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Force side-2

「なぁ、ベリアルこいつらはなに低レベルな争いをしているんだ」

『何て言うか子供の喧嘩?』

「つーか、子供の喧嘩だな」

どうするんだ? 低次元な争いだよな。

 まぁ、武器で戦うよりかはましか?

『あぁ、暇だ! 暇だ!』

 こっちはご不満の様だな? ほんとに戦うのが好きだなこついは!

 まっ、戦うのは嫌いじゃないけどな。

 にしても、何かよくわかんねぇけど、あのエルフ、二人の口喧嘩を見てなんか複雑そうな顔をしてるな。

 俺からしてみれば、やかましいだけなんだが……まぁ、にしてもあいつもあんな楽しそうな顔するんだな。

 それにしてもなんだ? この地鳴りは?


『また、始まりましたね? レン』

「えぇ、またね」

 それにしても、懐かしいわね。このやり取りは……

「いつ以来かしらね」

『ウィルが教会を抜けたいですね』

 三年ぶりか。

この二人は、相変わらずと言うか、進歩がないと言うか――

 進歩無いがないなぁ。

 でも、ちょっと羨ましいな。ああ言うやり取りは……

 ある意味、ニアは0距離でウィルの懐に入ることができる。そういった意味であの二人の関係はちょっと羨ましくて、妬ましくて、同時に微笑ましく思える。それゆえに複雑なのよね。

 それにしても、この地響きはなによ。人が折角シリアス決めいるっていうのに……

って、えぇ!!


「『おい、ウィル!』」

「『ニア、ちょっと!』」

『マスター! ウィル!』

俺(私)が言い争っていると五人(?)が呼びかけた。

「「何! いま忙しんだけど!」」

俺(私)はニア(ウィル)と同時に声を荒げた。

「「『『『いや、壁が……』』』」」

「「壁? ……無くなっている!?」」

俺(私)はアレス(レン)が指した所の壁が無くなっており代わりに階段が現れていた。


「アレス、ベリアル! 奥に行くぞ!」

「『あぁ』」

ニア達の様子を見て教会もこの先は未発見みただな。

だったら、このままニアとやりあっているより、新たな部屋に行ってそこで隙を見て逃げた方が良いな。アレスと一緒に階段へ駆け足で向かって行った。


「ちょっと、待ちな……」

「待てと言われて、待つ奴が居るかっての!」

「「きゃっ!」」

私がウィルを呼び止めようとしたが、あいつは白い魔石を私達の足元に放り投げた、そのとたん強い光が放たれて私とレンの目を眩ませた。

「くっ。レン、大丈夫? 」

「まだちょっとチカチカするけど何とか」

私がゆっくり開けてレンに尋ねると、彼女は眼を擦りながら答えた。多分、人間より感覚働いている分レンの方がダメージは大きいんだろう。

『マスター逃げられましたね。どうします?』

「そんなの決まってるじゃない。追うわよ!」

『了解しました』

セラフィムに対して、私は何の躊躇いもなく答えて階段を下りて行った。

『レン、目はもう大丈夫ですか?』

「ええ、デュナメイス、大丈夫よ。私達も追いましょう」

私は一度レンの状態を確認するため後を振り返ると、目は回復していたのか私の後を追って階段を下り来ており、すでに追いつき始めていた。


「それにしても、あいつら一体誰なんだ?」

「あぁ、あの二人か。銀色の髪の方がニア・フレイス、俺の昔の同僚だ。もう片方のエメラルドの髪をしたエルフがレン・ツクヨ、ニアと同様に昔の同僚だ。もっとも、ニアはガキの頃からの知り合いだけど」

『つまるところ、セラフィムの持ち主とは幼馴染と言う奴か?』

「まぁ、そんなところだ。と言うか、お前もセラフィムとデュナメイスとは、知り合いなんだろ?」

『まぁな。大戦時に何度も戦った相手だ』

「そう言えば、前々から疑問にも思ってたが、教会って、確か第十二番隊まであったよな? やっぱ、全部遺跡の調査と発掘から大戦時の遺産の研究と管理までやるのか?」

「いや、全部の部隊がやる訳じゃないさ。それだと、各部隊への人員や予算の割り振りが大変だし効率があまり良くないからな。三つの部隊ごとに専門分野に分かれてる」

「へぇ、それっていったいどんな感じなんだ?」

「そうだな。第一部隊から第三部隊は、慈善活動や各地域への奉仕活動を、第四部隊から第六部隊は盗賊団のアジトや高レベルのモンスターとガーディアンの殲滅を、第七部隊から第九部隊は遺跡の発掘と調査に発掘、それと盗掘者への懲罰(ちょうばつ)と低レベルモンスターとガーディアンの殲滅を、第十部隊から第十二部隊が大戦時の遺産の研究と管理を専門に活動してる」

