目撃証言67『パートナー』
合わせ鏡、再び加瀬兄妹はそれを使い現状を把握した。
『あの爺さん殺されたらしいね! 次は僕等が相手をするよ!」
『バルバーズ爺か……奴は所詮爺だ……まあお前等なら多少の成果を出すかもな……』
相変わらず、王座に座る男は退屈そうにしながらラグナと共にいる少年に対して、失笑する様に見る。
『任せてよ! 僕とラグナの絆は深いんだ!』
『グロロロロロ!!』
ラグナは、懐いているかのように、少年に撫でられて嬉しそうにする。
「ほう、一匹のラグナと仲が良いのか……でも何で目を布で巻いてるんだ? 目が見えなくて耳がとてつもなく良い人か?」
そんな事を考えながら、覗いていると少年は耳に手を当てる。
『聞こえる! 魔力の波動が! 僕の探知ソナーである耳からは逃れられない!』
「あいたたった!! 何か言ってる! 恥ず!」
文雄は、顔を赤くしながら見ていると風美は、鏡で美奈子を見ていた。
『レイディー! どうする! この御菓子好きなの取って良いわよ!』
『! 良いんですか! ありがとうございます!』
美奈子は、キレーからお菓子を貰って嬉しそうにする。
『おい! レディー! それ重いだろ! 持ってやるよ!』
『ありがとうございます! イライーさん!』
イライーからは、重い荷物を持ってもらう。
『レイディー、次の作戦を考えよう……』
『はい! ネチネーさん!』
完全に目の前に居るボスは無視されていた。
『おい! 貴様等! どういうつもりだ!』
『『『ッチ』』』
3人は、気持ちよくレイディーと話していたにも関わらず、水を差されてボスを睨み付ける。
『はい! ボス!』
『お前……最近調子に』
『ちょっと! レイディーに突っ掛かるんじゃないわよ!』
『そうだぜ! 何考えてやがる!』
『お前も少しは仕事をしろ』
しかし、3人は、呆れ返る様にボスを馬鹿にする。




