ポコと学校の休み時間
初注意:登場人物達は滅多に死にません
昨日は酷い目にあった
帰り道の途中フタバとサユに、
「どっちがいいの?」
と言われたからだ
どっちがいいのって…主語を言わないでそれはないだろうと思い
「何が?」
と聞いたらボコボコにされた
一体何が気に入らなかったんだろう…
「僕なにか間違ってたかな…」
トボトボと学校への道のりを歩く、どうせフタバは遅刻であろうな
などと考えながらゆっくり歩いていたら、鈍い音が耳に入った
「この奴隷階級が!何堂々と道を歩いてやがる!」
道の真ん中で三人の男が一人の少女を殴っていた
「痛い…や…やめてください…」
奴隷の女の子は抵抗せずに殴られているだけだった
男達はただ、誰かを殴りたかっただけのようだ
「テメエは醜いから人前にでるんじゃねえよ…おら!」
腹を蹴りあげられ蹲る少女
何も出来ない僕
「お…お願いします…やめて…」
必死に懇願する少女
何も出来ない僕
「うるせぇ!そうだ…やめて欲しいなら…脱げよ」
男達の目がギラリと光る、少女は脅え後退る
何も出来ない僕
「観念しなあ!!」
少女に馬乗りになる男A
何も出来ない僕
「ブベラ!?」
吹っ飛ぶ男A
つい殴ってしまった僕
「オウオウオウ!テメエ…奴隷階級を助けるのか!?法律違反だぞ!?」
「あ…そんな法律ないけど…」
「ウゼェ!何法律とかで逃げようとしてんだチビ!」
そりゃないっしょ…
僕はガックリとうなだれうめく
「何よそ見してんだ!」
イテ!殴られた…
僕は二三度、鑪を踏んだが直ぐに持ち直す
「あの…暴力はいけませ
「テメエが殴りかかってきたんだろうが!」……ごもっともです。ごめんなさい」
僕がペコリと頭を下げると男達は更にいきりたつ
「ごめんですんだら牛丼屋いらねぇんじゃボケ!」
また殴られた
ちなみに少女はさっさと逃げてしまった
酷いよ
「えっと…それは…」
「飯おごりやがれこのクソガキ!」
えぇ〜何でだろう…一体どんな流れで…
「いやです」
あ、また殴られた…そろそろマジで痛い
「このクソガキもう許さねぇ!!」
勝手にヒートアップしてます
はい
「………ポコ…何してる…?」
サユさんがセーラー服で男達の後ろから僕に声をかけてきた
「あ、サユちゃん、おはよ〜」
僕がサユに手を振ると男達は顔を引きつらせた
「……ポコ…殺していい?」
朝っぱらからとんでもない事いいますね
この人は
「ダメです」
もちろん即答しましたとも、ええ
「………じゃあ……コレ…」
サユさんが目を反らしながら布に包まれた箱を渡してしました
心なしか顔が赤い気がします
「何です?コレ」
「……」
答えてくれないよ〜
「あの…サユちゃん?」
「…お…お弁当…」
あ、なんだろう、すっげーかわいい
サユちゃんがモジモジしてるよ
「ありがとう、サユちゃん」
僕がにっこり微笑むとサユは走って行ってしまった
ちなみに男達は死なない程度にサユに射殺(?)されていた
ほんでもって学校
チャイムがなり響く
あ、説明が遅れましたね
ここは聖ボンガリアル学園、世界でも指折りの魔法学園です
学科は召喚科、精霊科、神聖科とあります
ちなみに僕は全ての学科をとってます
フタバは召喚科でサユは精霊科です
ちなみにフタバは今日も遅刻です
廊下で先生と互角に戦いあっています、フタバはよく遅刻するけど…召喚科で二番目の成績なんだよね
「大変だよな…先生も…ポコも…」
で僕の隣でわら人形を作ってるのは
天道誠、僕の数少ない友人の一人
「まこと君、それが聞こえてたら命は……死んでるし…」
廊下から飛んできた短剣に胸を刺されお亡くなりになっていた
「アーメン」
僕は黙祷を捧げた
彼の事だし、すぐ生き返るだろう
何せ彼も賢者と呼ばれる魔法使いなのだから
「ハー…ハー…ポコ…」
フタバが息を切らして教室に入ってきた
「お疲れ様、フタちゃん」
僕は鞄からスポーツ飲料を出してフタバに渡す
「ありがと……んぐんぐ」
机に突っ伏して器用にジュースをのんでいた
僕は腰や肩をマッサージする
昔からフタバのマッサージをしているが
最近のフタバの発育はいいと思う
「フタちゃん、だんだん女の子の体になって来たな〜」
とポツリと呟いたらフタバがむせていた
どうしたのだろうか?顔を真っ赤にして唇をパクパクとあけしめしてる
クラスの人々がヒソヒソと囁きあっている
なんだか
「そういう関係なのね」とか聞こえる
「ポ…」
フタバが何かを言いたそうにしている
「どうしたの?フタちゃ…ぶべら!?」
「ポコのバカ!!ヘンターイ!」
僕は殴られ宙を舞い、黒板に突き刺さった
イタイヨー…
てかなんで僕は死なないのだろうか?
……打たれ強くなって来ているみたいだ
「終りよ!ポコ!」
フタバはいつの間にか魔法陣を書いていた
魔法陣からは無数の剣と槍が浮いて僕を狙っていた
あれはフタバが使える中で一番強い物質召喚魔法【エンドレス・ブレイドサークル】である
名前の通り、フタバの魔力が尽きるまで剣が弾丸のように飛んで来る
「やば…」
急いで埋まった右手を出す
「死になよ!」
剣が飛んで来る
詠唱を破棄し、魔力を籠める
「【ゴルゴタ】!」
ポコの前に髑髏が現れ、全ての剣を食い付くす
コレは禁呪の一つだが…まあ仕方ない
「……」
フタバはフルフル震えて此方をにらんでいる
「よいっしょ」
体を黒板から引き抜き、フタバの目の前に歩いて行く
フタバの顔は真っ赤だ
「フタちゃん、僕なんかした?」
思いきり叩かれました
歯が折れました、フタバがもの凄く怒っている
「あんたにはデリカシーって物がないの!?」
ちょっとヒステリー入ってますな
うん
お願いだから剣を首に当てるのはやめてくれませんか?
「絶対やめない!」
人の心を読むのは良くないですよ
「うるさい!アンタを殺してアタシも死ぬ!」
どこのサスペンスだよ
これはコメディだよ?フタバ
「うるさいうるさいうるさーい!」
フタバは今にも僕の首を掻き切りそうです
ここは……
1、決死の覚悟でフタバと戦う
2、諦める
諦めよう…
あーあ…僕の人生短かったなあ…
などと考えていたら銃声が聞こえた
教室の入り口にはリボルバーを構えたサユがいた
「……騒ぎすぎ…」
リボルバーをホルダーにしまうサユからフタバに視線を写す
コイツは凄い、剣が根本からへし折れてるぜ!ベイベー
「フタちゃん……僕が悪い事したなら謝るからね?仲直りしようよ…ね?」
フタバはちょっと困った顔になってから胸ぐらから手を離してくれました
と、ここで二時間目の開始のチャイムがなった
つか休み時間長いな〜この学校…