『聞いた感じだと、お前の居た第八部隊は、一番仕事の多い雑用部隊と言う事か?』

「まぁ、実質仕事量の多さから考えるとそうなるな。さらに言えば、教会の支部ごとに各部隊の小隊配置してある。部隊長と部隊に所属してない上部の連中はおまけに言えば政治にも関与できる」

 俺はアレスに対してAGの組織図について説明してやった。

「ちなみに今となっては騎士団より第四部隊から第六部隊の方が功績も活躍も上だ。だから、騎士団に入ると言うよりもAG入る奴といのは、一般から騎士の家系まで多くて、騎士団は縮小して没落する騎士の家系が多いらしいぜ」

「ぐっ! 悪かったな! どうせうちは没落したよ」

「まぁ、いいじゃないか。ベリアルだけは押収されなかったんだから」

「いや、まぁ、そうなんだが……」

 アレスは俺の言葉に微妙そうな顔を浮かべながらなんかぶつくさ言い始めた。

 確か聞いた話じゃ、財産も家も所有していた土地は全部押収されたんだっけ? ベリアルだけは、適合者だから押収されなかったんだよな。

 まっ、妥当と言えば妥当だよな。すでに適合者がいて、起動してる時点で教会にとって利益にはならないからな。

 そもそも適合者によって起動したイテンリジェント・アームズはその個人の所有物としていかなる団体・組織はそれを奪うことを禁ずるって決まっているしな。

 きっと、上層部の連中もベリアルの押収が目的で当時騎士団の中でも有力だったテネシー家を潰しんだろうな。そうっちまえば、管理・保管が目的の教会でも無理だしな。ざまぁ見やがれ!

 もっとも、普通にこいつが継いでいたとしても、家の金を食いつぶして、別のベクトルで没落させていた気がするけどな。

「つーか、あの二人が居るって何でわかったんだ?」

『俺もそれは疑問に思っていた』

「あぁ、あの二人が居るって言うのは完璧に俺の勘だが、教会の連中が居るのは直ぐにわかった。教会ならではのトラップの解除した跡があったしな」

「教会ならではのトラップの解除法?」

 俺の発言を聞いてアレスは奇怪そうに首をかしげる。

「あぁ、教会はトレジャーハンターと違ってこう言った場所の知識があるからな。かなり丁寧だし、失敗や雑に行った形式が殆どないんだよ」

俺達は会話をしながら、階段を降りて行った。まぁ、外部の人間に教会の詳しい事は言っちゃいけない事になってるけど、もうやめちまってるしいいか。

 俺の普段解除も教会のやり方そのまんまなんだよな。だから、わりと帰る時は他のトレジャーハンターと接触することはめったになんだよな。

 俺の思惑通りに教会の連中がいると勘違いして逃げだすんだよな。昔から、基本的にトレジャーハンターは教会とのトラブルを嫌うからな。


「というか、お前AGがいるって気がついてなら言えよ」

「あぁ、わりぃ、確証がなかったから言わなかったんだよ」

 俺は苦言を言うが全くこいつ悪びれる気がねぇ。

「にしても、お前あいつらと話している時、楽しそうだったな?」

「そうか? いつも通りだったろ?」

 気付いていないのか? 確実に俺と話して時には比べた時よりは確実に表情は、柔らかかったぞ。

 戦闘も、かなり手加減してぞ! 俺を殴る時や他の敵を斬るとはもっと容赦なかったのに確実に手は抜いていたぞ。

 だけど、そのわりにはなんか一線引いてたんだよな。何か巻き込みたくないって感じで?

「まぁ、もし、そうだったとしても、昔の同僚だし付き合いは、お前よりかは長かったしな。特にニアはな」

『それにそう言うのは、大概本人は自覚していないぞ』

 まぁ、言われてみればそうだな。

 にしても、付き合いの長さねぇ。それなら、俺も結構長いぞ! この仕事をはじめて三年位は経つしな。

 まっ、そんな二人にもAGを抜けた理由を語らないって事は俺が聞いたところで俺いてくれないだろうし、聞くだけやぼか。

 あっ、考えてみればケイトも付き合い長いか。

「にしても、お前さぁ、あれはないだろ?」

「あれ? あれって何のことだ?」

「さっき、ニアの……あいつのスカートの中身が見た時のことだよ」

 あぁ、あれの事かそんなに気にする事か?

 にして、なんでこいつ顔を赤らめて目をつむるってんだ?

