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目撃証言63『心霊現象』

「お待たせ、途中で蚊が居てさあ!」

「殺してたらちょっと時間掛かっちゃった!」


二人は笑顔で、良子の元へと向かう。


「そ、そうなんだ! ううん! 私は気にして……え……」


しかし、良子が見たのは信じられない光景であった。


何と目の前に、体中切り傷だらけプリッペが苦しそうにしていた。


「っぺええ……ぺええ……いたいっぺえええ」

「なんで……」

「? 何が? お茶嫌だった? コーヒーが良い? でも中学生が……は! 中二病! コーヒーが良いね! 入れ直すよ!」

「う! ううん!! 違うの! え……え?」


良子は、何が起こったのか理解出来ず、文雄が戻るのを止める。


「? そう? はいお茶」

「あ……ありがとうございます……」


震えながら良子は涙目になって、プリッペに問いかける。


「な……何があったの……」

「っぺええ……二人が……蚊を殺そうと……しってええ……包丁でええ……sろえええ……でええ…」

「!! 包丁!」

「え? なに? 包丁? ああ! たまたま持っていた物で蚊を遂殺そうとしちゃってね! な! 風美!」

「そうだよ! 良子だって持っていた紙とかで叩こうとするでしょう? 効果が無くても! まあ殺せたんだけどね!」


良子は、涙を流して、プリッペの頭を撫でる。


「ごめんね……ごめんねえ……」

「??」

「え? 良子? どうしたの? そこに誰か……まさか! 幽霊!」

「何! 幽霊だと! こうしちゃいられない!」


文雄は、急いで台所に向かう。


そして、塩を取って来た。


「くらえええ! 特に清めてもいない塩を! ううおおおおおおおお!!」


文雄は、塩をプリッペ目掛けて投げつける。


当然、良子の目線の先に居たのがプリッペの為、幽霊とされても違和感はなかった。


「pっぺええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!! しみるっぺえええええ! 痛いッペえええええええええええええええ!」

「!! 止めて! お願い!」

「え? なんで? 内に不法侵入した幽霊が悪いんでしょ? 止めないよ! 立ち去れ! 悪霊退散!!」


しかし、無視して塩を投げ付ける。


「おっぺえええええええええええええええええええええええええええ!」


プリッペは地獄の苦しみに藻掻いた。

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