ポコと放課後と奴隷ちゃん
初注意:奴隷は最高です
第九のチャイムが鳴り、学校の終りを告げる
「あー…終わったわ〜」
フタバが大きく伸びをしている
僕はさっさと鞄に荷物を詰め込み…さて…誰を誘おうかな
1、フタバにいじめられながら帰る
2、サユに殺されそうになりながら帰る
3、マコトと寄り道しながら帰る
…マコトと帰るかな
「マコト君〜一緒に帰らない?」
僕は藁人形にチェーンをつけているマコトをさそう
マコトはにやりと(こう言う笑い方しか出来ない)笑うと快く承諾してくれた
「いいね、久しぶりに帰ろうか。ポコ」
帰り道ゲーセンによったり駄菓子屋でお菓子食べたりしながら帰った
すっかり遅くなり、マコトとは十字路で別れた
「またね」
「また明日」
などと手を振って帰路に着く
ああ〜…平和っていいなぁ…
と、ほのぼのとしてたら家が見えてきた
そして門の前には今朝の妖精の少女がいた
あ、妖精と言ってもエルフ耳に虫のような羽があるだけである
「…こんばんは…今朝はありがとうございました…」
よくよくみると本当に奴隷階級の少女だった
首には鈴のついた革の首輪があり、セーラー服とスカートはあちこちやぶれ、汚れていて
奴隷階級の決定的証拠である焼き印が太股にされていて
靴と靴下すら履いてなかった
「……あ…別にどうってことないよ…」
ワザワザお礼をいいにきた訳ではないだろう
恐らく、別の目的がある
「…残飯でも生ゴミでもいいので…何か食べられる物頂けないでしょうか…?」
ペタリと地面に正座し頭を下げる少女
「…お願いします…もう…もう一週間位何も食べてないんです…何でもしますから…お掃除でも…お洗濯でも…夜伽でも…だから…お願いします…」
少女のお腹はさっきからクゥークゥーとなっている
僕は口を開く
「本当に何でも言うこと聞いてくれるんだね?」
僕はそういうと少女は震えながらコくりと頷いた
「はい…何でも言うこと聞きます…だから…何か…食べられる物を…」
僕は少女の手を掴んで立たせ、家の中へ案内する
玄関で少女は
「お家が汚れてしまいますから…私はここで待っててもよいでしょうか…?」
と、大分オドオドしながら聞いてくる
「ダメです」
即答しましたとも、ええ…
そのままあがらせキッチンのテーブルに座らせようとしたが
「あ…そんな…テーブルになんて座れません…床でお願いします…」
と意地でも床から動かない為放っておいて僕は料理を作り始める
少女はゴクリと喉を鳴らした
あ…料理を作ってる…あれの材料の切端をくれるのかな?
それとも食べきれない量を作って食べ残しをくれるのかな?
