戦えポコ!学園洗脳事件終幕【後編】
初注意:ちょっとボケ入ってます
「あの…ポコ先輩って…そんなに凄い人なんですか?」
ルネスには睨まれ、真にはため息をつかれた
「奴隷…貴様そんな事も知らんのか?ポコと言えば伝説の人物だ。魔王の腹心である四天王を全て倒し、魔王を封印するかわりに命を失うという……貴様らの英雄だ」
ルネスが長々と語ってくれた
「あ、ご苦労様です。ルネスさん」
と丁寧に頭を下げるミーナ、真は更にため息をついた
「ミーナ…ポコは8賢者にも入っている…時の禁忌を司る現人神として…世界の人はポコの名を知らない位だ」
「知らないんですか!?」
思わずつっこんでしまったミーナ、真はお手上げのポーズをしている
「ああ、ポコなんて名前があるか。アイツの本名は誰も知らない」
ミーナは更に首を傾げた
ポコが本名じゃないとしよう、なら何故…本名を名乗らないのか
「…考えてる事は分かるがポコに聞いても無駄だぞ。軽く流される位だ」
真は額に手をやり、ため息をついた
いちいちアクションが大きい気がします…
そうミーナは呟いた
「あ、でもポコ先輩自分は元奴隷って言ってましたよ?」
ミーナが思い出したように付け加えると真の目はカッと見開かれた
「なるほど…だから名前がないのか」
奴隷階級は基本的に名前をもたず番号が与えられる
そしてつけられる制限も存在する
靴や靴下の着用禁止、魔力削減機装着の義務化
および、人権剥奪などだ
ちなみにミーナは今は奴隷階級から昇格し、魔導三級市民となっている
理由はポコが
「…ミーナは幸せにならなきゃね?」
と国会議事堂を吹っ飛ばし、魔導軍隊を壊滅させ、あげくの果てには魔導天王(この国の大統領、めっさ強い)を半殺しにし、人質にして無理矢理変えさせたのだ
ニュースにもなった
「く…オレを無視して回想すんな!」
ルネスの剛腕が振るわれる
ミーナは地面を転がって避ける
そして立ち上がろうとして…尻餅をついてしまった
「あ…体が…動かない…」
足に全く力が入らない、それをみてルネスはほくそえむ
「フフ…貴様を倒して逃げればいいんだ…計画も大体は終わった!大丈夫だ!そうだ!そうしよう!」
ルネスは嬉しそうに叫ぶ
まるで自分自身に言い訳するかのように
「情けないですね…」
ミーナは冷たい目でルネスを見つめた
ルネスは剛腕を振り上げたまま固まっている
「恥ずかしくないんですか?男として…」
ミーナがそう言い放つとルネスはしゃがみこみ、地面にのの字を書き始めた
「だってさ〜オレ脇役だし〜前回だってポコに軽く叩きのめされたしさ〜…ついでに言うとまあ中ボスかな〜って何言わすんだ作者ぁ!!」
とルネスは急に立ち上がり天空に向かって叫ぶ
ミーナはゆっくり立ち上がり、ルネスの頭を撫でる
「よしよし…脇役の中ボスさん…良い子ですから皆さんに謝って帰りましょうね?」
まるで聖母マリアのような笑みを浮かべ、ルネスを諭す
「うん…皆さん、すいませんでした…ってこらぁ!!このクソ餓鬼ぃぃぃぃぃ!」
ルネスがミーナのウエストを握って持ち上げる
「散々バカにしやがってぇぇぇぇぇぇ!もう許さん!このままジワジワと握り潰してやるぅ!」
大声で叫び、手に力を込める
「不味い!!…グッ…」
真も何とか助けようとするが体が言うことを聞かない
もう魔力も体力も尽きたみたいだ
「くっ………ここまでですか…」
ミーナが諦めかけたその時、凛とした声が響いた
「そうはイカの墨スパゲッティよ!」
「…双葉、わけわからん」
双葉が空中から現れ、ミーナを掴んでいた腕を切り落とした
激痛でのけぞるルネスに追撃で茶癒がミサイルを叩き込む
「真打ち登場よ!…遅れてごめんね、ミーナ。ゆっくり休んでて」
ミサイルが着弾する寸前、双葉がミーナを抱えて飛び退いていた
真の横にミーナを下ろすと双葉は魔法陣を展開する
「我は古の盟約に従いし者…我は求める鋭き剣を…我は求める英雄の剣を…我は求める魔王の剣を!!繋がれ!異界の路!!【インフィニティ・バリアント・ブレイド】!!」
魔法陣が広がり、所々からあらゆる近接武器が現れる
双葉の制服が消えて行き、かわりに白銀の甲冑を身に纏っていた
甲冑は背中についている白銀の翼を広げた
双葉の体がフワリと浮く
双葉は軽く腕を振った
「グギャア!!」
すると驚愕していたルネスに無数の剣が突き刺さった
「貴様!この魔法は!」
ルネスは傷口を押さえながら叫ぶ
「そう…古代禁呪……勇者の魂を持つもののみが使える完全無欠の…剣の魔法!」
双葉はそういうと近くにあった両手持ちの剣を引き抜く
「そ、それは!」
ルネスは剣を見て脅える
双葉が引き抜いた剣、それはとある無敵の英雄が持っていた退魔の剣
「マス○ーソードよ!」
双葉が高々と掲げて叫ぶ
「…えくすかりば〜…だろ…双葉…」
茶癒がすかさずつっこむ
「どっちでもいいの!さあ…魔王のしもべよ……魂に帰れ!三柳流剣術奥技【桜吹雪】!」
剣の反射光がキラキラと舞い落ちる桜に見えた
(美しい…)
ルネスはそう思った
これがルネスの最後の意識だった
剣の桜吹雪か舞い落ちた後、ルネスの体はバラバラになり、魔力へと帰っていった