「いや、だって普通は怒るぞ! あんな事と言ったら怒るぞ」

「そうか、別に裸か見られた訳じゃないんだから問題ないだろ?」

『だな。所詮、肌着と言え、服は服だろ? 何の問題がある?』

 だよな。特に問題ないだろ? パンツくらい?

 服の中にあると言え所詮は布だぞっ! 布! 見れた所で何が嬉しんだが?

「そもそも、俺達亜人種やドワーフや他の魔族は人間やエルフ系統の天族・魔族は同族としか交配はできないしな。だから、興奮する理由がないんだよ」

「いや、まぁ、そうだけど……もういいや」

 ウィルの奴は「はぁ」とため息をなんか諦めた感じだ。

 いや、だって、しょうがないだろ? こればっかりは理解できねぇもんはできないんだよ! 俺から、見れば人間もエルフの異性も魅力的に感じねぇんだよ。

 それにそれはお前達人間とエルフ族も同じだろうが……

 まっ、中にはそれでも構わない、それがいいって変わった奴がいたけどな。

 やっぱり俺には理解できない。


「さてと、下に着いたのはいいが、どうするか? これ」

「まぁ、倒すしかないだろう」

『なるほど。上の階の警備の薄さは、敵に機密性の薄い場所だと思いこませ、これを隠すためか』

階段を下りた俺達の目の前には研究所のような光景が広がっていた。遺跡を守護する機械兵が大絶賛で稼働中のようだ。うえとは打って変わっての警備の強固さから見て上の階層も含めて全部これを隠すためのカモフラージュだった様だ。

『侵入者ヲ発見……コレヨリ排除ヲ開始シマス』

鷲のような機械兵は俺達を認識すると仲間を呼びだし、攻撃を開始した。

「と言うか。向こうやる気満々だな」

「まぁ、機械だしプログラムには忠実なんだろ」

『ガイストとイグルか。相手にとって不足はないな』

俺とアレスが戦闘態勢に入ると、ベリアルは岩の巨人を模した人型のガーディアンをガイスト、鉄の翼を広げた(わし)型のガーディアンをイグルと呼んだ。

それらと戦えるのが嬉しいのか、ベリアルは楽しそうな声を出していた。

 ……まったく。単純な奴だよ、ホントに。

 まっ、その方が扱いやすくて助かるんだがな!


『それにしてもおしかったですね、マスター。まさかあと一歩のところで逃げ出されるとは』

「そうね。私とした事が、ウィルは魔法の代わりに魔石を使用してくる事を忘れるなんて。不覚だわ」

「確かにあたしも忘れてたわ。ウィルは、あたし達みたいに魔法は使えないけど、その対策として魔石を使う事を……」

『仕方ないですよ。彼が教会を抜けてから、わりと経ちますし』

私達が先程の戦いの反省をしているとデュナメイスがフォローを入れてくれた。

「そうね。次こそ頑張れば……って、何これ?」

「ガーディアンが全滅してる……」

私達が下の階に到着してみると、そこにはあちらこちらにガーディアン達が倒れ伏せていた。

『どうやら、ただ倒すだけではなく再利用な可能なパーツは僅かながら抜き取ってあるようですね』

『さすが。元教会所属ですね。こちらの許容範囲でとどめていますね』

「えぇ、おまけにパーツも転売可能な物だけを抜き取って不可能なパーツはそのままにしてある」

「転売許可パーツを私達の入隊後から一度も変更してないのが仇になったわね」

私達はガーディアンの残骸を眺めながら、ウィルの技術とここ数年の教会の怠慢さにあきれ果てていた。


 うーん、やっぱまだ目が少しチカチカするなぁ。

 でも、あの子には言わない方がいいわよね。絶対に心配するだろうしな。

「それにしても、見たこと無い機体ばかりだけど、デュナメイス、知ってる?」

『いえ、私は知りません? セラフィム、あなたは?』

 私はデュナメイスに尋ねるが、彼女(?)は、知らないみたいで、セラフィムに尋ねる。

『ガイスト、イグルです。どちらも大戦の一番末期に“ロンギス”で造られた機体です』

『成程、その時期は私の機能は停止状態ですね』

 あぁ、確かその時期だとデュナメイスは前の持ち主が戦死していたい時期だっけ?

 確かベリアルの前の適合者によって……

 でも、そうなるとこいつらは一番新しい型になるわね。

「当時の新型相手でもやっぱり、既存のパーツはしっかりっと見抜けているわよね」

「そこは、まぁ、やっぱり、元教会のメンバーと言ったところよね」

 これが普通のトレジャーハンターや盗賊なら、欲を出して転売不可のパーツにも手を出すんだけどな。

 まぁ、抜きとられないのはウィルが指示したのかはわかないけど、しっかりと考えてやったんだろうな。

 って、今は感心している場合じゃなかった。


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