目撃証言81『???????????』
奥野 出汁尾は、年齢21歳の大学生である。
角刈りの髪、ゴツイ体、そして厳つい顔の男は、ある一定の女性にはモテそうである。
しかし、全くと言っていい程にモテない。
理由は簡単である。
「さて……今日も探すか……」
出汁尾は、今日も今日とて片手に持った物を誰の目も気にせずに運ぶ。
彼はそれを食べて欲しい。
それを食べてくれる者を探している。
「お願いだ……今日こそは……今日のは渾身なんだ……本当に素晴らしい……運が良い」
辺りを見渡すと、皆がゴミでも見る様な目で軽視している。
「本当に迷惑ねえ」
「ここから早く出て行ってくれないかしら」
「警察は何をしているの」
「無理よ……あれだけではただの迷惑なだけ……民事未加入とか言われて無視よ」
諦めたように近所の人達は、通り過ぎる。
「ふん、下らん……貴様等は運命ではない……何でも食べる者こそが……この俺に相応しい」
出汁尾は、そんな目など構わず、歩き続ける。
「あ」
「よくやるよ」
加瀬兄妹である。
二人は、軽視の目もせずに通り過ぎる。
そのうちの一人が三田市三大害悪の一人だからだろう。
因みに出汁尾も三大害悪の一人であった。
彼は、今日も探す。
「今日は快便だったんだ……誰かこのうんこを食べてくれると嬉しいんだが」
今日も彼は、うんこを片手に持ち、それをスカト〇してくれる運命の人を探している。




