真夏のキミと花火を見たかった+ 清水静美編
あれから時は過ぎ
僕と清水さんはまた一緒のクラスになった。
「おはよう清水さん!」
「おはよう危川くん!」
付き合ってもうすぐ1年になる僕たち。
清水さんはもう完全に不登校ではなくなった。
「やっほー!危川!」
「よお田島!」
「おっ、相変わらずアツい2人ですな!」
「やめろよ田島!」
「そう、アツアツなのよね!」
「えっ!清水さんまで!」
「あははは!」
「あははは!」
「ねぇ危川くん、次の休み時間に話があるんだけど時間あるかな?」
「次の休み時間?いいよ暇だから!」
「ありがとう!」
「2人そろって話ってなんだよ!」
「田島には関係ないだろ!」
「ったく冷たいな危川は!」
…。
キーンコーンカーンコーン
「っで、話って何?」
「実はね、私、ファミレスでバイトしようと思うの。」
「ファミレスでバイト?!」
「そう、私さ、前よりはもう不登校じゃなくなったけど、どこかにまた内気な自分がいる気がするの。だからなんでも良いから外に出たい!だからコンビニでバイトしたいの!」
「なるほどね。」
「だから危川くん!私の彼氏なら、バイト練習に付き合ってよ!」
「もちろん!付き合うさ!バイト未経験の僕で良ければ!」
「ありがとう!」
「じゃあさっそくだが、明日の放課後、人がいない体育館裏に来てね!」
「体育館裏?なんでそんな場所に?」
「いいからいいから!とりあえず明日ね!」
「わかったよ!」
こうして清水さんと危川のバイト練習が始まった。
…。
「っで体育館裏に来たけど、ここで何をするの?」
「まず、接客の基本をやろうか!」
「接客の基本?」
「だから、いらっしゃいませとかさ」
「あー!なるほどね!」
「じゃあやってみようか。」
「い…いらっしゃいませ…」
「ダメダメ!そんなんじゃお客さん帰っちゃうよ!」
「いっ、いらっしゃいませ…」
「ダメダメ!もっと声出して!」
「いらっしゃいませ!!!!!!」
「そう!それ!その感じよ!」
「はぁ…意外と声使うのね。」
「使うさ!とにかく接客は元気よくね!」
「わかった!いらっしゃいませ!!!!」
「そう!そんな感じ!っで次は…」
こんな感じで危川と清水さんのバイト練習は続いた。
…。
そして迎えたバイト初日。
「今日は確か、清水さんバイト初日だったよな。ファミレスに行ってみるか。」
ウィーン。
「いらっしゃいませ!!!!!!!!!!」
「うわぁぁぁぁ!!!」
「あっ…ごめんなさい!」
「あはは、ちょっと元気が良すぎるよ!」
「ごめんね…バイト初日だから、はりきっちゃって。」
「あははは!大丈夫だよ!それで席は?」
「あ、お席ご案内します!」
…。
「うん、バイト初日にしては接客も商品提供もスムーズだな。このまま順調にいけば良いな。」
こうして清水さんのバイト初日に行った危川であった。
…。
それから数週間後。
「えっ!?ストーカー?!」
「そう!バイト終わりに後ついてきたり、バイト中必要以上に私を呼んだり、もう大変で…」
「そうか…親や警察には言ったのか?」
「それが、言う勇気がなくて…」
「なるほどな…」
「ねぇ、危川くん。今日バイト先来れる?」
「バイト先ってファミレス?」
「そう」
「暇だからいいけど」
「そっか、ちょっと私に考えがあるのよね。」
「なるほど、わかった!とりあえず行くよ!」
「ありがとう!」
…。
ウィーン
「いらっしゃい…あ!来てくれたわね!」
「うん、来たよ!」
「じゃあちょっと席に来て。」
「うん。」
「あそこの席にいるあのおじさん、あの人に迷惑かけられてんのよ。」
「そうだったんだね。」
「そう、だからね、やりたかったこと、やるわよ!」
「え?」
「唇貸して」
「えっ、?」
「いいから!早く!」
「う、うん!」
チュッ。
2人は熱いキスを交わした。
…。
翌日。
「はははは!見せつけてやったわ!あのおじさん、てっきり私に彼氏がいないと思ってたのよ!」
「そうだったんだ!」
「あのキスをした以来、あのおじさん来なくなったわ!きっと私に彼氏がいてショックだったのよ!」
「来なくなったならよかったよ。」
「うん!ありがとね!」
「っでさ、清水さん!今年も夏祭り行く?」
「あぁ…ごめんその日バイトなのよね…」
「あ、じゃあ無理か…」
「うん…ごめん!」
「わかった…」
…。
「はぁ…結局夏祭り当日、清水さんは来なかったな。バイトか、なら仕方ないか。あぁ…あと5分で花火が上がる…。去年は2人で花火見れて楽しかったな。今年は…」
「危川くーん!」
「え?」
「はぁはぁ…お待たせ!」
「清水さん?!あれ?バイトは?」
「店長に頼んで、早上がりにしてもらった!」
「そうなんだ!」
ヒューーーーーッ、パァァァァン!
「あっ、花火が」
「上がったー!」
パァァァァァン!ドーンドーン!!
「ねぇ危川くん。」
「なに?清水さん?」
「今年も一緒に見れたね、花火」
「あ、そうだね。」
「私、幸せよ。またこうして危川くんと花火が見れて。」
「僕も幸せだよ。清水さんと花火が見れて。」
「危川くん…」
「清水さん…」
チュッ。
「ずっと一緒にいようね!」
「もちろん!これから先私の恋は絶対に不登校にならないんだから!」
-END-




