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目撃証言78『ショート』

「うえつてううえ……」

「どうした! ムッチョ! お前は国を!」

「無駄ですよ、コイツには私が情報を与えました、この一瞬で私が知り得る秘密結社ディプレッションの統領の情報、これまでの組織の情報、そしてこの世界を征服する為の情報、これらをこの一瞬で彼の頭に脳みそに詰め込みました、いくら筋肉を鍛えようと脳みそのメモリーには限界がある、そして私が知り得る情報を仕舞い込むにしても大量のデータを送り込むと時間が掛かってそれ等のデータを保存しようとする、しかし私はそれらを全て無視して無理矢理こいつの脳みそに捻じ込んだ……どうなるか分かる?」


ケタケタと嗤うレイディーに、琉鬼奈はニタっと笑う。


「なるほど……俺も頭で考えて作戦を考える……それに脳みそが必要なのは知っているしこの世界に産まれてからどういうものかも理解出来ている……お前とアイツとは相性が悪いのか……そうなるなら脳を守る為の魔力の扱いも教えるべきか……ハハハ、負けたよ」


アッサリと敗北を認めて、ムッチョの肩を叩く。


「ごめんな、でも頑張った……さよなら」


すると、ムッチョはその場で倒れて血を大量に流す。


「え……死んだッペ?? ムッチョ?」

「いや……いやあああああああああああああああああああああああああああ!! むっちょおおおおおお!! pっぷうううううううううううううううううううう!!」

「馬鹿な……どうしてこんなことになったッル……」


妖精達は、悲鳴を上げながら泣き叫ぶ。


「ああーあ」

「え? それだけ黒子……」


霧雨は、唖然としながら黒子を見る。


「もういや……霧雨ちゃんが言ってた事分かったよ……これがドキドキの戦士の厳しさなんだね……」

「いや……私もここまでの事が起こるとは思わなかった……間違いなくあの時は……」


想像以上の苦しさに、良子は泣き崩れる。


「何も……私には何も守れない……一体……どうして私に力がないの……どうすれば」

「闇堕ちしようか? ね!」


レイディーは、嬉しそうにしながら、良子に手を差し伸べる。

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