遅すぎたあの瞬間を奪取する
透明なロバが僕を飲めなきゃ罰ゲームだ。
あなたは私に囁く。
今度こそはゲームに勝つと
次はあなたが負ける番だと
なのになのに
今日はいい日だったとあなたが言うから
私はまた負ける
夕暮れ指すあなたに夕暮れ時が止まって欲しい
あと少し、あと少し
時間が止まれば
夢が叶えば
この手が届けば
透明なロバが僕らを連れてどこかに行ってしまう。
私を置き去りにして。
閉じる瞼を止めて欲しい
縋る口を閉ざして欲しい
翳すこの手を切り裂いてほしい
もう何も見たくない
もう手を離さない
もはや何も手遅れ
回れ回れ回れ
透明なロバが青い景色を飲み込む前に
青い欠片を手にしよう