いつかどこかで歌った歌
「まーなーちゃん、 あーそーぼ」
バシャッ
愛の頭上からバケツ一杯の水が滴り落ちていく。
愛の服はびしょびしょだ。
それでも、誰も愛に救いの手を差し出さなかった。
勿論、 私も。
ただ、見ていた。いや、見て見ぬフリをしたんだ。
だって、
いじめられたくなかったから。
机に落書き、物が盗まれ、壊される、
暴力、悪口…
愛は全部、1人で戦っていた。
結構、物事をスパッと言う子だったから、
「そんなことして、楽しいの?」
「やめて!」
とか、色々言っていた。
強い瞳で…
やっぱり、強いなって思った。
でも、今思うことがある愛はヒーローじゃない。
1人の女の子だった。
愛が死んだ日も、いつものようにいじめられていた。
それでも、愛は立ち向かっていた。
あれ? あれれ?
その日、 私は
何をしていた?
何を?
そうだ、夕方 いつものように愛に会おうと
いつもの公園で待っていた。
でも、愛は来なかった。
いや、何かが違う。
私は愛に言いたいことがあった。
なんだったっけ?
「………はら、さん! 篠原さん!」
はっ
「あ、は、はい」
ちょっと意識が、飛んでいたのかもしれない。
「ありがとう、 正直に話してくれて。
すごい嬉しかったわ。 もう教室に戻ってもいいわよ」
「はい」
教室…。
きっとすぐ、私が正直に話したことは広まるだろう。
そしたら、 私はいじめられる。
「♪♪♪」
そうだ、ケータイをポケットに入れたままだった。
先生の前で鳴らなくて、 よかった。
ケータイを開くと、佳寿君からのメールだった。
遥へ
今日の放課後、爾志公園に来てね!
爾志公園…。
よく、愛と佳寿君と遊んでいた公園で、
愛がいじめられてからも、そこで会っていた。
私は愛との思い出をうっすらと思い出しながら、教室へと 歩いていった。
爾志公園 (にしこうえん)
遥と愛と佳寿がよく遊んでいた所
いじめって、嫌ですね




