった。


その日、王都で最強と謳われたパーティーの帰還は早かったという。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あの後俺のやりたいことを考えた。

すると、一つだけやりたいことが見つかった。


「世界の色んなところを、見て回りたいな」


思い立ったが吉日、俺は翌日に王都を出ることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ある日を境に世界の各地に伝説や逸話が生まれるようになった。


ある村で暴れていた神龍を一撃で沈めた旅人の話、ある町に蔓延していた疫病の原因を突き止め何万人もの命を救った旅人の話、人間と亜人の間で戦争が起きそうになった時その圧倒的力でその場を納めた旅人の話など、その伝説の旅人が全て同じ旅人であるというのもその一つだ。


そのような偉業を成し遂げても尚、男は見返りも求めず、名も名乗らずに去って行ったという。


その話は、世界中に響き渡り人々はその名もない旅人を勇者と呼ぶようになった。


男は今も、世界を見て回るために旅を続けるのであった。


最後まで、この拙い文章をお読みになってくださった方々に心より感謝の意を申し上げます。


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