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2-6

 ある程度お金が貯まったので、七星と装備や武器が置いてあるお店をまわることにした。

 七星も久しぶりの外出にご機嫌だ。

 今日はフードを取ることもあると思うので、七星に『変身薬』を一本格安で譲ってもらい、髪と瞳の色を変えている。


 まずは防具屋さん。

 ドキドキしながら足を踏み入れる。

 中はそこまで広くないが、トルソーみたいなモノに服が飾られていたり、ハンガーに掛けられてあったり、平置きしてあったりで、前の世界の洋服売場と比べ遜色ないようだ。だけど、ほとんどが大人の男性向きって感じ。


「おや、珍しい。可愛い女の子たちだね、いらっしゃい」


 男性の店員さんに声を掛けられた。


「すみません。防具を探しに来たのですが、私たちに合うようなのってありますか?」


 そう訪ねると男性は「ちょっと待っててな」と言って店の奥に向かって声をかけた。


「おーい、プレオネ!お客さんだよ」

「はーい」


 男性がもう一度「ちょっと待っててな」と言い残して去って行ったので大人しく待っていると、奥から女の人が出てきた。


「こんにちわ。まぁ、可愛い。あなた達のサイズはあまり需要がないから店には置いてないの。こっちに来てくれる?」


 プレオネさんと呼ばれた人はそう言ってにっこり笑うと、店の奥に案内してくれた。


「「はーい」」


 よい子風の返事をしてついていく。

 プレオネさんは元冒険者らしい。怪我をして引退はしたけど、現役の時に女性用の防具の数が少なくて苦労していた為、今はここに弟子入りして女性用の防具を作っているらしい。

 そんな話をしながら歩いていると色々なサイズや種類の女性用防具が置いてある部屋に案内された。

 こちとら1ヶ月ほど前まで日本人&先日まで貴族令嬢だったのだ。

 どんなものを選べば良いかなんて皆目見当がつかない。なのでプレオネさんに予算を言って基本的な装備を見繕ってもらうことにした。もちろんフード付きを頼むのも忘れない。

 四季も日本仕様でこれから暖かくなるので安めで済んだが、冬前に防寒着を追加で買った方がいいと教えてもらった。

 七星はもっといい装備を買えるだけの蓄えはあるものの、あまり冒険者をする予定もないし、こんなことで蓄えは使えないと私とあまり変わらない装備を買っていた。




「誰かと思ったらスピカか。一瞬誰か分からなかったぞ。そんな高い薬、よく手に入ったな」

「とあるルートから格安で入手出来たもので・・・」


 防具屋さんの次に行った武器屋さんでレグルスに会った。

 レグルスはここの職人さんに剣を預けていたそうでそれを取りに来たらしい。


「お、相棒も復活したのか。ナナセ、だったな」

「はい、お久しぶりです。その節はお世話になりました」


 七星が大人しい相棒モードを発動していると、レグルスが心配そうに言った。


「腹の具合はもういいのか?」

「はい?」


「ん?腹の具合が悪くてしばらく家で大人しくしていたんだろう?悪いモンでも食ったのか?気を付けろよ」


 そう言いながらレグルスが私を見るもんだから、七星にジト目で睨まれてしまった。

 あ~、私そんなことも言いましたね・・・。


 その後二人ともレグルスに剣を見繕ってもらってから別れた。

 朝と違って大変不機嫌なナナセさんには、大切に食べようと取っておいたギルマスにもらった高級菓子をシェアすることで無事に許してもらうことが出来たのであった。



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 リスト『異世界でやってみたい50のこと』

 

 達成可能(2)

 ★治癒魔法は絶対に使いたい

 ★討伐をやってみたい


 未達成(30)

 

 達成済み(18)--新規(2)・確認済み(16)

 ★装備を整えて、それっぽくしてみたい

 ★異世界ならではの店をまわりたい

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 防具屋さんと武器屋さんに行ったので、『★装備を整えて、それっぽくしてみたい』と『★異世界ならではの店をまわりたい』が同時に達成になったらしい。




 数日後、ギルドに依頼を受けに行ったところ、またレグルスに待ち伏せられていた。

 どうやら余程私が心配らしい。こりや、『お気に入り』って言われるわけだ。

 気にしなくていいのになぁと思っていたけれど、いざ話を聞くと


「ダンジョンですか?」


 その単語にちょっとワクワクしている自分がいた。


「あの森の外れに初級ダンジョンがあるんだけど、スピカにはちょうどいいレベル上げになると思うんだ」


 聞くところによると、ダンジョンは私がよく知ってる異世界ファンタジーモノと一緒で、討伐すれば死体は消えドロップ品が出てくるらしい。

 もし何かがあっても、モンスターボールになって(笑)移動し、その階層の出口に辿り着けば魔獣はそれ以上ついてこれない仕様なので、今後森でレベル上げをするより余程精神衛生上良いのではないかとのことだった。

 レグルスが私のことをちゃんと考えてくれたと分かる提案を断る理由はない。即答で「お願いします!」と言っていた。


──決してダンジョンに行ってみたいというお上りさん気分からではない。

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