間書《レンside》
それにしてもこの子は本当に暴走しやすいわね。
お嬢様育ちで世間知らずだけどそれを全くと言い程は何かけなし、正義感が強くて委員長気質だから、真面目でいい子だし、教会に入ってからないことパートナーやってるからそれはよくわかるし、自慢のパートナーと言ってもいい子なだけど……
この暴走しやすさと――
「そう言えばニアってウィルの事どう思っているの?」
「どうって、ただの幼馴染みよ」
「いや、そうじゃなてくって、あたしは異性として好きなのか嫌いなのか聞いているんだけど?」
「なっ、あっ、あいつはただの幼馴染よ! 好きとか嫌いとか関係ないわよ」
素直じゃないところが不満なのよね。
顔を真っ赤にして否定したところで好きだと言うのがまるわかりだし、なによりこうして追っているのがその証拠じゃない。
「そっ、そう言う、レンはどうなのよ? あいつの事をどう思っているのよ」
「あたしは好きよ。彼の事。友達とかじゃなくて一人の異性のして。前にも言ったでしょ!」
「そっ、そう」
笑顔で答えるとニアは一瞬動揺した顔をしてそっぽを向いた。
あぁ、ちょっと意地悪しすぎたかな。
でも、あたしとしては素直になってもらわないと困るんだけどなぁ。そうしないと、張りが合いでないし、今のままで成就してもなんか抜け駆けしたみたいで気分が悪しね。
『いいのですか? あんな自覚かせるような事言って?』
デュナメイスはあたしとニアの会話を聞いて来て彼女に聞こえないように尋ねてきた。
「うん、まぁ、親友だしね。何事もできれば対等で行きたいなって」
『はぁ、甘いですよ。レン、色恋沙汰は先手必勝で、恋愛と友情は別ですよ』
あたしの答えにデュナメイスは呆れながら、らしくない事を喋った。
「わかってるわよ。それにしても珍しわね。デュナメイスがそんな事言うなんて」
『そうですか? だとしても彼女もどうにかしないといけませんけど、彼もどう何かしないといけませんよ』
「ウィルを? 確かに射とめるためには、まずは捕まえて教会を抜け出した理由を聞かないとね」
そうしないとニアがウィルへの思いを自覚しても、当の本人が近場に居ないとどうしようもないもんね。
『確かにそこも重要ですが、彼あまり女性に耐性ありませんよ』
はい!? 今、何て言った?
「えっと、嘘よね?」
『嘘じゃ、ありませんよ。と言うかやっぱり気付いていませんでしたか』
あたしの反応にデュナメイスは少しばかり呆れた感じだ。
「いや、だって今までそんな素振りは一度だって見せたことはないじゃない!」
「ちょっ! 何? レン、いきなり大きな声を出して!?」
「あっ、こっちの話だから気にしないで」
ニアは目を丸くしてこちら見てきたけどあたしは慌てて誤魔化した。
それを見たニアは少々怪しみながらも「そう。なら、いいけど」と言って入口へと視線をやる。
あっ、危なかった。
『いいのですか? 彼女に教えなくて? 恋は正々堂々と行きたのはではないのですか?』
「いや、まぁ、そうだけど。本人が素直にならない限り意味ないでしょ。それより、ウィルが女性にあまり耐性がないってどういう意味よ?」
あたしはニアには聞こえないように小さな声で尋ねる。
『それですか? 彼は貴女達と模擬戦の時に速攻で終わるようにしてましたよね?』
まぁ、確かに長期戦にならないようにいつも気を付けて速攻でかずくようにはしてたわね。
「でも、それがなに関係あるの?」
『そうでもしないとつい意識してしまって闘いに集中しにくいそうですよ』
「そうなんだ。ってか、そんな情報を誰から聞いたの?」
『本人からです。以前貴女達が模擬戦で倒されて気絶している時にですよ』
駄目だ! 覚えがあり過ぎて全然しぼれない。
「そして、なにを意識しちゃうのよ?」
『胸とか太股とか人間の男性が同じ姿をした女性に興奮する部位じゃないですか?』
デュナメイスは何の恥ずかしさも無しに平然と事と答えた。やっぱりこの辺が武器である彼女達との違いなんだろうな。
なんか、聞いたあたしが恥ずかしくなってきた。
「あれでもウィルと一緒にあの人と一緒に二人で暮らしなかったけ?」
『まぁ、家族ですし血縁だからカウントされてないんじゃないですか?』
確かにその通りよね。家族を異性と意識するとなるとそれは特殊な趣味の人だけよね。
ウィルがもしそだったらやっぱ、やだなぁ。
と言うか、うん! そう言ったことは考えないでおこう!!
ってか、そんな事考えた事知ったら絶対に怒るだろうしね。