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第三話 突然の来客

ゆったり更新中。

陽一が寮に来てから一週間が経過した。


まだ招集をかけている生徒が集まらず、学校は未だ活動を始めていない。


事実上の夏季休暇である。

この人工大地の地理上の位置が赤道付近であることも一因であるのかもしれないが、何分外が暑い。


照りつける太陽と、アスファルトから上がってくる熱によって発生する陽炎。

これが、陽一たちの活動範囲を大幅に狭める結果となっているのである。

この炎天下の中外出することは死と同意であるが故に寮生活を始めている学生は冷房の効いた快適な空間に留まっている。



「暑い…」

幾度となく同じことを呟いている陽一がいるのは寮の外である。

「ちょっとぉハル?ちゃんと探してよ!」

それを見ながら指示をしているのは寮内の窓際にいるクリス。

「どうしてこうなっちまったんだ…」

陽一は空を仰いで呻いた。






話は数分ほど前に遡る。

その日陽一は自室にいた。

クリスが来室するのも日常茶飯事となっていたのでそのイベントを何時も通りにこなそうとしただけなのである。

しかし、陽一は捻りを加えた。

曰く、いつもと同じではつまらないだろう。と。

部屋に入ってくるクリスを驚かせようとしたのである。


その結果―――――――



「そっちじゃないって!もう少し右のほう」

「見つからねーよ!クリスも探しに来いよ」

「ハルのせいで今に至ってんじゃないのよ。どうして私が探さなければならないの?」


彼女は手に持っていたイヤリングを偶々開いていた窓から落としてしまったのである。

「イヤリングを手に持ってくるとか馬鹿か…?」

「言うに事欠いて人を馬鹿呼ばわりするとはいい度胸じゃない…」

クリスからの蚊を撃ち落せそうなくらいの鋭い視線を背中に受けた陽一は速やかに作業を再開した。






数分後…

「ごめん、あった」

見つかったのは部屋の中。

見つけたのはクリス。

窓の外に飛んでいったと勘違いしただけらしい。

「でもハルが人を驚かせようとするのが悪いのよ!」


陽一はもう何も言わない。

何を言っても火に油を注ぐだけであると判断したからである。

「大体ね、貴方って人は――――」



そんなに長いこと交流しているわけでもないのに何でそんな旧友が使うような言葉が出てくるんだ?とも思ったが言わぬが花と判断した。






来客があったのはその日の夜だった。

土地内滑走路の許可が出されているのは午後六時まで。

その轟音が辺りに響いたのは午後十一時。

陽一があてがわれている寮の部屋は滑走路が丸見えの見晴らしのいい場所だった。

それ故音の原因が飛行物体によるものだと判断できたのだが。


「一体何処のお嬢様だ?」


滑走路の使用時間が定められているのは周辺住民からの苦情に対しての判断である。

土地の特殊性故に周辺は南太平洋諸国との国境線が引かれている。

この土地自体は諸外国不干渉地域となっているため直接の影響はないが、そこに向かってくる航空機は例外である。

研究機関や軍事機関も詰めているため戦闘機が離着陸を行うことは日常の一風景である。


いくらこの状況において戦闘行為は起こらないとは思っていても諸国からすれば国の上空を他国の戦闘機が往来するのは精神的に認めがたいものがあるのだ。

特に夜間に至っては空爆の虞もないわけではない。

そういった政治的判断も兼ねた結果が夜間滑走路使用規制である。


滑走路から降りてきた人物はそのまま車に乗って寮のほうへ向かってくる。


「まあ特に気にすることもないだろーな。寝よ寝よ…」


陽一はそう言ってまどろみに包まれていった。






翌朝。


誰かに起こされたような気がして陽一は目を開けた。

ぼやけた視界に入ったのは黒髪の少女。

段々と焦点が合っていき――――


「早紀?」

「ええお兄様。お早うございます」


陽一の、妹だった。


かなり短めですね今回の話。

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