優しい人だな…そんな豪華な物をくれるなんて…
と、考えていたが、彼はそんなことは全く考えてなかった
私は目の前に出された物に目を見開いた
「はい、ご飯」
と僕はハンバーグ定食を少女の前に置き、自分の分を持って少女の前に座る
「……どう…して?」
少女は信じられないと言うような目で僕を見ていた
「何かおかしいところがあった?………あ!ごめん…僕のが量多かったね。はい、交換」
さらに驚いた
自分のが量が多いからと交換さえした
「……食材の切端でも豪華なご飯なのに…食べ残しももらった事ないのに……何で…何で…」
そこで彼は少女の唇に人指し指を当てて
「お喋りは後、ご飯が冷めちゃうよ?食べよ」
彼はそう言って微笑んだ
二人でいただきますと言って料理に手をつける
ハンバーグを切り分け、口に運ぶ
おいしかった。すごく
少女はパクパクとご飯を食べる
少女はゆっくりとハンバーグと白米を食べている
気に入ってくれたみたいだね
ポコは満足だった
しばらくして少女が半分位ハンバーグを食べた時だった
ハンバーグの上に水滴が落ちた、僕は顔を上げた
「……うっ…ひっく…えっぐ…」
少女が泣いていた
箸を落としてオロオロする僕、しばらくしてから僕は言う
「ど…どうしてないてるの?ハンバーグ不味かった?」
少女は首を横に振った
そして僕は首を捻った
「こんなに…優しくされたのも…人間みたいな扱いされたのも…初めてで…嬉しくて…嬉しく…て…」
少女は必死に泣き声を押し殺して涙だけ流している
僕は優しく微笑み少女の頭を胸に抱えこむ
「…辛かったね?苦しかったね?痛い思いもしたし悔しい思いもしたね?……だからね、こんな時位さ…女の子になっていいんだよ?」
彼の言葉゛女の子になっていいんだよ?゛初めてだった
人間どころか女の子として扱ってくれた
彼の優しさに…甘えてしまった
「う……うああああああん!!」
その日、産まれて初めて声を上げて泣いた
「落ち着いた?」
ポコは少女が泣き止むのを待って腕を解き隣に座る
「…」
少女は無言でコクリと頷いた
ポコはそれを見て微笑むと質問をする
「君、名前は?」
少女は少し戸惑ってから口を開いた
「AR317…」
ポコはソレを聞いて少しむずかしい顔をする
「317…317…3…1…7…ミ…イチ…ナナ……ミ…イ…ナ……ミーナ!僕は君を今日からミーナと呼ぼう!」
てれれっれっれれれっれれ〜
ミーナが仲間になった!
とか聞こえてきそうだ
「ミーナ…ですか…ありがとう……あ、あの…あの…」
ミーナがモジモジしながら此方を見てくる
どうしたのだろうか?首を傾げてミーナを見る
「……ぼ、ボクとお友達になってもらえませんか?」
ミーナはモジモジしながらそう言った
僕は目を見開いて驚いた
「やっぱり…ダメですよね…ごめんなさ…」
「君ってボクっ娘だったんだね…あ、お友達?こちらこそ、だよ」
またもやミーナがポカンとした顔で見てくる
そりゃそうだ
急にボクっ娘とか言われても理解なんて出来ないだろう
「気にしないでこっちの話だからさ…それより、さっき何でも言うこと聞くって言ったよね?」
ポコはニヤリと笑う
ポコの邪悪そうな笑みにミーナは小さく震え、ゆっくり頷く
「今日は泊まっていきなよ」
ミーナは再びポカンとした、ご馳走になったばかりか寝床を用意してくれるって言うのだ
「…い、いいの?ボク…奴隷だよ?汚い奴隷なんだよ?」
ポコはポリポリと頭を描く
「だから僕も元奴隷だって、第一…君、野宿してるでしょ?女の子にそんな危険な事させません」
ミーナは驚いてすっとんきょうな声を上げた
「どどど…どうしてそれを!?」
ポコは耳を押さえながら某眠る迷探偵の声で語る
「それは簡単な事ですよ…朝、貴方が絡まれていた時、貴方の髪に青草がついていた」
暫しの沈黙両者とも
「…」と言う感じ
「…それだけですか?」
「それだけだよ」
…別に青草位なんだと言うのだろう、ボクの髪は長いんだからたまにはそんなのもつく
「……じゃあ…お言葉に甘えて…」
でも…ボクだって…ボクだって男の子に甘えてもいいよね?
続く
この話がゲーム化(絶対ないけど)されたときの為にステータスを…
名:ポコ(本名不明)
歳:17歳
T/W:147 32
ステータス:筋力B 魔力SSS 知識SS 抗魔力S 潜在能力?
得意属性:全て
備考:8賢者の一人、8賢者の中で最も魔力が多く、戦闘能力が高い
全ての属性を扱え、時すら従える程の大魔導士
5年前の魔王大戦で世界を救った一人
自分の時すら操るため、実際の年齢は不明