けものフレンズが放つ光 そして影
すごーい!
たーのしー!
どうも。今日も今日とてエッセイを書くよ。
エッセイを書くって、たーのしー!
フェフオウフコポォと申します。
はじめに、私が記す内容に関しましては、あくまでもエッセイです。
個人の主観で感じるまま書き綴ったモノであり、純粋に『私はこう思った』というモノでしかありません。
内容によっては、言っても仕方がないことを、ただただ述べる愚痴な事もままありますので、その旨ご了承をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
では、本題に入りたいと思います。
今日のテーマは
『けものフレンズが放つ光。そして影。』
すごーい!
流行に乗っているだけなのに、それっぽい言葉を後に続けるだけで、なんだかとてもソレっぽく見えるよ! たーのしー!
まずテーマを語る前に、当エッセイに目を通して頂けている皆様は『けものフレンズ』というアニメ作品を御存じでしょうか?
むしろタイトルを知っているからこそ、惹かれてエッセイを読んでいるという方も多いかもしれません。
念の為、まだご存じない方の為に少し該当アニメ作品について記して行きたいと思います。
最近、youtube などの動画配信サイトのコメントで、
“すごーい!”
“たーのしー!”
“君は○○が得意なフレンズなんだね!”
という単語を目にした覚えはございませんでしょうか?
この単語のネタとなっているのが『けものフレンズ』というアニメ作品です。
かくいう私も視聴者の一人であり、毎週楽しく拝見し『けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック』の予約が困難な状況に、
はやく……はやく予約受付してクレメンス……
と、涙を呑んでおります。
別に私は気にいったアニメがあったからといって購入するタイプの人間ではありません。
どうせブルーレイディスクを手に入れても流行から離れた後は再生する事は少なくなるのではないかと既に思っています。
では、いずれ見なくなるであろうに、なぜわざわざ購入しようとしているか。
それは、この作品に対して売り上げに貢献したという事実が欲しいからなのです。
『けものフレンズ』が売れた!
『けものフレンズ』という作品が喜ばれた!
この事実を、数字という証拠で残したいという気持ちが筆者の胸に不思議と生まれているのです。
さて、筆者がここまで思ってしまう『けものフレンズ』という作品。
ご存じない方の為に、この作品がどういう作品なのかを一言で表すとするなれば
『よくわからない』
なぜここまでウケたのか。
なぜここまで流行しているのか。
なぜここまで続きが気になるのか。
なぜ何度も見たくなるのか。
その全てが『よくわからない』のです。
それらしい理由を並べる事は可能です。
ですが、それを読んでも必ず自分自身『いや……そうは言っても……』と別の理由が浮かぶでしょう。
それほどまでに『よくわからない』
そして、それがまた一つの魅力となっているのです。
このアニメ作品は対象年齢が8歳以下と言われており、そんなアニメに、いい大人が飛びついて夢中になっているのです。
参考までに私が飛びつくまでの流れを、現在10話まで進んでいるのですが心情を一言記しながら追いかけますと
1話視聴 なんやコレ……
↓
2話視聴 なんで気になるんや……た、たのしー
↓
3話視聴 たーのしー!
↓
4話視聴 たーのしー!
↓
5話視聴 たーのしー!
↓
6話視聴 たーのしー!
↓
7話視聴 たーのしー!
↓
8話視聴 た……の?
↓
9話視聴 たーのしー!
↓
10話視聴 たーのしー! (´;ω;`)ブワッ
わーい!
すっごーい!
わかりやすーい!
こんな感じのアニメだよ!
沢山のたーのしー動物のキャラクターが出てきて、みんなでたーのしー!ってするんだ!
なんだか優しくて、とっても温かいんだよ。
セルリアンっていう危ないのも出てくるんだけど、かばんちゃんが賢くてすっごいから、みんなで一緒に頑張るんだ!
…………
思い返すだけで、書く思考と書き方にも大きな影響が出てしまうけれど、このようなアニメ作品です。
作品の傾向として、よく言われている言葉は
『IQが下がるアニメ』
よくできた言葉だと思います。
聞いた瞬間に『まさに!』と感じるのだから、このキャッチを生み出した人物は天才に間違いありません。
また『IQが下がる』と言っても、困ったことにその感覚自体が、とても心地よいのです。
だから自ら好んで下げて行きたくなるのだから本当にすごい。
IQが下がる大きな要因としては幼児向けの作り。
『けものフレンズ』というアニメが8歳以下でも安心して見る事ができるよう配慮されており、キャラクターの掛け合いであったり、肉食獣等の動物が出ていても『肉』という争い等の血なまぐささを感じさせないように作られ、平和な世界であることが大きいと思います。
そんな作品面白いの?
