目撃証言62『あ、虫』
「加瀬文雄! きっと可愛らしい妹さんである風美さんを乱暴しているッペ! 突き止めるっペ!」
プリッペは、気合十分で文雄の蛮行の現場を抑えようとしていた。
「………」
「うん」
文雄は、風美に合図を送って二人は包丁を持つ。
「あ! 虫!」
文雄は、包丁を使って虫を退治しようとプリッペに向けて振り回す。
「っぺえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」
プリッペは、振り回される包丁を何とか避けながら涙目になる。
「何だっペ! い一体なんだっペ!!」
パニックを起こしながら青ざめて何とか包丁を避ける。
「そこだ!!」
次に風美が、包丁をそのまま突き立ててプリッペの頬を斬り付けた。
「!! っぺ! 痛いッペ!」
プリッペは、頬から垂れる血を見てから、痛みが襲った。
「何なんだっペ! どういう事だっペええええ!!」
絶叫しながら逃げようとする。
「逃がすか! 蚊め!!」
しかし、文雄はプリッペの逃げ場を塞いでドアを閉める。
「っぺええええええええええええええええええええええええええええ!!」
「ふふふ、蚊め、もう逃げられん……ズタズタに引き裂いてくれる! ぶっ殺してやるぞ!! 虫めええええええええ!!」
「っぺえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
地獄は時間にして10分であった。
プリッペは、文雄と風美の包丁の猛攻を何とか避け続けた。
そして、
「やった! 蚊を倒せた!」
「やったね兄さん!」
文雄と風美の包丁には蚊が突き刺さっていた。
「っぺ……ぺ……ぺええええ……」
プリッペは、体中を斬り付けられ、息を切らしながら泣いていた。
「あ! 良子たん待ってんじゃない?」
「そうだった! お茶お茶!」
二人は、やっとドアを開けてくれ、プリッペはそこに逃げ込む様に飛んで行った。
「ふ、妖精如きが……」
「痛い目っ見せてやったぜ!」
二人はしたり顔で、サムズアップする。