となるでしょう。
当然の反応です。
では、けものフレンズが幼児向けと違う点を挙げていきたいと思います。
まず登場する動物キャラクターはフレンズ化という形でヒト化し、皆が共通したおまんじゅうを食べて仲良く暮らしているのですが、完全にヒト化したかというとそうではなく、ヒト化する前の恰好なり動物の習性なりを色濃く残し、そしてそれもきちんと表現されています。
この表現の動物の印象の残し具合が驚きなのです。
幼児向けにありそうな『肉食だから走るの早い』『鳥だから飛ぶ』程度の残り方ではなく、このキャラクターはサーバルキャットがフレンズ化したから、耳も超音波を捉える形で的確に位置把握するし鼻もいい。ジャンプが得意だし、捕まえようとする時は走って捕まえると失敗しやすく、ジャンプするのが一番成功率が高い。好奇心も旺盛だけど結構凛々しい面もある。
このキャラクターはトキだから鳥の中でも超音痴。絶滅種になってしまっているから目の色に特徴を持たせよう。といった具合に、きちんとその動物について調べないと表現出来ない箇所を細かく表現しているのです。
そんなキャラクターが毎回沢山出てくる。
さらに『ちゃんと調べましたよ』というアナウンスの為か、アニメの合間に動物園などの取材音声も流され、見ている私達は、その瞬間に『はえ~』とIQが増幅され、1話の中でIQが大きく動くのを感じずにはいられません。
そんな知的な面を残しながら、幼児向けのような仲良しごっこが繰り広げられます。
ですがその仲良しごっこにも危険な存在あったり、様々な謎があったりと、考えてみたくなる点が多く散りばめられ、それを考察したい欲求が生まれやすくできている。
純粋にキャラクターの掛け合いを見て、ドキドキハラハラ たーのしー! するも良し、動物の痕跡を感じ取って「はえ~」 するも良し、散りばめられた謎を考察するもよし。単純にサーバルちゃんかーわいー! するも良し。
あらゆる方面の満足感を満たすように作られているアニメ作品なのでございます。
さて、ここまで書いてようやく本題に入りたいと思いますが、既に絶賛の気配が見えてしまっており、
『ステマ乙! 勝手に踊ってろ。プークスクス』
という言葉も飛んでくるでしょう。
その誹りも仕方ないかもしれない。
それくらいに私は『けものフレンズ』に乗せられ踊ってしまっている。
だが、一つだけ言わせてもらうなれば、私は『ステマ』こと『ステルスマーケティング』が嫌いだ。
いや……正しく言うなれば『ステマに乗せられるのが嫌いだ』
なぜなら、
踊るのは好きでも、踊らされるのは嫌い。
誰かに操作されるのは気持ち悪いのだ。
最初からステマと分かっていて踊りに行くのは一興である。
だが、知らずに乗せられて後からステマとわかってしまうのは心の底から最低な気分になってしまう。
騙すのなら最後まで騙すものであって欲しい。
本題に入ると言って早速ずれているのは、題材が題材なので、どうか大きな心で許してほしい。
これ以上の脱線は、さすがに筆者的にも『イカンだろう』という焦りを感じているので、さっさと本題に入る事とします。
『けものフレンズが放つ光。そして影。』
光あるところ影がある。
光に照らされる事により影が生まれるのか、はたまた光によって元々あった影が見えるようになるのか。禅問答の様相を醸し出しそうな言葉になってしまいましたが、『けものフレンズ』というアニメ作品の流行により、見えてきた物があると思いました。
光。
『けものフレンズ』が『光』たる所以は、登場するキャラクターのセリフにしても
「すごい」
「楽しい」
「得意なんだね」
全てが肯定の言葉。
褒め、称え、そして認める。
優しく温かい世界であることが言えます。
やり取りの中で否定などのマイナスの言葉が出てこないというだけですが、それだけで見ている側にはとても安心感があります。
後半に『諌める』までいかない若干マイナス要素を含んだセリフが出ることがあるのですが、そのセリフを聞いた瞬間に「えっ!?」と驚いてしまう程、マイナス要素が出てきません。
もちろんその言葉も普段の生活に置いてマイナスと感じない言葉なのですが、あまりにプラスの言葉が多い世界の為、それだけで衝撃になり印象に残ります。
ちなみにどんな言葉かといえば
『ひどいよ!』
です。
見ている事で、優しく。そして温かい気持ちしてくれる世界であることから、光であると考えております。
では、その光によって生まれる影とは一体なにか。
それは、説明の際にも記しましたが、
『IQが下がる』
という感覚。
「すごーい!」
「たーのしー!」
と言いたくなる。
この感覚はIQが下がるとも言えますし、幼児化とも言えます。
この作品を見ることで視聴者は現在の自分よりも幼い時期の発達段階に戻る『創造的退行』を行うのです。
つまり視聴する事により原始的防衛機制が働く、もしくは誘発される。
また、逆に謎の部分を考察する行動をとっても、その行動を『知性化』と考えると、無意識での防衛機制が働いたと考えられるのではないでしょうか。
『けものフレンズ』という作品を見た多くの人は、どちらかの行動をとるように思われます。
私なんかは、初回に『創造的退行』2回目に『知性化』をして、さらに3回目でもう一度『創造的退行』を行います。
ということは、この『けものフレンズ』という作品は、見ることで精神の安らぎを覚えやすくしてくれると言えるのではないでしょうか。
つまり、私のいわんとする『影』は、流行になる程の多くの人が防衛機制を取っているという事実。
ただ楽しいからという人もいるでしょうが、流行すればするほど、その流行に乗っている人達の多くが無意識化でのストレスに晒されているという現実が見えてくるという事。精神に安らぎを求める人が沢山いるという事実が見えてくる。
かく言う私もその一人なのでしょう。
精神防御を行うストレス源も多く心当たりがあります。
……ですが思うのです。
人は現代社会で生きていく限りストレスは切り離せません。
ノンストレスで生きていく事など不可能です。
そんな中、そのストレスを発散させてくれている存在。
それこそが『けものフレンズ』なのだと。
ストレスに思い悩み、大きくなる影に支配されそうな人がいたら、そんな人にこそ光を見て欲しい。
今、影だけを見ているあなたが少しの勇気を出して振り返れば、そこには必ず光がある。
たーのしー! 事。
うーれしー! 事。
そんな事がたくさんある。
とても優しい世界が広がっている。
眩しくて一歩を踏み出す事ができずに立ちすくんだとしても。
思い切って
たーのしー!
と口を開けば、
きっと、フレンズが笑顔で背中を押してくれる。
私はそう信じたい。
だから、今日も笑顔で口を開く。
たーのしー!